『ドワーフじいさんのいえづくり』青山邦彦|ものづくりってわくわくするし、おうちってあったかい|大人も楽しめるおすすめ絵本
絵本の物語は、普段中々できないことを疑似体験させてくれる。
森の仲間たちと大きなホットケーキをつくること、冬眠に向けて木の実をたくさんおうちに集めること、海の中で大冒険することなど。
そんな素敵な疑似体験ができる絵本の1つが『ドワーフじいさんのいえづくり』だ。
作者の青山邦彦さんは、建築設計事務所で働かれていた経歴を持つ絵本作家。今回のテーマ「いえづくり」は、建築専攻で大学院を修了されている彼ならではといえるだろう。
タイトルの通り、主人公はドワーフのおじいさん。森に住む彼はある日、設計図をもとに家を建てようとする。彼が目指す見晴らしのいい家に向けて、彼は材木に手をかけるのですが…と物語はスタートする。
緻密に描き込まれた絵が、表情豊かな登場人物たちが、物語の世界に引き込んでくれる。一緒にいえづくりをしているような、わくわくする気持ちをたくさんくれる絵本だ。
みんなで手伝って何かを成し遂げることの楽しさ、目標が形になることの嬉しさ、仲間がいることのあたたかさ、仲間と一緒に計画をあたためていくことのきらきらさなど、誰かと一緒にするものづくりの魅力がぎゅっと詰まっている。
そして、つくるものが家だということもポイントだ。家、おうち、すみかというものは、ただの場所ではなく、思い出や気持ちが詰まったとっても大切な場所だ。それをつくろうとするドワーフじいさんの気持ちの描写にも、ほっこりとやさしい気持ちにさせられる。
誰かと一緒に計画すること、何かをつくること、それをとても魅力的に描いてくれるこの絵本に、目をきらきらさせてくれたら、そんなに素敵なことってないと思うのだ。
絵本についての私のnote
いただいたサポートは書籍購入費としてnoteに還元させていただきます。