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僕の好きな服 100年前のリネン

僕のクローゼットには、ワクワクするような服がある。

この服は、ある熱い想いで洋服に向き合っているお店が製作した服です。

注目すべきは、"100年前のリネン"を使っている事です。

僕はvintageの服が好きで無我夢中に古着屋さんで、店員さんを捕まえては話を聞いてその服にまつわるエピソードを聞いたり、ボタンやジッパー、生地などのvintageの魅力をとにかく聞いていました。

そんな中、僕は100年近く前の特にヨーロッパのリネンになにか魅力を感じていました。

リネンなのに重く、グレーがかった白いリネンに何故か惹かれたんです。

目の詰まったリネンは洗濯するほどにギュンギュンに生地が圧縮されていきどんどん丈夫になっており、いわゆるふんわりとした印象ではなく凸凹とした生地の表情が服の人生を物語っているようで魅力的でした。

また、染色された色鮮やからなリネンではなく、ナチュラルホワイトのどっちかというと野暮ったく古臭い見た目が逆に熟練の職人のような哀愁を感じるようになりました。

もうそうなればヨーロッパのホワイトリネンばかり買い漁りました。

特に1930年代頃のフランス海軍のホワイトリネンのマリンパンツやセーラーシャツは、僕の中では『モエ・エ・シャンドン』のように、美術館のイベントで見るフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』のようにオーラを感じる服です。
一度、高いお金を払い手に入れた事はありますが、泣く泣く手放してしまいましたが、絶対また手に入れたいと思ってます。

話しが脱線しましたが、それ程までに僕にとってホワイトリネンには価値を見出しています。

そんな中、静岡県の素敵な洋服屋さんをSNSで見つけました。
その洋服屋さんで100年前のアンティークリネンを使ったオリジナル商品を企画して販売していました。

もう僕は運命の出会いと思い、迷う事なく購入しました。

そのディテールは独特で、右肩に並んだ蝶貝のアンティークボタンを開閉して着用する、プルオーバー型のカットソーです。

なにより生地が素晴らしく、風に揺られた時の表情ったら堪らないんです!

玄人好みですが、どこかエレガントでどこか懐かしくどこかセクシーな不思議な服です。

そんな服が、僕の好きな服です。

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