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  • 聖書を読む聞く考える

    聖書を読んで、みちなり(クリスチャン、信徒)が考えたことを綴ります。考察は個人的なものです。

最近の記事

きみは系図を知っているか

聖書のマタイ1章の系図が好きだ。 ウケ狙いでもポーズでない。真面目に、僕はここが大好きなのだ。 きっかけは、篠原利治先生作の旧約人物の暗記文。 Facebookでの聖書通読を併走してくださる中で、先生が折々に繰り返しアップしておられたが、ずっと見ないふりをしていた。 だって、83人って何・・・ 教会学校時代、暗唱聖句が大の苦手だったのに、いい大人が暗記なんて・・・ それでも先生がしつこくしつこく出してくるので、2巡目のとき、とうとう意を決してやってみた(ちなみに先生は

    • 「汝、星のごとく」を読んだ

      先日本屋大賞をとった「汝、星のごとく」を読んだ(Audibleで)。 名前が難しい。 青埜櫂(あおの かい)、井上暁海(いのうえ あきみ)。 読めんわ・・・。Audibleで聞く分には問題ないが。 でも、なるほどねえ、こういうのが本屋大賞になるんだねえ。 ★以下にはネタバレがあります 「厳しい家庭環境に生まれ育った二人の主人公が次第に惹かれ合う恋物語」といった、僕のようなオジサンが読んで面白いのだろうかという始まり方だったが、あれよあれよとネグレクト、ヤングケアラー、

      • 宇宙について最近学んだこと

        「なぜ宇宙は存在するのか」を読んだ 野村泰紀著「なぜ宇宙は存在するのか〜はじめての現代宇宙論」講談社ブルーバックス を読んだ。レビューというより、読んだことの覚書きとして書いておく(なので正確性は保証できない)。 科学は「どのようにして」を追求するもので、「なぜ」に答えるものは哲学や宗教では・・・と思ったが、実際の本書の内容は「どのようにして宇宙が始まって今に至っているのか」について、最近100年の宇宙論を紹介しているもの。なのでやはり「どのようにして」という科学の本であ

        • バイブル発 「裸でも恥ずかしくない―世界に衝撃」

          先ごろ神が創造した人間は男と女1名ずつ。二人は互いに初めて見る異性に関心を持ち、たちまち恋に落ちて結婚した。結婚を決めた理由を問われた男は「世界一の女性だったから」と即答。お互いに「アダム」「イブ」と名前で呼び合っていると言い、熱々ぶりを見せつけた。 二人はかねてより「地上の楽園」として人気が高い高級リゾート、エデンで挙式。式の様子は世界に生中継された。 視聴者からは「二人は裸ではないか」と問い合わせが相次いだが、二人は「寒くないので大丈夫」と、恥ずかしがっている様子はな

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          7本

        記事

          バイブル発 「光あれー出来事、世界初」(現世1年1月7日)

          世界に初めて、出来事が発生した。神が「光あれ」とことばを発したのである。このようなことは世界初。 従来、地は茫漠としており、神の霊が水の上を動いている以外の現象は何も見られなかったため、当編集部も開店休業状態であったが、ここにきて一気に事態が動いた。 光は、やみと区別される明るいものだが、詳しいことはわかっていない。ただ、これにより神が新たな世界のステージを生じさせたことは確実とみられる。 編集部ではこれを「現世」と名付け、従来の茫漠な状態と区別する。 情報筋によると

          バイブル発 「光あれー出来事、世界初」(現世1年1月7日)

          「魂」を哲学する

          前回は「心」を哲学してみたが、今回は「魂」。 まず、魂を使った一般的な言葉を挙げる。 これらをガチャガチャ揉んでいると、魂の定義らしきものが出てきた。 「魂とは、体とは別に存在できる人格」 理由:体を物質と考えるなら、上に挙げた言葉はみな、物質とは別に「魂」が存在することを言っているように思われる。 当てはまるかどうか微妙なものも1つ2つあるが、まあ、これは考えるとっかかりなので気にしないとして、 こう考えると、心と魂は違うのかという問いには 「心」は体と密接に

          「魂」を哲学する

          「心」を哲学する

          以前「心や魂の存在をどう説明するか」を、哲学の真似事としてつらつら考えたことがあるので、書いてみる。 体は存在する。脳も存在する。では、心は?魂は? 誰もが「心はある」とは思っているだろうけれど、改めて「じゃあ、心って何よ」と聞かれると、説明するのは難しい。難しいが、そういうのは嫌いではないので、考えた。 喉が渇いた、目の前に水のペットボトルがある、という状況を考える。 Aさんは、手を伸ばしてペットボトルを取って飲んだ。これは脳の指令による。 Bさんは、自分のもので

          「心」を哲学する

          映画「対峙」(原題 “Mass”)レビュー

          「クリスチャンのためのオンライン試写会」に応募して、映画「対峙」 を観た。2月10日から劇場公開されるようだ。 「対峙」オフィシャルサイト 実話かフィクションかも知らないまま映画が始まった(実際は、実話にヒントを得たフィクションとのこと)。赦しがテーマということだが、対話が進むにつれ、何が起きたのか、なぜ起きたのか、そして集まった4人の心の中が次第に明らかになっていく。被害者の両親が強く出たと思うと、逆に相手から問い詰められたりして、いったいどうやって「赦す」という結末に

          映画「対峙」(原題 “Mass”)レビュー

          聖書はもういらないの?

