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#232 話す能力って何だろう

「話す」とはどういう行動でしょうか。

私たちは日々誰かと「話す」ことを通じて相手とコミュニケーションを取っていますが、「話す」ことが独立して機能するわけではありません。

独り言は別として、「話す」とは相手と意思疎通を図る上での要素の1つです。相手(人や、テレビ、ラジオ、はたまた看板やメニューなど)から伝えられる様々な情報をキャッチし、それに対する応答を「話す」ことで出力します。

相手の述べていることが理解できなければ、それに反応することはできないし、時として思いを適切に「話す(言語化)」することは非常に難しい。相手に意見を問われても、そのトピックに興味関心がなければ、答えることはできない。瞬時に適切な答えを出すことが困難な時もよくある。

それは母語でも普通に起こることです。

今年度の全国学力調査における中3の英語では、「聞く、読む、書く、話す」の4技能のうち「話す」の平均正答率が1割強にとどまったという結果を文部科学省が結果を公表しました。文科省は問題の難易度が高かったと認めつつ、「学習状況に課題があることも明らか。授業改善につながる研修の支援などに取り組む」と述べています。

「英語を話すことができる」とは何か。その定義が非常に曖昧です。

そもそも、4技能はそれぞれが独立したものではありません。「書く」・「話す」能力は、単に英語を言葉としてを「出力」することではなく、「聞く、読む」という入力することが前提になる場合も多い。

https://www.nier.go.jp/23chousa/pdf/23mondai_chuu_eigo_speaking-script.pdf (全国学力調査問題)

スピーキングでは様々なタスクが設定されていますが、彼らがどの段階に困難さを感じているかは、この問題だけではわかりかねます。

もちろん、答えられるにこしたことはないのでしょうが、そのテーマ設定も、中高生の日常とは少し乖離がある。

文科省が設定する英語が喋れることの定義づけを、中高生の発達段階に合わせて、より明確化し、その定義した力の習熟度を適切に図るチェック機能を作成しなければなりません。

報告によれば、「話す」部分の得点が0点だった生徒が6割もいるようです。その結果が、児童・生徒の英語を喋るモチベーションに悪影響を与えないかとても心配です。

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