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フェリーで行ったよ北九州

これまでフェリー移動という概念を全く持っていなかったのですが、↓の話題がまわってきて新たな選択肢が発生。そしてジャストタイミングで地下鉄にあった広告が「大阪-九州3980円」。
え、安すぎない? んじゃちょっくら行きますかと脳直で予約。

■旅程
フェリーで行くと決めたものの、肝心の北九州について何も知らない。ザクっと調べれば門司港レトロで夜景、関門海峡を渡って下関の唐戸市場水族館でフグ、小倉のいのちのたび博物館で恐竜が良さげだなと。
2日目は関門連絡船以外の25km以上徒歩だったので結構疲れました。そして関門海峡が下関-門司だから関門ということに初めて気付く。

1日目:乗船→海から明石海峡大橋、瀬戸大橋を眺める→就寝
2日目:新門司港着→日の出までに関門トンネル人道から下関側へダッシュ→唐戸市場でごはん→海響館火の山登山→門司港に戻って焼きカレー→めかり第二展望台→門司港レトロの夜景→関門連絡船で再び下関→海峡ゆめタワー→小倉でラーメン&宿泊
3日目:小倉→いのちのたび博物館→新幹線で帰路へ

■名門大洋フェリー

大阪南港~北九州新門司港を格安に提供しているのが名門大洋フェリー。しかし広告の3980円プランは利用しませんでした。理由は主に2つ。
 ・大部屋雑魚寝は隣人ガチャで外れ引くと翌日に支障が出る
 ・コンセントがない
到着後フルで観光しようと思えば体調管理は重要、そして船内で写真撮ったりスマホ見たりを考えればコンセントはどう考えても必須。なので2等洋室5432円(17時発ネット30%引)を採用、部屋はこんな感じです。
瀬戸内海だけに大きな波の揺れはないのですが、横になるとエンジンの振動のようなドッドッドッドッという細かな揺れが結構伝わってきました。最初は何だこりゃ気分になるも慣れるとむしろ揺れが心地よくなったり。
21:30になると消灯されカーテンを下ろすと全く光が入ってこないため、アイマスクは不要。念のために耳栓は用意していた方がいいかもしれません。

カーテンを下ろすと個室化、上側にコンセント

寝床を確認したら出港&船内散策。通路のソファは大人気で夜じゅうそこで寝てる人がいたりしました(恐らくマナー違反)。ロビーにはテレビが置いてあり、ちょっとしたゲームコーナーも。

煙を上げて出港

冬は外真っ暗なので窓際にこだわる必要なし

テレビのあるロビーと奥のレストラン

これは輪行ですね!

夜のフェリーは外見ても真っ暗でやることがないのでご飯タイムは重要。しかしこの夕食バイキング、評判を調べると非常によろしくない。周りを見てもお弁当を持参してる人は多かったです。しかし初めてだし経験するのも良いだろうと思ったこと、夕食1550円で朝食無料券がついてきてお得なこと、そして何より持ち込む荷物が減ることを考えてレストランで食べることに。
そして実際のお味は・・・評判通りでした。何事も経験という方以外は素直にお弁当を買ってきたほうが良いでしょう

とても微妙な夕食バイキング

質素な朝食

売店カップ麺のお値段

このフェリーで一番楽しみにしていたのが三大架橋のライトアップを海から見れること。17時発だと18:10頃に明石海峡大橋を通過です。その写真が下のものですが冬だと既に日が落ち海上は闇。光量が足りずISO上げまくりでかなりザラザラに。夏ならばちょうど夕焼けで最高のシチュエーションになると思います。
あと、甲板に出るときの注意点として、海で遮るものがなく船自体が結構なスピードで走っているため風がかなり強い。飛ばされるようなものは身に着けず、風に煽られてスマホ等を落とさないようにご注意ください
ちなみに瀬戸大橋を21:30くらいに通過したときは主塔がライトアップされておらず暗すぎました、残念。