          「聖書はもういらない」 野原花子 幻冬舎 アンチなタイトルなので、つい読んでみたくなった。 これは論証ではなく、著者が壮絶な苦しみの末に辿り着いた結論だった。もちろんそういう結論を出すのもわからなくはない。個人的なことに口を出すつもりも毛頭ない。とはいえ、こうしてアンチな体をとった本となっている以上、聖書を信じる信仰を持つ者としてどう考えるかを示す必要があるだろう。 歪んだ教えキリスト教徒にはいくつかの「流派」のようなものがある。ここでは大きくカトリック、プロテスタント

          聖書はもういらないの?

          いっしょに聖書通読「詩篇マラソン・実はリレー」

          Clubhouseの「いっしょに聖書通読」フィニッシュ企画です。 2022年12月30日(金)、31日(土)に詩篇1篇〜150篇までリレーで読みます。スピーカーに上がって下さった方で、アイコンの並び順に読み繋ぎます。基本は1篇ずつですが、長かったり、宅配便が届いたりしたら、途中で次の方にバトンして構いません。出入りも何度でもご自由に、お気軽に。もちろん聞き専も歓迎です。 12月30日(金)午前7:30〜のルームはこちら 終了 12月31日(土)午前7:30〜のルームはこ

          いっしょに聖書通読「詩篇マラソン・実はリレー」

          「上に立つ権威に従う」とは~ローマ人への手紙13章より

          ローマ13章1〜5節には「権威に従え」と書かれているが、これに抵抗感を持つ人もいる。極端な話、「ヒットラーも神によって立てられた」とか、「ヒットラーにでも従うべき」とも読めるからだ。そこまで行かずとも、クリスチャンは政治を批判してはいけないのか、デモもだめなのか、政府を訴えてはいけないのか、という疑問を持つのだろう。 僕だって、このローマ13:1−5を額縁に入れて壁に飾っている人がいたら正直引くだろう。しかしそれなら、一体ここは何を言っているのか。 手紙の宛先はローマ教会

          「上に立つ権威に従う」とは~ローマ人への手紙13章より

          「不正な管理人のたとえ」をどう読む

          1.不正な管理人のたとえとは「不正な管理人のたとえ」は、新約聖書の「ルカの福音書」16章1~13節にある、イエスが語ったたとえ話だ。大体こんな話だ。 これを一読して納得できる人はいないのではないか。聖書を引用すると、 これは不正を認めているのか?良い目的のためなら不正が許されるのか? イエスはこういう風に、ときどき不思議な言い方で、奥深いことを語る。だからここにも何か深い意味があるに違いない。でもそれは何? 2.ある神父さんの説教よりある人から、ここの興味深い解釈をし

          「不正な管理人のたとえ」をどう読む

          丙午は勘違いだった説

          (8月15日のクラハ用間に合わせ資料。後から訂正するかも) 以下はいろいろな資料をさらっと調べた結果ですが、僕は学者ではないので、正しいかどうかは保証できません。 ただ、言いたいことは、   丙午は迷信です   「お七が丙午生まれ」も正しくない可能性があります ということです。 丙午生まれの女性 「丙午に生まれた女性は・・・」という迷信は、江戸時代に放火事件を起こした「八百屋お七」が丙午の年の生まれだったことに発端があります。 お七の生まれた年 1666年 丙午 →

          丙午は勘違いだった説

          潜伏キリシタンは宣教師に再会した

          情報をいただいて、渋谷のBunkamuraギャラリーでやっていた潜伏キリシタン関連の展示を見てきた。メインで「ミロ展」をやっているのを横目に、15分もあれば一通りは見られる無料の小規模展示だったが、たっぷり1時間超えて滞在してきた。 日本にキリスト教が伝わり、信者が増え、キリシタン大名が現れ、西洋に少年使節が派遣され、禁教され、迫害され、潜伏したキリシタン(「隠れキリシタン」という方が馴染みがあるのだが) 僕はプロテスタントなので、キリシタンのことはカトリックの歴史として

          潜伏キリシタンは宣教師に再会した

          神はなぜバラムに怒りを燃やしたのか

          どんな話?旧約聖書、民数記22章から24章まで、バラムとバラク(今でもこんがらがる)の興味深い話が書いてある。 大意は次のようなもの。 イスラエルの民が、カナン途上にモアブに宿営する。モアブの王バラクは恐怖を抱き(イスラエルの通り道にある民族はことごとく打ち負かされていた)、イスラエルを呪うために占い師バラムを招く。しかしバラムはイスラエルを目の前にして神から宣託を受け、これを祝福する。バラクはカンカンに怒るが、バラムは「イスラエルがやがてモアブを滅ぼす」と告げて去って行

          神はなぜバラムに怒りを燃やしたのか

          「神はすべてを益としてくださる」と他人に言えるか?について考えてみた

          新約聖書のローマ人への手紙8章28節は、キリスト者にとって大きな慰め、励ましとなる聖句だ。 神を愛する人たち、すなわち、神のご計画にしたがって召された人たちのためには、すべてのことがともに働いて益となることを、私たちは知っています。(ローマ8:28、新改訳2017) しかしこれを、今現実に深い苦しみや悩みの中にある人に示して、「今は苦しいかも知れないけれど、神様はいつか益としてくださるんだよ」と言ってみても、どれだけの慰めになるのかは大いに疑問だ。「おまえに何がわかる」と

          「神はすべてを益としてくださる」と他人に言えるか?について考えてみた