見出し画像

本棚の前を

昨日に引き続き本棚の話。
何故なら今日も朝から晩まで本の山とたわむれていたから。そしてすこぶる疲れているから。

結論を先に書くと、私の本棚が完成した。

画像1

これが私の本棚。

物質としての本棚は無印良品の商品だが、どうも廃盤になってしまったらしい。十年以上まえに買って何とか自分で組み立てたものだ。

私の本棚、というのは、そういうことではもちろんない。
どんな本がどんなふうに納められているか、どう本とおつきあいしていきたいか。
それが目に見えるようになっている「状態」を指して、私の本棚と私は呼んでいる。

昨日も書いたが引っ越して三日ぐらいは本の整理をしていたとはいえ、その時点での目標はほかの引っ越しの片づけのための空間確保が要だった。よって、とにかく本を押しこんだだけでずっと止まっていた。
今日、ようやく、私の本棚づくりをちゃんとできるところまで来たのである。

画像2

まず、文庫本をほぼすべて取り出した。
中央あたりにだけ残っているのは、ここはひとつのジャンルの文庫本がすべてそろっているし、場所も動かしたくなかったから、そのままに。

文庫を出しただけだとそんなに余白ができるわけでもない気がしたのに、実際はそうでもなかった。

画像3

これが文庫本の一部。
ぽっかり空いた床に座って仕分けしていった。
どう分類するかがまだ悩みどころだったので、とりあえず日本と海外に分け、そこから作家ごとにまとめ、ジャンルや年代で別にして、ちょっとずつかたまりをつくっていったら、気がついたときにはだいぶ納得のいく様子になっていた。
頭だけ動かすよりは手でふれているほうが、私の場合はこういう作業をうまくやれるようだ。

文庫が一段落したのち、ハードカバーも似たような流れで取り組んでいった。

そのころには本棚にはマンガだけが残っていた。
バンカーズボックスを本棚の前に積むことを想定してマンガを移動させたりバンカーズボックス行きにしたり、そんな調整をしつつ、まず前面に文庫を入れていく。
引っ越し前は、文庫だけなら奥から三列ぐらいまでぎりぎりに入れていた。でもそれだとやはり見づらいし探すのも一苦労。
どうやら奥に入れる本は底上げをしておくと良いらしいが、面倒なのでその方式は採用せず、前面をつくってから奥に入れてもまずまずわかりやすいサイズやジャンルを選んで並べていくことにした。
原則、二列までと決め、少しすきまをとることを意識した。
あと、あまりきっちりしすぎないこと。ちょっとだらしない置き方のほうが奥が見えやすいことに気づいたから。

そんな調子であれこれやって、数時間。
私の本棚が、できあがった。

画像4

本を積めたバンカーズボックスを本棚付近に設置して、今、こんな様子になっている。

ボックスの上にいろいろ置いてあるものは隣室、メインルームに運ぶ予定だから、それが済めばもっとさっぱりするはずだ。

ちなみに画像左側のちょっとおしゃれな箱の中身は同人誌や文具。これも一部はメインルームに移すつもり。
実はというかバンカーズボックス二箱ぐらいにも同人誌と、あと資料がしまってある。

同人誌は三冊のクリアファイルホルダーに分類した上でボックスに入れる徹底ぶり。
引っ越し時、同人誌関係は旧居での保管状態をそっくり移動させられたので、新居で改めてどうにかする必要はなかった。いろいろな意味で助かった。
(運搬作業中も箱のかわいさが幸いしてか完全ノーチェックで済んだらしい。そりゃ成人むけもあるに決まっているからうっかり落としてばらまかれでもしたら社会生命に関わる。と言いつつ同人誌は本屋さんで変えるものと違って替えがきかないものが多い。私の清楚可憐なイメージなどどうなろうと痛くもかゆくもあまり無い。18禁もほのぼのもBLも百合もノーマルも二次創作もオリジナルも一切がっさい同人誌だけは美しく扱ってほしい。特に念を押したわけでもないけれど、結果的にそうなってくれてほんとうに良かったとほっとしている)

資料は私が小説を書くときに使う文献のほか、ゲーム「ドラゴンクエストビルダーズ」シリーズで建物や地形をつくるときに参考にしたい写真集、画集、雑誌など。あとは映画のパンフレットや公式ガイドブック。

三十冊ほどの手芸本はこの本棚の右側にある収納スペースに、道具といっしょにしまっている。

今回の私の本棚は、これまでとちょっと違うところがいくつかある。

未読本はなるべく一箇所にまとめたが(放置状態ではあるものの思いあまって「積ん読ブログ」をつくってしまうぐらいには未読本が多い)好きな作家さんであればあるほど既読と未読で分けることはしなかった。
読みたくなったら、読み返しても、新たに読んでも、その作家さんなら面白いに違いないからだ。

また、活字の本とマンガも明確に区分していない。
定期的にはまる「文豪ストレイドッグス」の近辺に日本文学、といった感じ。
実際に「文スト」の作画担当さんと角川文庫の文学がコラボしていて、当然、それらの本はそろえているから、近くに並べても違和感はないと言える。
それにしても太宰治の『人間失格』は実家にあるものも数えると恐らく五冊ぐらいは持っている。「デスノート」完結直後に小畑健氏が表紙絵を書いてくださったのが、いま思うと先駆けだったのだろう。
現在、手もとには「文スト」イラストが表紙の『人間失格』のほか、夏のフェアでのコラボものもある。

本の分類方法としては作家の国籍(一次言語)、ジャンル、年代などが主だったところだろう。
私はそれらに加えて、装丁も考慮したいのでちょっと厄介だ。

でもそういうこだわりが楽しい。

私の本棚は、そんなふうに、今の私にとってとても心地のよい本棚になった。

明日はついにメインルームに着手するつもりでいる。
今メインルームにあるものは、ベッド、テーブル、座椅子、キャットタワー、テレビ、小さな棚、暖房器具。文房具や小物を運びいれたらようやっと暮らしの色が出てくれそうだ。

本のある部屋とはふすま一枚で隔たっているが、猫のためにも常時ちょっと開けている。
テーブルの前に座るとちょうど本棚がまっすぐに目に入る。
それだけで何だかとても嬉しい。

台所やバスルーム、トイレ、玄関に行くには、本棚部屋を経由することになる。
前の家はちらかりきっていたこともあって本棚のある部屋はほぼ開かずの間だったのが、これからは毎日、この私の本棚の前を通って暮らしていく。

良い環境だなと思う。
とても、とても素敵で、幸福な日々だろうなと、ごきげんな気持ちで、そう思う。



サポートして頂いたぶん紅茶を買って淹れて、飲みながら書き続けていきます。