空席の椅子に隠された意味
Amazonが創業してまだ間もない頃、創業者であるジェフ・ベゾスは、社内会議があるたびに、空席の椅子を１つ用意していたそうです。
空席ですから、そこには当然誰も座っていません。普通に考えたら、ただ邪魔なだけですよね。仮に当時のAmazon社員だったら、気を使って、端のほうに寄せていたかもしれません。
でも、ジェフ・ベゾスは、必ず、空席の椅子を用意していました。そして、不思議そうにその椅子を見つめる社員たちに向かって、こう言ったそうです。
「ここには、この会社で最も重要な人が座っているんだ「それはつまり 、私たちの『お客さん』だ」「この空席には、私たちの『お客さん』が座っている。だから、お客さんに聞かれてマズイ話や、お客さんのことを無視した発言はしない。そして、お客さんのためになる会話をしなさい。常に、顧客を意識しなさい」
そう、社員に伝えたそうです。
「顧客」を常に意識する。そう、Amazonが会議に必ず空席を用意するのは、常にそこに「お客さん」がいるということを、意識するためでした。
特に、会議や社内で集まって話をする時は、どうしても、「数字」に目が行きがちです。売上を上げるためには、成約率を◯%にしないといけないとか、CPAが上がってきているから、何か手を打たないといけないとか、売上目標達成するために、説明会にあと◯人集客しないといけないとか…。
もちろん、これらの「数字」は、事業を成長させていくためにはとても重要な事です。確認もしないといけないと思います。が、それだけになってしまっては、片手落ちで良くないってことです。
お客さんにとっては正直、あなたの会社の売上がいくらになろうが、集客数がどれくらい必要だとか、CPAがいくらくらいだとか、そんな話は、どーでもいい話ですから。
お客さんが唯一興味がある話は、いくらで「私にとって、どんな良いことをしてくれるの？」ということで、「私のどんな悩みや問題を解決してくれるの？」ということ、それだけです。
こう聞けば、「そりゃそうだろう」と頭では分かるものの、実際にそういう考え方が出来ているか？ということについては、一度考えてみる価値があるのではないでしょうか？
少なからず、 創業当初のAmazonは、顧客を常に意識し、会議でも顧客のための会話が出来るように意識的に空席を用意していました。
そうでもしないと、我々ビジネスマンは「数字」ばかりに目が行ってしまって、その先にいる「お客さん」が見えなくなってしまうということを、ジェフ・ベゾスは分かっていたんです。「数字」だけではなく、その先にいる「顧客」に目を向けようという意味です。
結構、「数字」の方ばかりに目が行っている人をよく見かけます。特に、WEB広告やWEBでビジネスをされる方の話を聞いていると、出てくるのは基本的にいつも、CV数がどうだとか、CPAがどうだとかそういう話ばかり。
もちろん、そういった「数字」を意識することは、とても大事なことです。悪いことではないし むしろ、いい事だと思います。ですが、それだけになってはいけないということです。
「論語と算盤」じゃないですが、「数字」と「その数字の先にいる顧客」、この2つをバランス良く見ていく必要があります。数字だけ見ていては、本当に大切な「顧客視点」を見失ってしまって、判断を誤ってしまうかも知れません。
はい、ってわけでぜひぜひ今後も戦略講座、参考にしていただけると嬉しいです。
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