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#380 様々な業界への「距離」を短くするキャリア支援

 学校は児童・生徒の多様な学びを促し、彼らの将来をより拓くものとするために存在すると言えます。社会とその価値観が激しく変化する中で、これからの世界で生きていくための「学び」は今まで以上に多様化する必要があると言えるでしょう。

 長野県にある私立学校・佐久長聖が今年パフォーミングアーツコース(アイドルコース)を設立し、6名が同コースに入学したという記事を見つけました。

 記事の中ではコース設立の意義について、同校校長の佐藤康氏は以下のように語っています。

「3年間の活動自体が、今後の個々の経歴や実績につながるものと考えています。例えば、進学する際にアピールできる成果物であったり、就職する際のひとつの武器になりうることなど、他の部活動に励む生徒同様、活動を通じて成長する環境を提供できていると思います」

 今まで学校教育と芸能の距離は非常に遠かったと言える。テレビという大衆メディアが芸能の世界で大きな力を持っていた時代には、ほんの一握りの人たちしか、その業界に携わることができませんでした。今は、自分自身で様々なコンテンツを発信できる時代。芸能人という言葉に含まれる特別感さえ近々消え去るのではないかと思うほど、一人ひとりが自分自身の「芸」を生業にできるようになっているのでしょう。そんな中、ダンスや歌などの活動を通じて応援してくれるファンに元気を与えるアイドルという職業もまた、学校という学びの延長線上にありつつあるのかもしれない。

 記事の中で指摘されているように、アイドルという職業には、その特性から、危険があることも事実だし、特に彼女たちの安全面が確保されなければならないことは大前提として、彼女たちが3年間のアイドル活動を通じて何を学ぶのかは個人的には非常に興味深い。

 学びは自己実現の可能性の提示。学校という学びの場が世界にある多種多様な職業に、できるだけ、その距離を近づけることもまた大切なのだと感じます。


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