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〜 白い吐息 Vol.2 〜


お客様着画


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物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 白い吐息 Vol.2 〜

うっすら見えていた茜色の太陽は、いつの間にか顔を隠してしまっていた
ピンと張り詰めた空気の空では、三日月がにっこり笑っているようだ
夜になると、やはり少し冷えてくる
寒くて思わず、私は手に力を込めてしまう
ギュッと繋ぐ手は温かく穏やかだ
このまま一緒に溶けてしまえばいいのにと思うくらい、あなたを想う気持ちがある事に、気が付いているのだろうか
·
そっと目を伏せる私に、あなたは声をかける
『どうした?寒い?少し歩こうか』
『ちょっと寒いね。あっちの森がキレイらしいから行ってみようよ』
腰掛けていたベンチを後に、次の場所へと足を向けた
遊園地のイルミネーションイベントへ来ていた私達は、昼間は遊園地を堪能し、夜の時間は幻想的な光の演出を満喫する予定だ
最近の街中もキレイだが、遊園地のイルミネーションは昼と夜の違いが大きく、特別感があって私は好きだ
次に足を運ぼうとしている場所の変わりようは、より心をわくわくさせる
昼間は自然たっぷりの森、夜は幻想的な光の森へと変貌するからだ
ゆっくりと見えてくる森の入口には、光のアーチが迎えてくれる
手を繋ぎ一緒にアーチをくぐる
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奥へと続く一本道の両サイドには、小さな行灯が並べられていて、足元をほのかに照らしてくれる
遠く光る森の奥へと誘う、怪しい光にも見えないこともない幻想的な揺らめきに、私は少し足元をおぼつかせる
『大丈夫?ゆっくり歩こう。しっかり手繋いでるんだよ?』
『もう!そんな子どもじゃないよぉ』
『はは。そう?そんなむきなって・・・可愛いね』
『恥ずかしいから、やめ・・・てよ』
と、暗がりでも分かるくらいの赤い顔する私は、思わず手で顔を隠す
『ほらっ。手を離すと危ないから、ねっ』
そう言って私の手を乱暴にひく
『わっ』
とバランスを崩しながらも、先に歩くあなたに付いていく
だんだん光の塊が大きくなり、きらびやかな森へと入る
『きれい』
『すごいね』
目の前に広がるのは、木々という木々が光り輝き、見上げれば交差するイルミネーションの骨組み
森の奥にあったのは、木々で作られた光の大きなドームだった
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ひとしきり写真を撮り、幻想的な雰囲気を楽しみむ
人だかりの出来ている場所へ行くと『願いの木』という丸い玉がいくつも付いた、デコレーションされた木があった
簡単に言うと、文字通りお願い事をする木のようだ
そっと光る玉を手に取り、さっそく私は願う
ゆっくり目を閉じ、心を込めてあなたを想う
あなたに会えて、あなたを好きになれて、あなたとこうして一緒にいれる事の幸せを私は感謝する
そして、あなたがこれからも幸せでいれるよう、笑顔でいられるよう未来を願う
『そんなに一生懸命、何をお願いしてるの?』
ハッと我に返る私は、右隣にいるあなたを見つめた
『君に会えて、君を大好きでいれて、すごく幸せだよ。一緒にこれからもいような』
そう言って人目をはばからず、あなたは私を抱きしめる
突然、抱きしめられた私は『わっ』という声と共に白い息を吐いた
ふわっと広がる白い息が嬉しそうに消えていく
ギュッと抱きしめ返した私は言葉を紡ぐ
『うん!私も大好きだし、幸せだよ。ありがとう。ねぇ?次はどこに連れてってくれるの?』
そう言って一度離れる二人は、見つめ合いながら笑みを溢す
白い吐息が、楽しそうな声に反応して弾んで揺らめいていた
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