【読書】虚夢

統合失調症という病気は、昔は精神分裂症と呼ばれていた。
この小説には、この病気の人がいっぱい出て来るのだが、別にいつもおかしい訳ではないので、

ストーリーは、その統合失調症の男に自分の可愛い娘を殺され、自分も大怪我をさせられた母親と、駆けつけた時にはすでに娘は死んで奥さんは救急車で病院に…という旦那が中心で進んでいく。
結局その犯人は、刑法第39条1項「心神喪失者の行為は、罰しない。」という事で何も罪に問われず医療施設などに治療のために入院させられ、医者が治ったと思ったら5年も経たないうちに社会復帰化して来るらしい。

その被害者の夫婦は離婚し,奥さんはいろんな事情で再婚したのだが,たまたま町を歩いていてその犯人を見かけて,元の旦那に連絡してきた。そもそも奥さんは事件後神経が参ってしまい,奇抜な行動を繰り返していた。まあ自分の愛する娘を目の前で殺されたわけで致し方ないのだが。会社はそのために辞めざるを得ず,ある事情で再婚した旦那からも腫れもののように扱われ,「常に,あいつは自分を殺しに来る…」とおびえナイフを持って構えているような生活を送っている。

実際に娑婆に出てきている犯人を見つけた旦那は,その犯人をずっと監視していたのだが,その犯人はある水商売というかエッチ系の店に勤める女性の家に転がり込んでいる。その女性も何か事情があって…。

結果的に,本当にあっと驚く結末を迎えるのだが,これはあのアランパーカーの名作「ライフオブデビットゲイル」を思い出した。この本は面白かったのでお勧め。しかし救われないのだが…。

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