無意識に体重管理が続けられる「スマートバスマット™️」 開発ストーリー
はじめまして。issin株式会社の程です。
へルスケアスタートアップのissin株式会社で代表取締役CEOを務めております。
このnoteでは、現在、私が魂を込めて製品・サービス開発に取り組んでいる「スマートバスマット」の誕生までのストーリーについて、こちらに綴らせていただきたいと思います。
私は、学生時代にpopInという会社を起業してから、ずっとITの世界に身を置いてきました。
常に順調というわけではなく、ときには大変な苦労もしましたが、多くのお客様、投資家の皆さんに支えられて、ビジネスは大きく成長しました。
また、本業のソフトウェア開発とは別に、一からハードウェアを作るプロジェクトを実行。
2018年には、照明一体型3in1プロジェクター「popIn Aladdin」を生み出し、ヒット商品に育て上げました。
おかげさまで、累計販売台数は20万台を超えることができました。
そんな私の、次なる挑戦が「家族のヘルスケア」。
皆さんが、健康を“無意識”に管理できるようなサービスや商品を提供します。
第一弾は「スマートバスマット」。
毎日のお風呂にあわせ、意識せずとも自然に体重を量れて、記録や管理もできる商品です。
この開発ストーリーでは、スマートバスマットが生まれた背景や、開発者として私が商品に込めた想いをお伝えしていきます。
ビジネスは順調!体重も成長…?
突然ですが、皆さんは「体重」をチェックしていますか?
私はここ数年、とても忙しい日々を過ごしてきました。
おかげさまでビジネスは大きく成長。
2018年には自分の思いを込めた新しい家電製品「popIn Aladdin」を世に送り出すことができました。
でも、多忙にかまけて、自分の身体のことはほったらかし。
気づけば、会社で受けた健康診断で「F判定」、異常あり、という結果が……。
「F判定」は、判定不能を除くと最も低い評価をあらわします。
当時の写真を見みても一目瞭然。
かなり、ふっくらとしていました。
子供にはそんなふうにいわれてしまいました。
そういえば、ベイマックスは、ケアロボットという設定。
健康を守るロボットに似ているのに、不健康な身体とは、皮肉なものですね。
さすがに私も「まずい!」と思いました。
食事に気をつけ、運動量を増やし、体重を減らすように努力しました。
すると、みるみるうちに体調がよくなっていきました。
翌年の健康診断では、前の年にF判定だった部分もすっかり改善。
見た目も、すっきりしたと評判です。
「体重」を減らすだけで、注意すべき診断項目はすべてよくなりました。
体重管理って、大切なのだな。
私は、改めて気づいたのでした。
(※ベイマックス …2014年に公開されたディズニーの3DCGアニメーション映画。最愛の兄を謎の事故で亡くした少年がケアロボット「ベイマックス」と共に活躍するストーリー)
体重は、いちばんわかりやすい「健康のバロメーター」
私の場合、「体重」を意識して減らすだけで、健康診断の数値は改善しました。
調べてみたところ、体重は、その人の健康状態を示す「一番わかりやすい指標」だとわかりました。
お医者さんに聞いても、皆さん口を揃えて「体重に注意しなさい」と言います。
今読んでいる皆さんも、実はわかっているはずです。
「体重」をチェックすることが、とても大切だということを。
世の中では、さまざまな体重計が販売されています。
あなたの家にも、他の健康器具はなくても、体重計はきっとあるはず。
でも、体重をちゃんと管理できている人は、意外といません。
なぜでしょうか?
そこで私は、調査会社と協力してアンケートを取ってみました。
あなたが、体重計をふだん使わない理由はなんですか?
答えは……。
これではいけない。
一番大切な体重というデータを、みんなにちゃんと計測してもらうにはどうしたらいいのだろう。
私は考えました。
「体重計に乗る手間や、記録する手間がはぶけるように、毎日のくらしの中で自然と量れたらどうだろう。
しかも、体重の数字に一喜一憂しなくて済むようにできたら……」
カンタンに計測できて、記録も管理も自動。
しかも、いちいち体重の「数字」を目にしなくて済む、スマートな体重計をつくりたい。
ここから、私のまったく新しい体重計を作る試みが始まったのです。
実験を繰り返してわかった、理想の体重計とは?
