大切なことは・・・
何としても
あらゆる手法を講じて
できることは何でもやる
前倒しであろうと何であろうと
必要なことは何でも
全力を挙げて達成しなければならない
早期に2%の物価目標を達成する
日本銀行として達成しなければならない
日本銀行の責務
可能であると確信
長い金融政策の歴史を見ても可能
俺は俺の責務を全うする!!
ここにいる者は誰も死なせない!!
あっ、最後のセリフは人違い・・・
物価上昇率に対する確信や自信にあふれ、もう鬼気迫る覚悟すら感じちゃう黒田・前総裁の言葉の数々。所信聴取や会見などでこれをリアルタイムで見聞きされた人は、考えを異にする経済学者さんでもなければ、きっと実現すると思われただろうな。
だって、こんなに自信満々なんだから。
それもウルトラ・スーパー賢いエリート中のエリート、黒田・前総裁なんだから。
ところが既述のとおり「2年で2%」は達成できず、それが実現したのは黒田・前総裁が就任されて9年目の2022年のこと。それも物価上昇した要因は異次元緩和の貨幣量による成果でなく、ロシア・ウクライナ問題を機とした海外からのコストプッシュや円安によるものだった。
あれだけ確信と自信を持って始めたのに。
けれどその間、日銀は諦めず緩和を続けた。
勝つまでやる、という思いだったんだろうなぁ。
だから目標達成時期の見通しや予想も繰り返されることになった。
またその変遷は、日銀のレポート「経済・物価情勢の展望」で知ることができる。
このレポートは文章のため、抜粋したものを時系列で紹介してみる。
以下、物価目標達成時期の見通しと予想の記述。
2014年4月
見通し期間の中盤頃に2%程度に達する可能性が高い
※見通し期間は2014~2016年度
2014年10月
2015年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高い
2015年4月
2016年度前半頃になると予想される
2015年10月
2016年度後半頃になると予想される
2016年1月
2017年度前半頃になると予想される
2016年4月
2017年度中になると予想される
2016年7月
2017年度中になるとみられるが、先行きの海外経済に関する不透明感などから不確実性が大きい
2016年11月
見通し期間の終盤になる可能性が高い
※見通し期間は2016~2018年度
2017年7月
2019年度頃になる可能性が高い
2018年4月
目標達成時期の見通しの記述がなくなっている
これほど見通しや予想が甘いのもすごいけれど、それだけ経済予測は難しく、コントロールできないということなんだろうな。
またこうして並べてみると、諦めずというか政策転換をせずによくこれだけ延期を繰り返したな、と思う(称賛ではない)。
しかし、2015年6月という意外と早いタイミングで、国際コンファランスでの開会挨拶をされた黒田・前総裁は、結びでこんな発言をされている。
皆様が、子供のころから親しんできたピー ターパンの物語に、「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」という言葉があります。
大切なことは、前向きな姿勢と確信です。
えっ、マジか・・・
これって
「物価上昇率2%が実現するかどうかを疑った瞬間に永遠に実現しなくなってしまう」という言葉があります。
大切なことは、前向きな量的緩和と確信です。
と、いうことですよね、前総裁
まるで宗教家の教えみたいなことを語られていますが、大切なことは信じることや雰囲気なんですか?
あれっ、 経済学とか金融工学は・・・
高度な計算から導き出した数値や手法じゃなかったんですか?
そうそう前総裁、この発言を知った時、ぼくは「闇金ウシジマくん」で情報商材屋(マルチ商法)をやっていた村上仁のセリフが頭を過っちゃいましたよ
「俺らが売るものは金儲けの方法じゃねぇ。金儲けができそうな雰囲気だ」
つづく
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