明石市街と明石海峡大橋

真っ暗な瀬戸大橋

■門司港駅

フェリーは新門司港5:30着、無料送迎バスで門司駅に。6:02始発にジャストで飛び乗り終点である門司港駅へ6:10到着。日の出は7時なのでまだまだ真っ暗です。レトロな構内を楽しんでコインロッカーに荷物を預けたら関門橋へ向かってGo。
門司港レトロで有名な門司港駅。2019年3月10日に全面リニューアルが完了し、創建時大正時代の姿が甦ります。駅前広場の噴水が完成すると素晴らしくフォトジェニックになること間違いなし。

終着駅特有の長いホーム

レトロな構内がお洒落

昼間の様子、3/10に工事完了しフルオープン

■関門トンネル人道

門司港駅からは日が昇るまで時間との勝負。急速に明けてゆく空に焦りつつ下関側への3.5kmをダッシュで駆け抜けます。
門司港から人道のあるめかり公園へは門司港レトロ観光線 潮風号というトロッコ列車が通ってますが当たり前にこんな早朝には走ってませんし、そもそも12月~2月中は完全に運休、レンタサイクルも10:00~17:00。歩くしかないのです。

徐々に白みはじめる空

そしてこれが関門海峡の海底を歩いて渡れる関門トンネル人道入口。早朝からサイクリストが集結。人道へ深~いエレベータで下りた後、約800mを歩きます。ここは自転車の人も押して移動。
説明図にあるように人道には結構傾斜があります。雨風に影響を受けない、温度も一定という地下の特性をいかしてウォーキング、ランニングしている人が大勢いました。

海底での本州-九州の境界

■壇ノ浦古戦場

ということで下関側へ移動完了。せっかく早朝フェリーで来たんだから日の出を見ておかないと損でしょう。朝焼けの空はとても綺麗。
そして下関は壇ノ浦と言えば源平合戦の舞台。八艘飛びの義経と剛力の平知盛の石像がお出迎えしてくれます。関門海峡の潮の流れ、時間によって変化するのが素人でもはっきりと分かるくらいに凄いです。壇ノ浦の戦いのキーポイントになったこと、とても納得できます。

壇ノ浦の夜明け

日中の源義経・平知盛像と関門橋

潮流の変化が目で分かります

下関と言えば長州藩。長州藩と言えば長州砲。ここの公園には攘夷戦争や下関戦争で使用された大砲のレプリカも。100円を入れれば煙と音で発射を模擬するシュールな演出をしてくれます。

■唐戸市場

源平合戦、長州藩と続いて下関はと言えば河豚。この本場では歴史的にも「ふく」と濁らずに読むのが正しいようです。唐戸市場の土日は朝8時から活きいき馬関街が開かれており、船内の質素なご飯では物足りなかったので2度目の朝食を。

やや尾道感を感じるウッドデッキ

巨大なフグがお出迎え

早く来すぎて準備中

活気と賑わいにあふれる

買い物は各店舗で1貫からでも買い集めることが出来ます。色々物色してお好みのネタを選び抜いてください。2階通路にテーブルと椅子が並べられているのでお食事はそこで。気温が高ければ外のウッドデッキで海を眺めながら食べるのがとても気持ち良さそうです。
唐戸市場の隣にはカモンワーフという商業施設があり、ランチ等はそこでお手頃価格の河豚料理を食べるのも選択肢の1つ。

お寿司とふく汁で腹ごしらえ

■海響館(市立しものせき水族館 )

唐戸市場から港を挟んで向かい側にあるのがフグの水族館としても有名な海響館。ガラス張りが空を映して非常に綺麗です。この水族館は日本設計さんの設計。
そして外から見えるぶち抜き吹き抜けフロアにはシロナガスクジラの骨格標本が。水族館内部の見せ方もとても良く出来ていて、いい設計されてるな~と感じました。ぶっちゃけ海遊館より楽しかったです。

こけそうになるベルトコンベア

フグの水族館なのでその紹介をするべきかもしれませんが、フグ見てうおおとはならないんですよねw とりあえず一部の写真だけ。フグ水槽ほんと一杯あります。ちなみにあの大きなマンボウもフグ目です。

沢山種類がいることだけは分かります

もちろんフグ以外も充実しており、私のようなフグ素人でも安心して楽しめます。特に下関市の鳥として公に認定されたペンギンには力が入っています。ペンギンの水槽をトンネルでくぐれて下から様子を見れるのとかとても良いです。

ようこそペンギン村へ!

