言い負かして悦に浸るな!
息子に言った言葉を、自分へも戒めとして。
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言葉巧みに誤魔化して、責任逃れして、うまく丸め込んだ良かったと思うな。おまえが責任果たしてない事実は何一つ変わってねえんだよ。
責任から逃れた気でいても、果たしてないもんは逃げきれねえの。
おまえがやらなきゃいけないことから逃げてるって事実からは逃げらんないの。
それから、相手を論破して言い負かして、勝った気になって調子に乗るなよ。相手が黙るのは、おまえが勝ってるんじゃねえぞ、おまえの信頼を落とすことを代償にして、言い返さなくなるだけ。
そのまま勘違いして、口ばっか上手くなって言い負かすことで勝ち誇るような大人になったら、信用をどんどん落として冷たい目で見られてんのに一人分かってない勘違い野郎になるぞ。
私はおまえにそんな風になってほしくないからな。
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相手を言い負かすって、論破するって、快感なんだよな。
でも、ある時、気付いちゃったわけよ。
自分が勝ってるんじゃない。
相手が黙るのは、相手が負けを認めたわけじゃない。
『こいつとこれ以上話しても無駄』と、口をつぐむだけなんだと。
それって、私は論破して勝った気になるかわりに、相手からの信頼を少しずつ失ってるんだなと。
ゾッとした。
それでもつい、言葉を振りかざしたくなってしまう時がある。
勝った気になりたいんだな、そうすることで何か自分の心を満たしたいんだ。
もうその時点で、そんなことをしなきゃ満たされてないってことで、憐れすぎる。
それから、なんとか責任から逃れたくて言い訳をしてしまうこともある。
でも、何から逃げても、その時は誤魔化して逃げられたように感じても、『責任から逃げてる自分』からは逃れられない。
その事実・レッテルは、無限につきまとう。
なんなら死んでもついてまわる。
ああ、地獄だ。
自分からは逃れられない。
逃げてる自分、
満たされない自分、
弱い自分、
情けない自分、
信用をなくしていく自分、
冷たい目で見られる自分……
そんな嫌な自分からの逃げ場は、恐ろしいことに存在しないんだ。
助かる道があるとすればただ一つ。
嫌な自分でいることを、できるだけやめること。
逃げずに向き合う
前を向く
自分を満たすために人を利用しない
人を傷つけて自尊心を満たさない
責任を果たす
人の意見をそれはそれとして認める……
書き出すと簡単そうに見えるのに、なかなか現実では気付くとできていないのはなぜだろう。
我が子に教えたいことは、自分の胸にも戒めて、口で語るより背中で語れるオカアチャンになりてえよ、私は。
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