Covid-19 イギリスの状況記録ー感染率世界5位になったイギリスの今

3月23日、イギリスでロックダウンが始まってから早1か月が経過した。

私は普段ロンドンに住んでいるが、現在は疎開として、ロンドン郊外の町に避難した。そこでロックダウン生活をしている。

1.イギリスの今

ロンドンから離れてからは、ストレスが減った。私が現在滞在しているのは、ロンドンから1時間半ほど南に行った先にある小さな町だ。目立った観光地というわけでもなく、人口の90パーセント以上がイギリス国籍のイギリス人ばかり。世界情勢とは裏腹に、漁師町で非常に穏やかな時間が流れている。

最初にこの町に到着したばかりのころは、アジア人を見ることも少なかったのでもしかしたら差別をされるのでは…と恐れていたが、そのような経験もなく、ロンドンに比べて人に会う機会もほとんど無いため、すごくリラックス出来るようになった。フラットシェアで、家族以外の人と一緒に住む場所を常に共有しなければならなかったので、家の中でも物を触ったりするとき油断できなかったし、外に出るときは100パーセントマスクをしなければいけなかった。それがなくなっただけすごく楽になった。

知人の話では、ロンドンではスーパーマーケットに入場するのに1時間以上待たなければならないという話だ。というのも、スーパーマーケットが所謂、日本的に言う「密」を避けるために、人数制限をしているからだ。

また、外で運動をしようにも、やはり首都、人口が集中しているため公園などにも人が集まりやすい。また、4-6月はイギリスで一番良い季節なので晴れの日が多く、(実際今日まで4月の頭から全く雨が降っていなかった)ピクニックや日光浴、運動をしたい人は衝動を抑えきれず、ルールを破って公園に集まってしまうという事象が起こっていた。

一度爆発的な感染が始まってからのイギリスは、もう止まるところを知らなかった。その感染量の推移はイタリアと大差ない。

こちらが今日(4月28日)付の感染者レポート。Positiveと記されているのが24時間以内に発覚した感染者量。Deathsは同じく24時間以内の死者数だ。

今日は新たな感染者数3996人、死者数586人となっている。

日本からしたらぞっとするほど大きな数字だと思うが、これは実はここ数週間では少ない人数である。ここ2-3週間の毎日の新たな感染者数平均はおおよそ5000人、死者数は700-800人だ。つまり、ここ2-3日で、これでも少しは数値が下がってきた方なのだ。

この膨大な感染者数、一つ気づいてもらいたいのは、「検査数」の多さ。ここに日本との大きな違いがある。

2.日本の検査数の圧倒的少なさ

先ほどの票にもある通り、イギリスでは毎日、2-3万人の人が検査を受けている。これは実は、ヨーロッパ諸国の中では極めて少ない検査数だ。

こちらの画像を見てわかる通り、多くの国で一日あたり4万件以上の検査が行われている。多い国では10万件を超える。

検査が多ければ、その分発覚する感染者も増える。

この記事を書いていてまず驚いたのが、日本語のウェブサイトでどこを見ても、「一日の検査数」について言及しているものがない。

しかし、3月ごろの過去記事で「月内に7000件を目指す」などと言っているあたり、おおよそ多くても一日あたり1万件程度だろうと予測する。

つまり何が言いたいかというと、日本には公にされている倍以上の感染者が間違いなく居るということ。

3.日本国内の死者数の圧倒的少なさ

しかしそれに相対して、日本では確実にコロナウィルス関連の死者数が少ない。これについては、明確に答えはないがいくつかの理由を予測してみた。

1.マスクの普及率と習慣のちがい

以前、こちらの記事でも書かせてもらったが、マスクの普及率は雲泥の差。また日本人は普段から触れ合ったり挨拶の時にハグしたりするような人種でもないということが大きい。

2.元々の免疫力の違い・貧富の差が激しくない

日本人の食生活は以前から言われている通り、非常に健康的だ。米を中心にした食事をするし、何より日本では食の物価が比較的低いため、(安いものを買ってもバランスのとれた食事を提供しているレストランが多い)偏った食生活をする人は欧米諸国に比べて、少ないと思う。

また、日本では、貧富の差はもちろん存在しているのだが、欧米諸国のそれとは比較にならない。なぜなら違法移民などが少ないからだ。欧米ではどこから来たかもわからないような人が違法で、その国でぎりぎりの生活をしていることなど当たり前のようなもの。そのような人たちが免疫力を付けられるほど、裕福な暮らしが出来るかと言えばそれは難しい。そのようなところに日本との大きな違いがあると私は考えている。

4.イギリスのこれから

イギリスは確実にあと1か月以上ロックダウンが続くだろう。現在公式な発表では先週の時点であと3週間ロックダウンを引き延ばすとあったが、3週間で収まるとは私は思っていない。

イギリスの感染者推移は非常にイタリアに近く、現在イタリアは感染者数が減少傾向にあるが、その間もずっとロックダウンが継続されている。すなわち、イギリスも同じルートをたどると私は予測していて、感染者量はこれから減少傾向になる可能性は高いが、ロックダウンはおそらく少なくとも6月まで、さらに多く見積もれば7月まで行く可能性も十分ありえる。

日本は全く持って違った動きを見せているため、どれだけ長引くかはヨーロッパ諸国を見て予測できない。これからの日本人の忍耐と、政府の動きによって収束が早まるか、さらに拡大していくかは決まっていくだろう。

なかなかポジティブにはなれない毎日が続いているが、今はどの国でも我慢が重要になってきている。最終的に外にでて思いっきり深呼吸できるようになるために、今は忍耐が必要だ。GW、辛いですが頑張って家で自粛頑張りましょう。

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