空飛ぶペンギン

押すなよ絶対押すなよ

スィー

海響館ラストは目玉のアシカ&イルカショー。アシカの技やイルカのジャンプ、飼育員さんとの掛け合い、レベル高いです。観客のちびっ子たちも大喜びでした。

輪投げを華麗にキャッチ

門司港を背景に大ジャンプ

水族館の華ですね~

■火の山

海響館に大満足したらふたたび壇ノ浦方面へ。火の山公園は関門橋を見下ろすことの出来る絶好のポイント。夜景も綺麗ということで有名です。

関門橋を眺めるのに最適

ところがこれまた脳直行動の失敗ポイントで、この時期はロープウェーが営業していないんです。気を取り直してそれではレンタサイクルで行こう、「見せてもらおうか、電動アシストの性能とやらを」と楽しみにしていたら火の山パークウェイは自転車通行禁止ということがGoogleで判明します(マップ上表記は風波のクロスロード)。

自転車通行禁止の看板

これはもうとことん歩きですね山登りでも何でもしましょう。歩いていく場合、遊歩道という呼び名の割にはそれなりに山道で入口に靴の注意とかもあるくらい。結構な細道や傾斜のきつい部分があったりするので暗くなると危険です。夜景を見たい場合は素直にタクシーでどうぞ。

灯りのない細道

えんやこらと登ってロープウェー山上側の駅に到着。ロープウェーだと2・3分なのに歩くと20~30分かかる、体力も使うので時間がない人は運行期間に来ることをオススメします。

展望台からは瀬戸内海~日本海が一望

火の山には明治時代から日本三大要塞の1つ、下関要塞として砲台が設置されており、その遺構を見ることが出来ます。人も少なくじっくりと見て回ることが可能なので要塞マニアとかの方はたまらないかもしれません。

指令室とややラピュタ感のある兵舎壕

山頂公園には何故か戦艦大和の主砲徹甲弾も置いてあり、猫もいます。展望台建物が撤去されてしまって跡地が殺風景なのが寂しいところですが、新しいものが建つことを期待しましょう。

僕は悪い猫ちゃんじゃないよ

更地となった展望台跡(右側)

航行の絶えない重要航路

とにかく船の大きさが凄い

おまけで、火の山のふもとにESPOIRというイタメシ屋を見つけましたが閉店していました。カイジを読んだ人間としては是非とも入りたかったと思いつつ、むしろ廃墟となっているのは名前らしいとも。

■門司港レトロ

火の山に満足したら再び関門海峡人道を通って門司側へ移動。焼きカレー発祥という門司港茶寮でランチ。うん、これはドリアですね!美味しいです。

門司港レトロ。知識不足で個人的には全然知らなかったのですが結構観光客多いです。とはいえそれも中心部だけで少し離れると混雑はなくなり、夜の時間帯には完全に人気がありません。
秋冬にかけてはトロッコ列車も火の山ロープウェイも運行していませんが門司港ライトアップはこの時期だけ夜景を撮るためにあえて冬に来るというのは大いにありです

