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2023年2月の記事一覧

【読書】伊坂幸太郎 ■死神の精度 ■死神の浮力

【読書】伊坂幸太郎 ■死神の精度 ■死神の浮力

精度の方が短編集で浮力の方が長編。私は浮力の方が好き。
死神という職種の人が主人公。死神というのは,その人が寿命とか病気で死ぬ以外の,事故死的なモノを管理している人たちで,事務所から「あの人は殺してよいかどうか見てこい」と指令があったら,その人と接触してその実態を見て,良いか悪いかを報告する…という仕事で(笑),基本ほとんどがOKの返事をするらしい。そして死神はその人が死ぬところを見届けるまでがお

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【読書】虚夢

統合失調症という病気は、昔は精神分裂症と呼ばれていた。
この小説には、この病気の人がいっぱい出て来るのだが、別にいつもおかしい訳ではないので、

ストーリーは、その統合失調症の男に自分の可愛い娘を殺され、自分も大怪我をさせられた母親と、駆けつけた時にはすでに娘は死んで奥さんは救急車で病院に…という旦那が中心で進んでいく。
結局その犯人は、刑法第39条1項「心神喪失者の行為は、罰しない。」という事で

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【読書】その鏡は嘘をつく 薬丸岳

【読書】その鏡は嘘をつく 薬丸岳

ある男性医者が首を吊って自殺。その医者はちょっと前に痴漢で警察に捕まったが、証拠不十分で起訴されずに釈放されたばかりだった。痴漢をした事てを悔やんでの自殺なのか、冤罪に対する憤りの自殺なのかは判明しないまま、片付けられようとしていたが、主人公の検察官が「これは自殺ではない気がする」と言い出して、再度調査をする。

そもそもその医者は奥さんに内緒の部屋を借りていて,そこで自殺していた。その部屋は何の

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