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大阪彩ふ文芸部

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書くのは、楽しい。 あなたも何か書いてみませんか? 2024年1月より、彩ふ読書会は文芸部活動を行います。 大阪会場の読書会に過去一回以上参加経験のある方でしたらどなたでも…
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大阪彩ふ文芸部 部員募集のお知らせ

大阪彩ふ文芸部 部員募集のお知らせ

書くのは、楽しい。

あなたも何か書いてみませんか?

2024年1月より、彩ふ読書会は文芸部活動を行います。入部条件は「大阪会場の読書会に過去一回以上参加経験のある方」です。入部・退部は自由です。

入部お待ちしております!

目次

企画について

活動内容について

マガジンについて

参加時のルール

注意事項

文学フリマ出店企画

参加申込フォーム

企画について

彩ふ文芸部の活動は

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鍋でご飯を炊いてみた

鍋でご飯を炊いてみた

 炊飯器の調子が悪い。どうも、ご飯が美味しくないのだ。もう、かれこれ12年くらい愛用してるもんなあ、とそろそろ買い替えを検討しているのだが、どうせ買うなら、じっくり吟味して、気に入ったものを買いたい。
 それまでは、お鍋でご飯を炊くことにした。

 物心ついた時から、ご飯は炊飯器で炊くものだと思っていた。鍋で炊くのって難しそう。
 しかし、私は、「ご飯派? パン派」と聞かれたら、食い気味に「ご飯派

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短編小説『夜の校舎で制服デート Part2』

短編小説『夜の校舎で制服デート Part2』

◆Part1はこちら

 優しい人と書いて優人。

 その名前の通り、彼はいつも優しかった。出会った時からずっと。恥ずかしがりやで、怖がりで、だけど優しくて。不慣れなくせに不慣れだとは決して言わなくて、けれど一つ一つが丁寧で。

 何もかもが嫌になっていた頃、私は優人と出会った。優人はその優しさで私を包んでくれた。優人は私を疑わない。疑うということを知らない。けれど、私は私自身を優人よりもよく知っ

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短編小説『夜の校舎で制服デート Part1』

短編小説『夜の校舎で制服デート Part1』

 愛と美しいと書いて愛美。

 その名の通り、彼女はいつも可愛くて美しい。こんな僕と付き合ってくれたなんて今でも信じられない。僕らは確かに付き合っている。愛美ちゃんから告白されたのが半年前。それからの半年間、夢のような日々が続いている。

 愛美ちゃんは本当に可愛い。何をしても可愛いのだけれど、それを直接言うのは恥ずかしい。いつも言おう言おうと思っている内に話題が次々と変わってしまうので、僕はいつ

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短編小説『Ctrl+S』

短編小説『Ctrl+S』

 四月だというのに年末みたいだな、と思いながら僕はテレビを観ていた。画面には北島三郎や松田聖子が映っていて紅白歌合戦の三十年間を振り返っている。平成について特に思い入れはないものだと思っていたのだけれど、歌で振り返ってみると案外色々と思い出が蘇ってきた。あの年にはあのアーティストが活躍していたな、とか、あんな事があったな、なんて振り返っていく。僕の人生と平成の三十年間はピッタリと重なっていて、まる

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短編小説『うるせえしるか』

短編小説『うるせえしるか』

 今日も上司に小言を言われた。わたしの勤務態度がお気に召さないらしい。

 ――ボクはいつも1時間前に出勤してるんだけどね。君は良いねえ。ボクは有給休暇なんて一回も使った事がないよ。君は良いねえ。え、もう帰るの? 君は良いねえ。

 えびす様のような顔つきと体型の上司は、優しそうな雰囲気に溢れている。笑う時はガハハと豪快でよく笑うから役員の方々からは非常に気に入られている。声を荒げて部下を叱責する

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私にとっての詩とは

私にとっての詩とは

人気のハッシュタグについて調べて見たら、自分が好きなものが、世間一般から見ると、結構マイナーだということに気づいた。
とは言っても、別にメジャーマイナーを意識して好きになるわけでもない。
ただ、心が惹かれるものに没頭している時が、私はとても楽しいし、心が満たされて幸せだと感じている。

