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#4 小倉旅行の話 vol.1

山ほど出会いに恵まれていた前職。
その中でも、人を疑いから入る私の鬼のように狭き心の門を突破した(偉そうにごめん)
選りすぐりの秘蔵っ子たちは、何人かいる。

遡ること数ヶ月前。
会社のデスクに、私宛に封筒が置いてあった。
秘蔵っ子の一人・いまむらくんからだった。

「書きました。ともながさんの何かの刺激になったら嬉しいです。」

入っていたのは一枚の紙を折り曲げて作った何か。

毎月死に物狂いで企画を考えて、
取材して記事を書いて。
「本」として本屋さんに並ぶものを作っている私からしてみれば
お世辞にも”うまい”とは言えない本、のようなものに見えた。

でも不思議と負けた気がした。
悔しくはなかったけど、目から鱗だった。
ポロポロこぼれた。
彼がまだいた頃、
仕事帰りに路面電車に乗って
ZINEイベントに走ったり、
たまに帰ってくるとカフェで
近況を話してやりたいことを披露して
レコードをプレゼントしたり
最近好きなものを教えてくれたり。

私は今まで「なにかを作る」ということに、
完璧を求めすぎていたのかも。
対話の中で、多分それを見透かされていたんだろうなぁ。
彼の素敵なZINEは、私を原点に戻してくれた。

数ヶ月後、私は仕事を辞めた。

次にいまむらくんにカフェで会った時、
彼はラジオDJになっていた。
それと同時にその「本のようなもの」の
第3弾の準備をしていた。

「モリミチに出せることになったんすよ!」

あぁ良かった、私の目は間違ってなかった。

モリミチとはそう、
紛れもなく「森、道、市場。」のことで
感度高めの人ならば誰もが知っている
憧れの野外フェスだ。
彼は彼なりに、人生のコマを進めていた。

感想を聞こう!と先輩風を吹かして
決まったのが、今回の旅。
結論から話すと、
彼が住む小倉はそれはそれはいい街だった。

着いた時はあいにくの大雨。雨が似合う街。

小倉駅に着いたら、まずは宿に向かう。
今回泊まったのは、
ホステル&カフェTanga table
昔ながらの旦過市場(タンガイチバ)の
すぐ隣にあって、小倉駅から徒歩10分の距離。
大雨だったので、
商店街の中を猛ダッシュして向かった。

あったあった!


最初に連れて行ってくれたのは、
〈酒蔵 大太鼓〉。
「小倉といえば!の場所なんすよ」とのこと。
長崎でいう、〈かにや〉的存在みたい。

本人曰く、出家してないそう。おしゃれだね。相変わらず、ぶっ飛びハイセンス☆良

暖簾をくぐると、美味しそうなおでんの香り。
ズラーっと並んだ木札の中から、どれを頼もうか迷う時間もいい。

瓶ビール開けちゃったし、このあとスパークリングワインまで飲んでしまった

肝心のモリミチの感想は
少ししか聞けなかったけど、
多分モリミチ最高だったすよ〜って言ってた。3冊まとめて買ってくれた人の話もした気がする。生で見たペトロールズの長岡さんがかっこよくて、ふらついたって話もした気がする、あ、その話はここじゃないかも。
でも正直そんなことはどうでも良くなるくらい、おでんに夢中だった。

「会わせたい人がいるんです」

カルアミルクのアイスのせが食べられるお店に、その人はいた。
会わせたい人……怪しい店……?!
何年かの大プロジェクトで、わたし、いまむらくんに騙されていたのでは…?!と最初思ったけれど、そんなのは申し訳なくなるくらい杞憂で、迎えてくれたのはあったかい店主だった。にこにこの。
お店に古いピアノがあるんだけど調律ができてなくてねぇなんて話で盛り上がった。実際に弾いてみたけど、確かに音は、ずれていた。

今思い出した。あの日私3杯しか飲んでないと思ってたけど、これも合わせたら4杯だった!そりゃ動悸が激しくて寝れなかったワケだ

そんなこんなで1日目、終了。
長くなったので小倉レポもこの辺で一旦終了^^またいつか書こう、vol2

「本のようななにか」

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