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【初めての方はまず見てください③】 記事で使用している各種テクニカル用語をご説明

■一目均衡表

①意味

日本で考案されたテクニカル指標で、5本の線で構成されています。
時間論、波動論、水準論(値幅観測論)の3つの理論に基づいているのが特徴です。

②活用方法

一目均衡表は、売り手と買い手の均衡を一目で読み取ることができ、相場のトレンドや方向性を判断する上で有効だと言えます。(下図参照)

Trading viewより、SOX指数のチャート@2024/5/17時点、日足

緑色と赤色で塗りつぶされた箇所がありますが、この部分を“雲”と呼びます。上図では、矢印を引っ張った雲の下部と上部、雲を抜けるタイミングでしっかりとチャートが反応していることがわかります。
2024年5月17日時点では、緑色の雲辺りがサポートラインとなることが期待できます。

■フィボナッチリトレースメント

①意味

フィボナッチリトレースメントは、フィボナッチ比率と呼ばれる比率(黄金比と言われてます)を用いて、トレンド相場における反発や反落のポイントを見極めるテクニカル指標です。

上昇トレンドにおける一時的な下落を「押し目」、
下降トレンドにおける一時的な上昇を「戻り目(戻り)」といい、
この押し目や戻り目について、どれくらいの水準が価格の転換点となるかを分析するのに有用なのがフィボナッチリトレースメントです。

②活用方法

取引ツールでフィボナッチリトレースメントを描画する際は、直近の高値と安値を選択すると自動的に0%、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、76.4%、100.0%などのフィボナッチ比率に基づいたラインが引かれるのが一般的です。
中でも特に注目されるのが、「23.6%、38.2%、61.8%」のラインです。
これらのラインが下値支持線(サポートライン)や上値抵抗線(レジスタンスライン)になりやすいと言われています。(下図参照)

Trading viewより、SOX指数のチャート@2024/5/17時点、日足

上図では、矢印を引っ張った38.2%、61.8%、78.6%地点でそれぞれ立ち止まったり、一気に上抜け(ブレイクスルーと言います)していることが分かると思います。
このライン毎に利確や損切ラインポイントを設定したり、突破したら新規買いで付いていくといった使い方が可能です。


■フィボナッチエクステンション

①意味

相場がどこまで拡張するのかを分析するツールです。
フィボナッチエクスパンションは、エントリーした後にどこまでポジション(新規で買い注文または売り注文を出し、決済せずに保有している通貨のこと)を保有すべきかを視覚的に判断する指標です。
利益確定ラインの視覚化に役立ちます。

②フィボナッチリトレースメントとの違い

フィボナッチリトレースメントは相場の反転がどこで発生するかを探る指標です。つまり、買い注文や売り注文を出す「エントリーポイント」を探るのに有効な指標として利用されるという違いがあります。

リトレースメントとは「引き返す、後戻りする」といった意味を表します。たとえば上昇トレンド中に価格が下がり始めた後、どこで上昇相場に戻るのかを探れるのがフィボナッチリトレースメントです。
それぞれの指標の特徴を生かし、フィボナッチリトレースメントで押し目買いのポイントを探り、フィボナッチエクスパンションに基づいて利益確定をするといった使い方もできます。

③活用方法

moomoo証券より、SOX指数のチャート@フィボナッチエクステンション活用例

フィボナッチエクステンションは直近株価の高値、安値、の3点を結ぶ必要があり、例として上図では①に直近安値、②に直近高値、③押し目買いポイントとしてポイントを付けております。
その後、黄色い矢印の引いているポイント毎に株価が反応していることが分かると思います。

矢印のポイントの説明は、
23.6%ライン上抜け時の窓開け上昇
78.6%ライン到達時のいったんの下げ(利確圧力かと)
78.6%ライン割れ時の窓開け下落
となっています。
その後は61.8%ライン付近で停滞し、そのラインを突破後はまた上昇に転じていることが分かります。

