いろうた流・振り仮名のこだわり
小説の投稿が続いたので、今回は「言葉」についてのお話。
連載小説「愛の歌を君に2」の読者様の中にはお氣づきの方もいらっしゃるかと思いますが、わたくし、今回は作品内の歌詞中で振り仮名を多用しております(見出し画像を参照下さい🥰)。
そうでなくても、かねてから振り仮名をつけるのは好きで、noteでルビ機能が搭載されたときには大喜び。すぐに試したほどです。
これぞ日本語の面白さの一つだ、と思っていますが、私の好みだけを述べても仕方がないので以下、「振仮名の歴史」(今野真二著・集英社新書・第一刷は2009年)を引用しながらお話しします。
①振り仮名の使用例
前述の本では、序盤から「歌詞」に振られるルビについての記述があります。ここではサザンオールスターズが取り上げられていますが、「MOON LIGHT LOVER」の歌詞カードには以下のようなルビが振られています。
今野氏は、「歌詞とは声に出した音だけではなく、文字化された状態まで含めて歌詞なのだ、と考えればよいのかもしれない。歌詞は単なる歌の文句ではなくて、現代詩と同じような「作品」なのだと考えればよい」(P.25)と述べています。
また、別の例ではこのようなものもあります。
日本を「ここ」と読ませている点に注目。この会話の中では「ニホンジャアネ」より「ココジャアネ」と言った方が自然に聞こえます。つまりこの場合、選択された語は「ココ」で、それを漢字で「日本」と説明的(注釈的)に書いたと言う順序が予想される、とのこと。
変わった例としては、「吉里吉里人」(井上ひさし著)の中で、東北方言に似た「吉里吉里語」を表現するためにルビを振る、と言った使われ方もあるようです。
②歴史
ルビの歴史は古く、「日本書紀」にもその例が見られるそうです(漢文に、訓点や返り点を付ける)。はじめは「日本語」=和語として読めればよかったが、時代が下るにつれて漢語を含めた広い意味での「日本語」という認識に変化、やがて「表現としての振り仮名」が誕生するという流れ。
さらに江戸時代になると「草双紙」が流行。これは基本的には平仮名で書かれていたものですが、平仮名ばかりでは意味が分かりづらい。そこであえて漢字に振り仮名という手法を用い、意味を取りやすくするという工夫が成されたようです(漢字で書きたい! と言う志向もあったもよう)。
③いろうたの振り仮名の使い方
では私はどうかというと、上記に挙げた例のすべてをまんべんなく多用している、と言うのが正直なところです。歌詞であれば、声に出すことを想定しつつ文字も含めての作品だと思っているし、注釈的に用いることもあるし、常用ではないけどどうしても漢字で書きたい言葉の補助として仮名を振ることもある。また、キャラクターの個性を出す意味合いで、文章は書き言葉、口語を振り仮名で表記することもよくあります。しかし共通して言えることは、
「黙読したとき、突っかからずに読めるか」
これに尽きます。
投稿する文章は、小説に限って言えば必ず一度はプリントアウトし、誤字脱字&読みやすさのチェックを行っています。ここで引っかかる文言を発見した場合は修正します。また、前後で同じ語を使っていた場合も、くどいので別の語に改めます。
なぜなら、私が第一読者だからです!!
物書きさんの中には同じ考えの方もいらっしゃると思いますが、わたしは自分の書いた小説は、一読者として面白く読めなければ投稿しません。また、日本語で書かれた文章として完成されたものを発表したいとの思いもあるため、漢字表記、平仮名表記は使い分けているし、振り仮名を付ける付けない、についてもこだわっています。加えて、初めて私の記事を読む方がスムーズに読めるよう、小説のキャラ名には定期的に振り仮名を付ける工夫もしています。
これを読んだ方で、私はこんなこだわりを持って書いてます! という方がいらっしゃったらぜひ教えて下さい🥰 そして、私がこだわりを持って書いている小説「愛の歌を君に2」は現在、8話まで掲載しています。ご興味が湧きましたらぜひ一読下さい!
*いろうた・作品紹介*
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「創作大賞2024」に応募した第一部「愛の歌を君に」の応援もしていただけると嬉しいです。こだわりの歌詞満載です💖
豆知識*そもそも振り仮名のことを「ルビ」と呼ぶのはなぜ?
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