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美大卒現役舞台関係者が好きな漫画

#私を構成する5つのマンガ というタグが面白そうだったので書いてみた。私(20代後半・美大卒舞台関係者)が好きな漫画五選を、ストーリーだけでなく美術的な目線でも選出してみた。

1.D.Gray-man (1-8巻まで)

私は小学校5年から高校2-3年くらいまで、週刊ジャンプを毎週購読していた。時代でいうと2004-2010年代くらいのころの話で、当時の週刊ジャンプはノリに乗っていた…ONE PIECE、ナルト、BLEACH、Death Note、愛シールド21、リボーン等々…とにかくラインアップが相当良かった時代だ。
そんな私が取り分けはまっていたのがD.Gray-man。この作品は私の趣味嗜好のベースになっているなと思う。私が好きなのは8巻まで。9巻からは急に絵柄が変わってしまったのと、内容が複雑になりすぎて着いていけなくなってしまった。
8巻までの内容はすごく作りこまれていて、まず作者の作画力が非常に高かった。仮想ヨーロッパの世界観で繰り広げられる、千年伯爵という人間の弱みに付け込み、人をおぞましい人造機械に変えてしまう男の勢力と、それに対して超能力を持った「エクソシスト」が戦いを繰り広げる。内容が人間の弱みなど、儚さを感じる内容で感情移入できる話が多かった。
初期では、イギリスや他ヨーロッパ諸国のを参考にした建造物などが描かれているのも好きな部分だった。

2.のだめカンタービレ

のだめはまあ同世代なら皆一度は聞いたことがあるだろう。ドラマも映画も大ヒットで日本を轟かせた作品。
私は母は音大卒のピアノ教師で他の親戚にも音大卒が多く、しかものだめの通う大学のモデルになった「武蔵野音楽大学」に通っていた人が多かったため親近感があった。
私は幼稚園から高校まで母のもとで15年間ピアノの練習をしていたし、中高時代オーケストラクラブに入っていた私は、すごく感情移入できるものがあったのは大きな理由かもしれない。
絵柄的に魅力があるわけではないが、個性的なキャラデザインが際立つ。
何よりこの漫画の魅力は、作者の徹底したリサーチ能力にあると思う。音楽関係者が読んでも「そうだよね」と腑に落ちることが出来る、それだけ作者が念入りなリサーチをしたからこそ、内容が為になるし、クラシック音楽という、多くの若い層には親しみのない分野に窓口を与えたのがこの作品だ。
連載当時は、新しい巻が発売されるたびに、母と取り合って読んだものだった。

3.ベルセルク

ベルセルクは美大時代に友人に勧められて読み始めた。少年漫画は数々読んでいた私ではあったが、青年漫画というのは初めてで、その迫力に驚かされたものだった。
ベルセルクの魅力は、その世界観はもちろんのことだが、「作画力」にあると思う。とにかく、重厚な書き込み・感じられる躍動感。ちなみにアニメも見てみたが、動いているにも関わらず「物足りない」と感じてしまった。それほどにベルセルクは「紙面上」で完成されている。もしくは、あの絵柄に忠実にアニメを作らなければアニメ化の意味はない、と思うほどにベルセルクの絵は、躍動している。
私が一番衝撃を受けたシーンはもちろん、「蝕」のシーンだった。すさまじい書き込みの、絶望を感じさせる地獄のようなシーン、愛する者が凌辱されそして、友が裏切る。畳みかける絶望的なイベントの数々。息をするのも忘れて読んだシーンだ。

4.ハチミツとクローバー

この作品は美大卒なら王道ではまるといっても過言ではない。ハチミツとクローバーは私の母校・「武蔵野美術大学」がモデルになっていて、見慣れた校舎の風景が色々と出てくる。
内容としては、甘酸っぱい大学での青春・恋愛はもちろんのこと、物を作る人間たちの生みの苦しみ・そしてそういう人間が持つ他人に近づく際のぎこちなさ。そういったものが繊細に書き出されている。
作者の羽海野チカさんは、現在は「3月のライオン」も連載していて私はそちらも好きなのだが、彼女の作品を読んでいて思うのは、彼女はすごく人間の繊細な心の動きなどを敏感に描ける人で、彼女がそれを漫画にして救われた人がどれだけいたのだろう?と思う。
いじめや・人と違うことの苦しみなどにも両作品において良く触れていて、その表現が非常に繊細なため、私は確実に、羽海野さんはそういう思いをしたことがあるのだろうなと思う。
私が特に共感したシーンは、主人公はぐみが中学生時代に、孤独の中でひたすら絵を描き続けるシーン。自分はまさにそういう子供だったので、涙なしには読めなかった。

5.進撃の巨人

今や誰もが知っている伝説的な作品と化した、「進撃の巨人」。私も同じく完全にハマった口で、その始まりはやはり「アニメ」からだった。当時大学生だった私は結構そのシーズンに始まるアニメをチェックしていて、その中から「進撃の巨人」のトレイラーを見つけて観たところ、何やら作画が半端じゃなさそうだったので、観ることにした。
一話目の衝撃はいまでも忘れられず、アニメ1期放映当時は毎回放送15分前くらいに待機してたほどだった。
とにかく内容が斬新、キャラも斬新。無慈悲になじみ深いキャラが裏切ったり、無残に死んでいくのもある意味、リアルな戦争か何かを見ている様な気持ちになり恐怖と好奇心という感情が同時に押し寄せてくる。内容はもちろんゴリゴリのファンタジーではあるものの、その内容は常に人間社会に問いかけてくるような深みがある。
アニメ後、原作を読むようになり、逆にその低作画力に驚いたが、味のある独特な絵、そして何より先の読めないシナリオにのめり込み読むのをやめられないといった気持ちにさせられたものだった。
現在はある程度人気も落ち着いてきたが、アニメでようやく突入したマーレ編もこれからどのような展開を見せていくのか見物だ。

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