「気のゆるみ」は、体重管理、ダイエットの天敵。
毎日きちんと体重計に乗ってチェックするだけで、あなたの身体は変わっていきます。体重を意識することが、まずは大切です。
でも、体重計に毎日乗る人は、意外といないものです。
今の体重計のどこが問題なのだろう。
そう考えた私は、30個もの体重計を買って、片っ端から試してみました。
オシャレなデザインのものもあれば、非常に高機能なものもありました。
置き場所もいろいろ変えてみました。家から出入りするときに絶対通る「玄関」、寝る前に量るクセをつけるために「ベッドサイド」。
家じゅうのあらゆる場所で実験しました。
体重管理で注意すべきは、体重を量る「タイミング」。
体重は、同じ人でも、一日の中で変動します。
食事やトイレはもちろん、運動による発汗も影響します。
体重管理のためには、できるだけ毎日同じタイミングで量るべきなのです。
私は発見しました。
毎日同じようなタイミングで行い、なおかつ体重を量るのに最適な「服を脱ぐ」とき……。
そうだ、お風呂に入るときだ、と。
「バスマット型体重計」の、アイディアが生まれた瞬間です。
私はさっそく、自分で試作してみました。
こうしてだんだんと、これまでにない、まったく新しい体重計の姿が見えてきました。
徹底的な「引き算」で作った、スマートバスマット
お風呂に入るとき、自然に乗れる「バスマット型体重計」。
私は、これを作るにあたって、徹底的に「引き算」していきました。
世の中には、高機能な体重計がたくさんあります。
でも、機能が豊富だからといって、毎日気軽につかえるわけではありません。
高機能なのに使われない体重計より、機能はシンプルでも毎日使われるほうがいい。
どんな立派な機械が家にあっても、毎日の体重すら、多くの人は管理できていないのです。
そこで私は、余計な機能を削っていきました。
体重を表示する液晶も、なくしました。
これは、体重計から逃げたくなる心理にも気を配った結果です。
乗った瞬間体重が見える必要はないのですから。その他の通知も必要最小限に。
一方で、バスマットとしての機能にはこだわりました。
最近のバスマットといえば、吸水性バツグンの珪藻土が流行ですが、肌触りが硬いのと、定期的に削るなどの手入れが大変。
そこで、珪藻土を練り込んだ、ソフトなさわり心地でなおかつ吸水性の高いマットを開発しました。
体重管理のためには、スマートフォンと接続するのが一般的ですが、ここにもこだわっています。
多くのスマート体重計で使われているのはBluetooth接続。
これらは使う際に体重計とスマホを近づけ、毎回接続しなおす必要があります。
そこで私はWi-Fi接続を採用。
スマホと体重計の距離を意識することなく使えます。バスルーム近くの体重計に、寝室からアクセスしてデータを確認、なんていうことが気軽にできるようになりました。
こうしてできあがったのが「スマートバスマット」です。
大切なのは「体重の変化」。
体重の管理で大切なことはまだあります。
毎日の数字そのものではなく「体重の変化」を重視することです。
たとえば、成長期にある子供の体重が日々増えるのは「いいこと」です。
でも、40代、50代の男性の体重が日々増え続けるのは「よくないこと」ですよね。
スマートバスマットは、こうした家族1人1人のニーズにあわせた体重管理ができます。
普通体型のお母さんは「健康維持モード」。
少し太ったお父さんには「ダイエットモード」。
育ち盛りの息子には成長を記録できる「チャイルドモード」。
おなかの子どもとお母さんの体重管理「マタニティモード」。
ペットも抱っこやおすわりで体重管理ができる「ペットモード」
そして、生活習慣病のサインを見逃さないための「持病ケアモード」を準備しています。
さらに、近い将来オプションとして、持病を持っている方のためのモードや、計測データを元にした医師によるオンライン相談、パーソナルトレーナーサービスなどの追加も検討しています。
私の大きな後悔
私には、ひとつ後悔があります。
生まれ故郷の中国を離れて、長く日本で暮らしている私ですが、実家の父が痩せていくのを写真やネット通話で見ていながら、何もできなかったのです。
父は、私の知らないうちに病気になっていました。そして、私の起業1年目の2008年に亡くなりました。
これは、後にある医師に聞いた言葉です。
体重をチェックしていれば、重篤な病気の早期発見にも役立ちます。
私がスマートバスマットに「リモート機能」を追加したのは、父のときのような後悔をする人を減らしたい、という思いも理由のひとつです。
現在、離れて暮らす母に使ってもらいたい。そんな気持ちで作ったのです。
私にとって、何よりも家族が一番大切。
これからの健康管理
今、健康関連のプロダクトやサービスは、健康への意識が高い方向けのものが中心です。
でも、多くの人は「めんどうくさい」とか「他のことで忙しい」というような理由で、これらを利用していません。
日本をはじめとする世界の先進国では、少子高齢化を原因とした医療リソースの不足や年金問題など、たくさんの健康にまつわる社会問題を抱えています。
これらの問題を解決するひとつの手法が「無意識の健康管理」です。
自分の健康は、自分で管理し、病気を予防する。
もし病気になっても早く発見する。
これによって、医療への負担を軽減できるうえ、ひとりひとりが健康に長生きできるようになります。
私が新しいビジネスを立ち上げたのは、「無意識の健康管理」を発展させるため。
その第一弾としてリリースするプロダクトが「スマートバスマット」なのです。
健康管理は、意識高い人だけのものではダメ。
ぐうたらでも、めんどうくさがりでも、意識せず自然と毎日健康をチェックできる。
それが、私の理想です。そのために、今後もさまざまなテクノロジーを活用していきます。
今後私は、日本の大学と産学協同でプロジェクトを進めます。
毎日見る鏡、毎日する歯磨き。毎日出す声……。
いろいろな情報やアイテムを利用して、無意識のうちに健康管理ができるサービスやプロダクトを生み出していきたいと考えています。
最後に
会社の名前、issinは漢字で「一新」と書きます。
実は、私の息子と同じ名前です。
私は我が子を育てるのと同じくらいの思いを持って、新しいビジネスを育てます。
これが、issin株式会社の一番の「強み」です。
スマートバスマットに込めた、私の家族への思いはすでにお伝えしてきたとおりです。
そして、皆さんが健康であることが、私の願いです。
あなた自身のため、そして大切な家族のために「スマートバスマット」を使うところから、「無意識の健康管理」をはじめてみませんか?
私たちは、家族のカラダとココロを守ります。
培った経験と知恵、消えることのない情熱とともに。
issin株式会社 代表取締役CEO 程 涛