実はこのようにテクニカル分析通りに動く銘柄も少なくなく有名でトレードしている人が多い銘柄(NASDAQ100指数やSP500指数、SOX指数など)ほどテクニカル分析が効きやすい傾向があります
ですが、どんな時でもテクニカル分析が効くわけではなく、
トレンドの発生していないボックス相場においては値動きがランダムとなる為、そうなれば一時撤退することが望ましいです。

■ボックス相場

①意味

ボックス相場とは、株価が大きく上下に動くことなく、一定の範囲を行ったり来たりを繰り返している相場のことを指します。
この一定の範囲は、上限(高値)と下限(安値)が決まった範囲内で、株価が上下することから「ボックス(箱)相場」と呼ばれます。

尚、大きな材料が出てボックスをはみ出す動きが現れると、新しいトレンドに移行して株価は大きく変化する場合が多いです。(下図参照)

Trading Viewより、QQQ(Nasdaq100)チャート/日足

白い長方形で囲っている部分がボックス相場になります。
2024年の2/22~4/15までの間、ナスダックは上図の通り、ボックス相場となってました。この時は最終的に下に抜け、そこから一気に下落しました。
余談ですが、大方の見方ではこの調整はもう少し長く続くとみられていましたが、実際にはすぐさま持ち直して最高値更新といった流れになりました。
株式市場の未来を占うことの難しさを痛感した出来事です。笑

尚、ボックス相場内で推移している時は、値動きが完全にランダムなため基本的には手出ししないことが推奨されます。(長期目線の積立投資は別です)
上げにしても下げにしても、トレンドが確定してから動くのが良いですね。

■MACD(Moving Average Convergence Divergence)

有名なテクニカル指標なので聞いたことがあるかもしれませんが、改めて詳細を説明します。(*最後に図で説明してます)

①概要

移動平均線を使用したテクニカル指標です。
主な役割は、短期の移動平均線と中長期の移動平均線の動きから買いと売りのタイミングを判断することです。
パラメーターは基本的に、
短期は”9週”
中長期の場合は”12週”または、”26週”が使用されます

②移動平均線について

移動平均線は、一定期間の株価の平均値を線としてつないだグラフです。MACDで使われる移動平均線は、一般的な単純移動平均線(SMA)ではなく、指数平滑移動平均線(EMA)が使われます
単純移動平均線は、すべての値を平等に扱い、平均値を出しています。
100日単純移動平均線であれば、100日間の終値の合計を100で割ったものになります。

③MACDで使うEMAについて

MACDで使うEMAは、
新しい価格の方が影響力がより大きいとの考え方から、
新しい価格の比重を高めて計算されます。
EMAの方が、直近の株価に比重を置いて算出しているので、
変化が早く表れると言われています。
将来の相場を予想する上で、例えば、100日前の終値と当日の終値を平等に考えるのではなく、直近の株価の方がこの先に与える影響は大きいとの考えから、新しい株価により多くの比重を、古い株価は少し軽視するという考え方です。

④MACDのゴールデンクロス、デッドクロスについて

ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が中長期の移動平均線を下から上にクロスすることで、買いのサインとなります。

逆に、短期の線が長期の線を上から下へクロスすることをデッドクロスと言い、売りのサインとなります。

⑤0ラインブレイクアウトについて

MACD線がゴールデンクロスした後、0ラインを超えることは
”上昇トレンドが続くサイン”とされます。
さらに、”後を追うようにシグナル線も0ラインを超える”と、”上昇トレンドがより顕著になる”とされています。
(逆の場合は下落トレンドが続くサインとなります!)

