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#400 相手から何を得るかではなく、相手のために何ができるか

 あるバラエティ番組に出演していた経済学者の成田悠輔氏は、良好な結婚生活を維持する方法を問われ、

配偶者より幸せにならないこと

と答えていました。

 彼は、「どちらかが相手より幸せだと相手に思われた瞬間、夫婦関係にヒビが入る」と語っています。

 逆に言えば、相手を自分より幸せにしようと思う心が大切であると言える。相手のためを思い、見返りを求めず、ただ「与え続けること」。お互いがその気持ちを持つことができれば、相手は常に、「こんな人と一緒にいれるなんて私はとても幸せだ」と感じることはできる。

 しかし言葉として理解しても、実際に行うことはとても難しい。そのようなパートナーシップを築くためには、時にはぶつかることも必要です。相手が何を求め、何を望み、そのために自分が何ができるのか。そこには、本気で誰かと向き合うことが求められているのでしょう。

 自由恋愛が許される現代社会において、私たちは未だその「自由」を扱いきれていない。パートナーを、容姿や収入、社会的地位などの記号を求めたり、価値観というそれらしい言葉を使いつつ、結局は自分にとって「都合の良い」相手を選ぶ。それは相手を幸せにしようという気持ちよりも、相手を「使って」自分がいかに幸せになるのかに目が向いている気がする。

 他者は決して自分の「ために」存在するのではなく、その存在自体を大切にされることを望んでいるのだと、成田氏の言葉から学ぶことができるでしょう。

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