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〜 冬の贈り物 〜







物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 冬の贈り物 〜

雲は高く、澄み渡る青空を軽快に飛行機が横切っていく
ベランダから見える街路樹たちは、つい最近まで着ていた緑のお洋服を脱いでしまったので、どこか寒そうだ
ヒュッと吹く風の音が、冬の寒さを部屋の中でも感じさせてくれる
そんな寒そうな外を見ながら、小さな君は不安そうに口を開く
『ねぇ?おそと、さむいから、ミルクあっためておいとく?』
そして悩むように首を少しかしげる顔は、心配そう
『そうだね。寒いからミルク温めとこうか』
『うん!ほっかいろもいるよね!』
『ふふ。そうね』
私の返答が嬉しかったのか、軽い足取りでとキッチンへ向かう
朝からそわそわしている君は、今日が何の日なのかを知っている
赤い服を着た白いおひげのおじいさんと、大きな角の生えたトナカイがやってくる日
クリスマスプレゼントがもらえる日
今か今かと待つ君の姿は、とても愛らしく思う
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ピンポーン
『あ!きたよ!サンタさん!!』
『え?サンタさんは夜だよ?まだお昼にもなってない。ふふふ』
サンタさんが来たと、はしゃぐ君は、急いで玄関のドアを開く
『おじゃましま~す!』
『パーティーするよ!』
ガヤガヤと楽しそうな声に心を躍らせる私は玄関へ行くなり、君を抱き上げる
『サンタさんくるまえに、パーティーするの?』
『そうだよ!みんなでパーティーするよぉ!』
今日は、友達親子を集めてクリスマスパーティーの日でもあるのだ
子どもたちは、さっそくおもちゃを広げ、大人たちはテーブルへつく
さぁ、クリスマスパーティーの始まりだ
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ひとしきり遊び、お昼ごはんも終えると、そろそろプレゼント交換の時間がやってきた
各々持ってきたプレゼントを持ち、円になって座る
毎年恒例となっているプレゼント交換は、子どもたちの好きなお菓子がどっさり入っている
歌を歌いながら手元に来たプレゼントを開けるやいなや、次はお菓子パーティーの始まりだ
大きくなったねと、少し感傷に浸りながら大人もプレゼント交換を楽しんだ
·
そろそろサンタさんが来るからとお開きしたのは、すっかり日も落ちてしまった時間
後片付けをする私の隣で、うつらうつらしている君の手にはマグカップ
『どうしたの?そのマグカップ』
『だってサンタさんさむいからミルク』
『ふふ。そうね、じゃあお風呂に入って寝る準備したらミルク入れようね』
『うん!』
私は、片付けを後に、君とのお風呂を優先することにした
ほくほくと温まった君と私は、お手紙とホットミルクとホッカイロをテーブルに置き、ゆっくりと布団へと入った
『サンタさんさむくないかな?』
『ちゃんとホッカイロも置いたし大丈夫!早く寝ないとサンタさん来れないよ?』
『うん!もうねる!おやすみ』
にっこり微笑む君のおでこを優しく撫でて頬を寄せて抱き締める
『おやすみ』
手を繋ぐ君を愛おしく感じながら、君が寝付くのを隣で待つ
明日の朝、どんな顔をするかな
フッと笑う私は、すやすやと寝息が変わった君を見つめてリビングへと向かうのだった
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