そして「#詩」もどちらかというとマイナーだった。

小学生の頃は好きな歌の歌詞を写したりしてた。
中学生の頃、リ

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おすすめ本④『イン・ザ・プール』

おすすめ本④『イン・ザ・プール』

  毎日、家を出る時に、戸締り、火の元の確認を何度もしてしまう。
 人に話すと、「用心深い方が、ええやん」と言われるが、いやいや、私の場合は、かなり常軌を逸しているのである。
 
 鍵を掛けたかどうか、最低五回はガチャガチャする。しばらく歩き出してから、やっぱり心配になって戻ってきてガチャガチャする。おかげでどんなに早く起きて、身支度を早く済ませようとも、駅まで走ることも多い。 
 
 火の元は、

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青藍色の空

青藍色の空

窓から見える空は
夕闇に包まれる前の
光を失った青藍色

星の輝く光を
ふたりで待ち続けた
ルーフをオープンにして
シートから見上げた
同じ色の空

外の気温は冷たくて
温かい毛布に包まって
見え始めた星を数えた

溢れる想いで
時間を忘れて
話し続けた夜もあった

いつの間にか時が流れて
気付かぬ内にすれ違って
言葉は輝きを失った

それでも
あの空の色をみると
あの場所へ行きたくなる

永遠に

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Amebaチョイスで本の専門家として「おすすめ小説」を紹介しました!

Amebaチョイスで本の専門家として「おすすめ小説」を紹介しました!

Amebaチョイスで本の専門家として「おすすめ小説」「日本文学作品」「ミステリー小説」を紹介しました!

私のプロフィールはこちらです。

紹介した記事①はこちらです。

小説のおすすめランキング28選が紹介されている他、読書の案内人が「おすすめの一冊」を紹介しています。私は年に一回は読むようにしている激推し本『モモ』を紹介しました!ぜひチェックしてみてください。

紹介した記事②はこちらです。

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読書会と私

読書会と私

日頃、読んだ本について話す機会がなくて、読書会に参加することにした。

私は作者が亡くなっても残り続けている作家の方が、価値がある様な気がして、現代小説をあまり好まなかった。

読書会に参加してみると、私が読んだ事のない現代作家を紹介する人が沢山いて、多少惹かれても、そこに手を伸ばすまでには時間を要した。

同じ本を読んで皆んなで語り合う「課題本の会」に参加したてみた。
その時、今を映し出す現代小

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一旦ここまでの文学フリマ関連の動きをまとめてみる(2018年10月7日~2025年1月12日まで)

一旦ここまでの文学フリマ関連の動きをまとめてみる(2018年10月7日~2025年1月12日まで)

彩ふ読書会のホームページのカテゴリ「文学フリマ出店計画」でまとめているのですが、ごちゃごちゃしているので一旦noteでまとめます。

この記事を読めば、「なぜ読書好きの集まりなのに本を作ることになっちゃったのか」から、2025年1月12日に行われた「大阪同人誌を作ろうの会」まで全て分かります!(ように今から書いていきます!)

一応ホームページのほうのリンクも貼っておきますね。

第一期・文学フリ

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私の読書

私の読書

好きな本は
SFファンタジー。「何かが道をやってくる」「2001年の旅」「ハリーポッター」「指輪物語」などで、作家はレイ・ブラッドベリー、アーサーCクラークなど。
大人も読める児童文学、赤毛のアンなど、作家はルーシー・モンゴメリーなど。
現代小説はあまり読んでませんが、好きな作家は原田マハ、青山美智子など。
好きな作家の本は網羅したくなる傾向があります。

感情移入しすぎてしまうのか、その日見たド

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将棋と私

将棋と私

 前回、失業中に『源氏物語』を読んだ話を書いた。その後、新しい仕事も決まり、8年の歳月が流れたある日、会議をするから、従業員は全員集まるように、とのお達しがあった。

 全体の会議なんて初めてである。人生で一度、勤め先の倒産を経験している私は警戒したが、そうそう同じ人間が倒産に見舞われることはないだろうと、切り替えて、会議に臨んだ。

 結果、・・・この会社も倒産したらしい。

 またかい。なんで

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