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【読書】その鏡は嘘をつく 薬丸岳


ある男性医者が首を吊って自殺。その医者はちょっと前に痴漢で警察に捕まったが、証拠不十分で起訴されずに釈放されたばかりだった。痴漢をした事てを悔やんでの自殺なのか、冤罪に対する憤りの自殺なのかは判明しないまま、片付けられようとしていたが、主人公の検察官が「これは自殺ではない気がする」と言い出して、再度調査をする。

そもそもその医者は奥さんに内緒の部屋を借りていて,そこで自殺していた。その部屋は何のために借りていたのか…。愛人的な女医もいるのだが,その女医を慕っている医学部希望の男の子も出てきて,だんだんと話が盛り上がって行く。結局は死んだ医者がとんでもなく悪人だったのだが,それを暴き出すまでの流れがとても興味深かった。

女医が手術ミスをし,それを隠蔽する代償に愛人にさせられ,だんだんと変な事も要求され出したので,その愚痴を自分を慕う男の子に話して殺させる段取りを仕組んだというオチなのだが,だんだんと暴いていく薬丸さんの筆力は賞賛もの。この人冤罪とか少年法とか,刑法39条専門の作者なのかと思っていたが(笑),こんな感じのストーリーも面白い。

タイトルにある鏡というのは何なのか。それは読んでみてのお楽しみ。

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