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噛む

歯と歯の間で、 世界は小さくなる。
一つのりんご、 ひとかけらの時間。
言葉を失い、 ただ感覚だけが 口の中で踊る。

思い出は、硬いアメ玉。
噛みしめる度、甘さが溢れ、
時には、苦い核に出くわす。

噛むごとに、愛が深まる。
優しく、強く、終わりなき物語を紡ぐ。

君を思い、りんごを噛む。
静かな午後、風が吹き抜ける窓辺で、
ひとつの物語が、また始まる。

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