定番スポットMOJIKOの文字オブジェ

レトロな建物に囲まれた港

カップルで渡れば幸せになれるというブルーウイング

やけくそ1分露光

■めかり第二展望台

門司に行くと決めてから、絶好の撮影スポットではないかとGoogleMAPで気になっていたのがめかり第二展望台。実際に行ってみると三脚に高級カメラフル装備の方々が陣取っており目の付け所が正しいことを確信。
無線かなにか(スマホじゃなかったのは謎)であっちを撮れこっちを撮れと指示が出ているのか一斉に向きを変えたりしているのが面白かったです。なお、私以外は全員車で来てました。暗い中ここに徒歩で登ってくるのはそれなりに注意が必要。
ちなみにここは写真を撮る以外やれることは何もないです。

展望台へはノーフォーク広場裏から

門司港の夜景

絶好の光跡スポット

■海峡ゆめタワー

門司港の夜景を楽しんだら再び下関側へ移動。ここでようやく徒歩以外の移動手段、海峡船を使います。工場夜景巡りフェリーとかも出ているようなので門司港でやれることはまだまだありそう。
そして目指すは上の写真で観覧車の横にある海峡ゆめタワー。パチンコの玉のような展望室が一番上にあるなかなか特徴的な建物、恋人の聖地として認定されているようです。

海峡船乗り場からゆめタワーは約1.5km

なんやこの天辺のボールは

光量少なくてめっちゃブレます

流石に登山下山含めて25km以上歩くと足が死にます。下関駅から宿泊地小倉へ行き、ラーメンを食べたらばたんきゅー。まるいちさんの麺は事前調査通りバリカタで頼むと丁度いい感じで、あっさり目の物凄く食べやすいラーメンでした。


■いのちのたび博物館

北九州に来た、恐竜が好き。となると絶対に行く必要があるのがいのちのたび博物館。開館15分前くらいについて雨のなか外でボーっとしてると、職員の方が中で待ってていいですよと入れてくれました、親切!

この博物館は最初にいきなりメイン展示があり、ティラノサウルス、セイスモサウルスら恐竜標本の群れがお出迎えしてくれます。これを見るだけで北九州まで来た価値が十分以上

初っ端からクライマックスだぜ!

最早ロマンとしか言いようがない

実はペンギンかもしれないペンギンモドキ

ヒャッハー、サメだー!

標本が置いてあるだけではありません。雰囲気のある洞窟を抜けた先ではマメンチサウルスやワキノサトウリュウ、ヴェロキラプトルの模型ロボットを使った映像演出が。なかなかの迫力で小さなお子さんが怖いよーと叫んでいるのが微笑ましかったです。

エンバイラマ館の恐竜ロボット

ぶっちゃけ恐竜だけで大満足なわけですが、博物館では北九州の文化や歴史の展示もたくさんありました。また、訪れたときに特別展示が実施されていたのが「産業革命遺産展」。鐵都八幡の歴史とかが見れたのはとても興味深かったです。

北九州ならではのお土産

ちなみにいのちのたび博物館の最寄り駅はスペースワールド駅です。既にスペースシャトルも撤去され、ジェットコースターの一部が残るのみ。そのうち駅名も変更になるのでしょうか。
2日目は雨が降っていたこともありこれを見て帰路へ着きました。

今は亡きスペースワールド

手書きのマップにシャトルの名残が

■まとめ

北九州と一言に言っても門司港や小倉、さらに関門海峡を挟んで下関側にも行けるわけでエリアとしてはかなりの広範囲に渡ります。その中でも海響館・唐戸市場といのちのたび博物館は気軽に楽しめました。文化施設で遊べる観光地というのは雨でも家族連れでもシチュエーションを問わないので旅行先として優秀な選択肢だと思います。
ただ、3月以降なら門司港駅改修も終わっていて、トロッコ列車も運行し、フェリーからの夕焼けも見れたのではないかと考えると来る時期が早すぎた! 下調べなしの脳直行動はこれだからいけません。
個人的には旅行は2回目からが本番と思ってるので、関門海峡ミュージアムの改修が終わった後にでも再び訪れる機会を作りたいところ(平成30年4月1日より約1年半リニューアル工事)。

2019年3月10日 門司港駅復元完了!

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