イニュラ

香り大好きが高じてアロマテラピーを本格的に学び、派生してハーブや漢方養生も暮らしに取り…

イニュラ

香り大好きが高じてアロマテラピーを本格的に学び、派生してハーブや漢方養生も暮らしに取り入れています。心と体と香り、自分や家族の体験した病気のことなどを綴っていこうと思います。イニュラ(学名:Inula graveolens/キク科)が今一番好きな精油の香りです。

最近の記事

子宮体がん7_全身麻酔について

子宮体がんで、子宮と卵巣・卵管を摘出するための手術で、私は始めて全身麻酔というのを経験した。 前日、麻酔についてのレクチャーがあり、ほぼ大丈夫ではあるが、万が一麻酔から目が覚めないということもあるので、それを理解したサインをするように促される。 私の場合はさらに、 甲状腺の腫れが気管をグニャリと曲げていて、気管が一部細くなっている。 今回の内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」の腹腔鏡手術では宙づりじゃないけど足が上に頭が下に傾いたまま手術を施すので上半身がむくみがちでプラス甲

    • 子宮体がん6_局所麻酔について

      今回の子宮体がん検査の子宮内膜掻爬(そうは)術(一泊入院、局所麻酔)と子宮・卵巣・卵管の摘出手術で私は初めて(歯科治療や切開などの治療以外の意識消失する)麻酔を経験した。 子宮内膜掻爬術とは、麻酔下で子宮内膜をかき出す手術で、これでがんの細胞検査を行える。 子宮頸管の拡張する薬(?)を膣に入れられて数時間後に手術となるので一泊して手術となる。 膣の中に異物を挟んでの一泊だが、それは違和感はあるけど許容範囲内の状態で一夜を過す。 翌日、手術前に麻酔用の針を事前に入れられた後

      • 子宮体がん5_CT/MRI検査について

        MRI検査は細い筒の中に全身を潜らせて20~30分磁気で画像診断される。 初めての検査日は、ラメ入りの化粧なども磁気が反応して火傷すると事前に渡された説明書に書いていたので、スッピンでドキドキしながら病院に行った。 撮影する部位に重い板のようなものを巻かれると、それだけで息苦しくなった。頭から細い筒の中に入っていくと押しつぶされそうな怖さがあり、さらに息苦しくなる。 MRIの中ではガンガンガンガン!と大きな音がするので入り口で渡された耳栓を使ったが、耳栓をしてもマイクを通した

        • 子宮体がん4_子宮体がん検査について

          最初の子宮体がん検査は50歳の健康診断で貧血の結果が出て受診した婦人科でのこと。 先生は「体がん検査はかなりの激痛があり人によっては失神する場合もあるので、痛いときは我慢せず言ってください、その際は検査はやめますので」と言ってから検査に取り掛かった。 確かに、本当に、驚くほど痛くて「痛い!です!!」と叫び、検査はすぐに止められた。 これは「子宮体がん3」に書いた通り。 その後、探した病院でもエコー検査で子宮内膜が厚いことを指摘され子宮体がん検査を試みられた。 ここでの検査

        子宮体がん7_全身麻酔について

          子宮体がん3_藪医者を選んでしまったことについて

          最初婦人科は、女性器を診察されることへの羞恥から同性の女医さんを選んでいた。 30代で通った婦人科クリニックでは退任なさった男性の先生(60代後半から70代前半くらいだったかと)が助っ人で診察に入ることがあり、たまたまその先生に当たったことがあった。 おじいさんとはいえ男性…『わざわざ女医さんを選んだ意味なくない⁉』と思いながらそのまま診察を受けた。 『あれ!?痛くない!!』なんと表現したらいいのか、女医さんに比べて繊細な内診で基材の使い方も丁寧で、婦人科診察によるストレスが

          子宮体がん3_藪医者を選んでしまったことについて

          子宮体がん2_貧血について

          -貧血-よく聞く症状だが、きちんとした食生活&生活習慣の自分には関係ないことだと思っていた。 凄い自意識過剰、自己肯定感だと今になっては思えるが、貧血と診断されるまでは本気でそう思っていた。 貧血気味になっていたころ、私はその状態に気付かずにピラティスをやったり、朝のジョギングを始めたりしていた。しかし、運動後にどうしようもない脱力感に襲われることが多々あった。 使い古した雑巾、泥のような状態で横になって、一度横になると布団と自分が一体となってしまうようだった。起き上

          子宮体がん2_貧血について

          1.子宮体がんの告知まで

          2019年11月15日子宮体がんの摘出手術を受けた。 私は、子宮頸がん・乳がん検診含めたがん検診は毎回受けていたが、子宮体がん検査は受けていなかった。 私の住む町では「子宮頸がん検査」の結果で医師が必要と判断した場合「子宮体がん検査」も受けられるが、そういう必要性を言われることはなかったからだ。 50代になって私は生理の頻発(月に2回生理が来たり)による貧血で婦人科を受診するようになった。 エコー診断で子宮内膜が厚いと言われ、何度か子宮体がん検診を試みられたが、あまりの激痛で

          1.子宮体がんの告知まで

          金木犀の蕾

          「私は金木犀の香りが一番好き」と彼女は言った。 彼女とは、2019年の初冬、私の子宮体がん摘出手術の入院で十日間だけご一緒した女性(ひと)だ。 その北側の病室の大きな窓からは、太陽の動きに合わせて虹が移動していく様を皆で有難がって拝むことができた。 「こっち側の部屋では、よく虹が見えるのよ」と彼女は教えてくれた。それは、入退院を繰返したから知りえたことなのだと、彼女のこれまでを思った。彼女は子宮がんを患い他の病院で手術をして一度は治っていたという。だがこの時は、肺にまで散

          金木犀の蕾

          金色の輝き

          2019年秋に私は初期の子宮体がんを告知された。生理の頻発による貧血で婦人科に通って二年、子宮内膜が厚いというのに時だけが過ぎた。私から先生にMRIによるがん検査を申し出てからは事が速かった。あれよあれよという間にがんの摘出手術日が決まった。 他人の病気には敏感で心配するのに、自分のこととなると驚くほど平静だった。大学や会社時代の友人には乳がんサバイバーが何人もいた。がんになったことはショックだけれど、自分も皆のように手術をすれば大丈夫という正常性バイヤスが強烈に働いていた

          金色の輝き

          寄添うこと

          今から四年前、母が軽度認知症から本格的に認知症になりつつある頃のことだ。台所を片付けて部屋に戻ると、薄暗い部屋で母が背中を丸めてぺちゃんと座り込んでいるのを目にした。 「電気もつけないでなにしているの…」母は仏壇の前で動かない。「お母さん…どうしたの…」と声を掛けながら近づいていき思わず母を抱きしめた。 ドラマや小説なら「寄添う」「愛」「抱きしめる」をすれば、問題は解決されるように描かれている。でも現実はそうではなかった。 「大丈夫だよ、大丈夫だからね」と言いながら母を

          寄添うこと

          約束の根っこ

          昔の話だが、三十歳で舞台製作に関わるようになった。 脱サラして戻った故郷では市が舞台人育成に力を入れていたのだ。私はインテリア照明に興味があるという理由だけで、舞台照明講座を受講した。最初は座学が続き、最後は劇場で上演の実践も積むという凝りようだった。 一つの世界観を大勢で作り上げるには、沢山の舞台の約束がある。 例えば、客席から見て右側が「上手(かみて)」左側が「下手(しもて)」と呼ぶ、これは出演者やスタッフがそれぞれどこにいても舞台上の場所を認識できるように、右左では

          約束の根っこ