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【読書】伊坂幸太郎 ■死神の精度 ■死神の浮力


精度の方が短編集で浮力の方が長編。私は浮力の方が好き。
死神という職種の人が主人公。死神というのは,その人が寿命とか病気で死ぬ以外の,事故死的なモノを管理している人たちで,事務所から「あの人は殺してよいかどうか見てこい」と指令があったら,その人と接触してその実態を見て,良いか悪いかを報告する…という仕事で(笑),基本ほとんどがOKの返事をするらしい。そして死神はその人が死ぬところを見届けるまでがお仕事。まあ伊坂さんらしいと言えば伊坂さんらしい小説である。

私は短編集より長編の方が面白かった。子供を殺された夫婦が犯人に同じ苦しみを合わせようと計画し,何とか無罪になるように段取りして,予定どうり無罪になり,誘拐して監禁しようとするのだが,その犯人は人間の心を持たないサイコパス的な奴で,その夫婦の上を行く。その夫婦の旦那の方が死ぬリストに入っているので,死神も合流して3対1で戦う感じ。

途中死神の組織にトラブルがあり,臨時措置で20年死なない制度が出来,そのサイコパスの男が指定されたので,あーこの犯人は死なないのか…と思ってたら,とんでもない結末が待ってて驚いた。小説としては(いろいろ突っ込みどころはありますが)とても面白い部類に入ると思います。ただ頑張った旦那の方は死んでしまうわけで,エピローグはとても悲しい。

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