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【10分師匠】「裸に生まれてきたに 何不足」〜川上哲治〜

どうも、伊志嶺海です。

このマガジンでは、毎朝10分間で偉人の哲理を学ぶPodcastプログラム「10分師匠〜偉人の哲理〜」の内容を発信しております。

音声はstand.fmとSpotifyで聴くことができるので、そちらもぜひCheckしてくださいね。

さて、今回の師匠は川上哲治さん。

川上さんは読売巨人軍の選手、そして名監督としてプロ野球界で大活躍された野球選手です。戦前から戦後にかけて活躍した野球選手で、その卓越した打撃能力から、「打撃の神様」という異名で呼ばれていました。監督としては、あの王貞治や長嶋茂雄を率いて、読売巨人軍の黄金期を築き上げてきました。

今回川上さんのお話を聞いて、スキルや能力は「自ら体得すること」が非常に重要だなと思いました。そして、プロになっても鍛錬することを怠らない川上さんの姿勢も学び深かったです。

川上さんが教えてくださった結論は、大きく分けて以下の2点です。

①人からの借りものではなく、自ら体得したものこそ、必ずプラスになる
②監督が遠慮していては、チームはまとまらない

選手と監督の2つのステージでご活躍された川上さんだからこそ話せる内容になっております。1つずつ紹介させてください。

まずは①について。

川上さんは昭和13年に読売巨人軍に入団し、翌年14年と16年に首位打者になります。さすがスーパースター!と思いますが、川上さんご自身は、ただ一所懸命にやっているうちに首位になれただけで、打撃の本質やロジックが分かっていたわけではないと言います。

打撃のコツをつかんだと感じたのは、戦争を跨いだ昭和25年のこと。なんと入団から12年たってようやく分かったというのです。

昭和25年の川上さんは、打撃不振に陥っていたそうです。そのため自主練を重ねており、一球一球の手応えを確かめながらバッティングをしていたとのこと。

バッティングを続けていると、とある一球が止まって見える感覚になったそうなんです。そのままスカーンと打ち返し、打球はあっという間に外野フェンスへ。

その後何度やっても同じ感覚を覚え、そのとき初めて打撃のコツを掴んだとのことでした。それからの打撃不振を克服し、また試合で打てるようになったんですね。

こん自主練を通して自ら体得したバッティングスキルだからこそ、その後大きなメリットになっています。これがまさに、「自ら体得する」ことの重要性ですね。

そして②。その経験は監督に就任後も活かされます。

川上さんは、王貞治や長嶋茂雄を率いていました。そんな大選手たちに、「そんなへっぴり腰では打てないだろ!こういう風に引きつけて打たんかい!」と叱りとばしていたとのこと。

なぜそれだけのことができたかというと、やはり自分自身が努力を重ね、それが自信となっているからです。川上さんはリーダー論として、「監督が遠慮なんかしていたら、チームはまとまらない」と仰っています。

確かに遠慮しがちな監督には、あまりついていこうとは思いませんよね。自信に溢れていて、チームの方向性をしっかり指示できるリーダーこそ、ついていきたいなと思えます。

つまり、「リーダーは遠慮をしてはいけない→遠慮しないためには自信が必要→自信をつけるためには、自ら体得したスキルを持つ」という繋がりがイメージできますね。

最後に川上さんは、若い世代に向けてもメッセージをくれています。

「若いうちは大きな壁にぶち当たったら、これで人生は終わりみたいな気持ちになるもんですが、そんなことないんですよ。必ず突破できる壁であり、そういう壁を何回も突破していけば、しらんうちに自分は鍛えられて大きくなっとるんですよ。いずれにしても人間、死ぬまで努力ですよ。『裸に生まれてきたに 何不足』というようにね、いざという時は"なぁに"という気持ちで度胸よくぶつかっていけば、必ず克服できますよ。」

藤尾秀昭「1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書」, 致知出版社, 2022年3月

プログラミングや英語など、ビジネスパーソンとして何かスキルを身につけたいという人も多いと思います。もちろん最初は書籍を読んだり講座を受けたり、人に助けてもらうことが重要です。しかし最終的には自ら体得することが大事です。

自分で行動を起こして研鑽を積んでいくことで成長できるんだと、改めて肝に命じたいと思います。

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