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#303 偏差値主義からの脱却

 Hannah Montana(邦題:『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』)は、2006年〜2011年に日米ディズニー・チャンネルとABCで放送されたテレビドラマです。

 このテレビドラマは普通の中学生(後に高校生)の女の子として親友と学校生活を謳歌する一方、大人気アイドル、『ハンナ・モンタナ』として活動するという二つの世界で生きるマイリー・スチュワート(演:マイリーサイラス)が主人公。2つの全く異なる世界で生きる彼女の生き生きとした姿が人気を博しました。

 劇中歌である「The best Of Both Worlds(邦題:ハンナとマイリー〜二つの世界〜)」は今でも私のお気に入りの洋楽の1つです。

 私は両親ともに教育に熱心な家庭に生まれました。勉強が常に自分のそばにあり、幼い頃から勉強やそれに付随するテスト結果を求められてきました。特に中学時代の私は、そんな親の教育方針に激しく反抗したものの、無意識に学歴社会の中に組み込まれていたような気がします。私の中では「高校・大学に行かない選択肢」はありませんでしたし、いざ受験となった時は、偏差値を最優先とした進路選びをしてきたように思います。もちろん、その中では様々な葛藤もありましたが、就職した学校もまた進学校であったため、その価値観が世界のメインストリームであると信じてきた自分がいました。

 人間は昔から「比較すること」が好き。江戸時代にも様々なジャンルでの「番付表」があることもその一つ。学力や学歴を比較し、偏差値を求める思想は日本のあらゆるところに存在します。『【社会人が選ぶ】優秀な生徒が多いと思う「千葉県の私立高校」ランキングTOP24! 第1位は「渋谷教育学園幕張高校」【2023年最新調査結果】』という記事が出るのもその現れの一つなのかもしれません。

 一方、私が今いる世界には「偏差値」によって評価をされることも、「比較」することもほとんどない。顧客を獲得するために、同業のサービスを研究し、参考にすることもある。事業を始める上で読んだ本の中には、他社「よりも」質の高いサービスを作りなさいと書かれている。しかしながら、それは自分のメッセージを届けるための「過程」に過ぎないし、その基準に「偏差値」は関係ありません。そんな世界に身を投じた私が出会う人たちは、今まで私が出会った人とは全く違う感覚で世界を見ている。誰かや何かに評価をされるのではなく、自分自身のありたい姿を求めて生きる。その世界の違いに非常に驚きの連続です。

 世の中には様々な世界が存在し、その多様性を知れば知るほど、自分の感覚もまた広がっていく。

 何か1つの価値基準の中で比較し比較されて生きるのではなく、多様な尺度の中で自分らしくあれる、そんな感覚を学ぶ学校が必要なのだと思います。


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