これは、MACD線の算出式を考えれば分かりやすいと思います。
MACD線=短期移動平均線 - 長期移動平均線で算出されます。

つまり、MACD線が0以上に浮上するということは、短期線が長期線を下から上へ突き抜けた状況、つまり短期線と長期線がゴールデンクロス(厳密には、どちらかが下向きのダマシのケースもある)となっていると言えるため、足元(短期)の相場が強くないと、0を上回ることはできません

⑥単純移動平均線との違い

MACD線がシグナルを下から上に突き抜けるゴールデンクロスや、
上から下に突き抜けるデッドクロスは、
単純移動平均線が作るゴールデンクロスやデッドクロスより早く出現するので、売り・買いの判断がより早くできる特徴があります

これは、MACDは指数平滑移動平均線(EMA)を使って計算されており、EMAは直近の株価に比重を置いて算出しているので、単純移動平均線より変化が早く表れるためです。

⑦ダイバージェンスについて

ダイバージェンスとは株価は上昇しているがMACDは下降するなど逆のトレンドを示すことです。

ダイバージェンス発生後はトレンドが転換することが予測されます
この様な場合は、MACDに引っ張られて株価は下降することが考えられるため売り時と見られます。(騙しには注意)

⑧SP500チャートで実際に説明

Moomoo証券より、SP500チャート@日足

①白い矢印2本:2024年4月1日にMACDが0ラインより上でデッドクロス
②黄色い矢印:0ラインの下まで一気に株価下落
③薄紫の矢印:0ラインより下でゴールデンクロス
④緑の矢印:0ラインをブレイクアウトして一気に株価上昇
⑤水色の矢印:単純移動平均線(MA5+MA25)のデッドクロスが遅れて発生

上図は説明の通りの教科書的な動きをしてくれています。
MACD通りに売買していたら損失回避+大きな利益が得られていたことになります。また、単純移動平均線はかなり遅れてクロスが発生しています。

■最後に

全てのテクニカル指標に言えることですが、騙しに終わることも往々にしてありますので、目論見が外れたなと思ったら潔く損切りなりするのもとても大事ですのでお忘れなく!!

また、その他のテクニカル用語もどんどん追加していきますが、とりあえず現状公開している記事内の用語から優先して記載しています。
引き続き更新していきますので、是非株式投資のご参考にしてもらえましたら幸いです。

■執筆記事について

日々忙しい個人投資家の皆様に代わって”市場動向を調査"“分析”し、
1日1記事を見れば株式市場の現在地(買い場なのか、売り時なのか、暴落が発生しそうなのか、株価が急上昇しそうなのか等)が分かるように内容をまとめて投稿していきます。

その他、マネーリテラシー向上につながる情報発信や、各種テクニカル分析の解説なども行っていきたいと思っておりますので、資産運用に興味のある方は是非フォローをお願いいたします。

※実際の投資判断については自己責任でお願いいたします。
※特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。

■個人投資家【ケイ】について

私は35歳、妻子持ちで無職のサイドFIRE民です。(今は無収入です、、)

これまで合計3年間、世界40カ国以上を妻と旅してきた経験から、
サイドFIREを着実に実現し、娘(もうすぐ2歳)を連れて家族3人で世界中を旅することを夢見て日々投資と副業を頑張っています。
毎月の生活費はギリギリ投資益から賄えていますが、さすがにこの資産では夢は実現不可能なので、手探りながら色々と副業を始めています。

また、現在の金融資産は2200万円~2400万円(日々流動してます)で、
信用枠を入れた株式の総買いポジションは2024年5月28日時点で2700万円程となっております。

4年程前に投資を始めてから投資にドはまりし、以降は毎日経済ニュースと株価分析をしてきました。もはや趣味の領域で、変人とか言われます。笑

これまで培ってきた金融知識と、私自身の為にもなっている米国株のトレンド分析などをNoteで発信していき、
個人投資家の皆様と一緒に資産を増やしていきたいと思っておりますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします!

*世界の旅写真も載せたり載せなかったりしますので、
   お金の話ばかりで疲れた時にでも現実逃避してみて下さいっ!笑

ウユニ塩湖@ボリビア (ケイ本人です)

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