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東京都知事への期待。東京の潜在能力。 もっとワクワクしていい!

今まさに盛り上がりを見せている東京都知事選。様々なタイプの方々が立候補し、選挙演説に熱が入っていますが、「改革だ!」「リセットだ!」とそれっぽいキーワードが出ていますが、それで東京が都市としてどのようにワクワクするのか?というところがイマイチ聞こえて来ない気がします。

僕の主観としては、東京はポテンシャルの塊です。これまでも色々な東京の都市構想を発信してきましたが、これを機に一度ここでそれらの構想のダイジェスト版をざっと並べてみたいと思います。そして一部東京はその方向に向かって動き出していますので、その辺りも合わせて記載してみたいと思います。

東京B-LINE構想

東京には都市河川やお堀が張り巡らされ、かつてはそこが舟運で溢れかえっていました。そこが高度経済成長期の流れの中で忘れ去られ、街が完全に背中を向けてしまいました。今こそその都市の既存の魅力をも一度呼び起こして、「水の都」として復活を遂げる時期に来ていると思います。

東京B-LINEは、日常の移動手段として東京の河川を船で繋ぎ、電車、バスに加えて3つ目の公共交通手段として整備するという構想です。以下の路線が一回300円で乗り放題だったらみなさん、どう思いますか?

東京B-LINE構想路線図

今豊洲から日本橋、また晴海から日の出の通勤船が社会実験としてスタートしましたが、それがもっとネットワーク化されることによって、その効果は最大化し、災害時における物資や人の移動としても活用されることになるかと思います。

普通にこんな感じで簡単に船に乗れて、好きなところにサクッと移動できるような街になったらワクワクしませんか?お台場だって今は陸から行く街になっているのでせっかくの水辺が真っ暗!海からアクセスする街にするだけで、その眠った魅力を開花することができます!

海からアクセスする街になったお台場のポテンシャル
Original image author: 663highland (https://ja.wikipedia.org/wiki/user:663highland)
スパーヨットを停泊できるようにして開催されるF1グランプリ

今後つくられてくる築地の開発、日本橋上空の高速道路の地下化など徐々に都市はその方向に進み始めています。

三井不動産「日本橋再生計画」より
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2019/0829_02/

芝浦イノベーション特区構想

今国をあげてイノベーション戦略を推し進めています。岸田政権がスタートアップ5カ年計画として5年で10兆円の投資を決めています。東京都も力を入れていて、「SusHi Tech Tokyo」というイベントを開催して、アジア最大級のスタートアップイベントとして、世界中から多くの関係者が集まっています。私も2年連続で登壇させて頂いていますが、世界とつながる東京のポテンシャルを強く感じています。
https://sushitech-startup.metro.tokyo.lg.jp/

ただ、今流行り言葉のように「インキュベーションオフィス」があらゆる開発の中で設置されて来ていますが、通常それが高層タワーの上層階に隔離されていて、街を歩いていてスタートアップカルチャーを感じることはないのではないでしょうか?投資額ももちろん大事ですが、その投資を受け取るスタートアッププレーヤーが多く育つカルチャーを創ることはより大事かと思います。

そんな中、実は東京都としては面白い動きが始まっていまして、有楽町に「東京イノベーションベース(TIB)」というものが最近できました。ここは大きな特徴はそのイノベーションベースが地上階にあることです。地上階にあることによって、街を歩いている方が自然とスタートアップカルチャーに触れられるようになっています。
https://tib.metro.tokyo.lg.jp/

芝浦イノベーション特区は芝浦の湾岸地帯の「出島」をイノベーション特区として、島の内部であれば自動運転やドローンなど実験し放題にして、そこに「ものづくりスタートアップ(ハードテック/ディープテック)」を集積させるという構想です。

芝浦イノベーション特区構想と東京B-LINE

芝浦には多く役目を終えつつある倉庫が集積しているだけでなく、そこに東工大や海洋大、NTTやSONY、トヨタなどの技術系大手企業も集積していて、アカデミアと企業とスタートアップの連携がうまく選ばれれは、一気に広がる可能性を秘めていると思います。例えば、そこにはかつての「ジュリアナ東京」があったりもして、そこが新しくクリエーターの聖地として甦れば、面白い物語ができると思います。

湾岸という環境が「ものづくり」を中心としたクリエイティブな人材が好むような環境になっているだけでなく、そこを訪れた人も街を歩く中で、様々な面白いものづくり屋や未来実験に出会えば、自然とそのカルチャーに飲み込まれていくかと思います。

例えば水上ドローンが川の上を自由に動き回っていて、移動から新しい水上エンタメまで見れたり

湾岸の難点は交通の便が悪いことですが、この芝浦・天王洲地区は実は品川、田町から徒歩圏内であり、更に上記の東京B-LINEができれば海からもアクセスが確立され、一気に化ける地区になるかと思います。

東京G-LINE構想

都心回帰と言われ、都心の人口が増えていますが、実は大半は湾岸沿いに集積していて、肝心な都心のど真ん中にはあまり住宅がありません。それはやはり都心があまり人々が住みたいような環境が足りていないのではないでしょうか?東京には緑がいっぱいあると言われますが、都心において実は人がアクセスできる緑はある程度限られています。そこで、都心のど真ん中に全長14.7kmの緑のループが出来上がったら如何でしょうか?

東京G-LINE構想
東京GーLINE構想
地下トンネルだって世界初の地下庭園を人工日光で創ってしまえばいい
街を分断する高速道路が人々が集まりたくなる結節点になる。

こんな環境が東京のど真ん中にできたらどうですか?東京のイメージが一掃されるのではないでしょうか?ここであれば緑溢れる環境で子供達が自由に走り回れる。こんな都市なら子育てしてみたくなりませんか?

この東京G-LINE構想、半分はこのような公園環境ですが、もう半分は未来のモビリティのイノベーション特区にすることを考えています。富士山の麓まで行かずとも、都心のど真ん中でパーソナルモビリティから自動運転まで様々なモビリティの実験がし放題となれば、世界中からMaaS周りのスタートアップが一気に集結するのではないでしょうか?そうすれば新しい産業の創出とともに、東京が一気に国際都市として生まれ変わるきっかけにも十分なり得るかと思います。

実は東京ではKK線という銀座の縁を走る民間の運営する高速道路がありますが、そこが今後車を止めて公園になることが決定されていまして、正に東京の新しい付加価値が生まれようとしています!

2023年に行われたKK線を歩行者に解放する社会実験の様子。2024年も開催されました。
https://sotonoba.place/ginzaskywalk2023

多摩クリエイティブデストリクト構想

多摩市はこれまで都心で働く人々のベッドタウンという位置付けでしたが、働き方が多様化する今、これだけ自然に囲まれている環境は働く場所、特にクリエーターにとっては特に好まれる環境になると思います。

最近アメリカ発展の原動力の一つになっているのがテキサス州の小さな街オースティンです。大自然に囲まれ、身近にハイキングや湖での遊びができるような環境でありつつも、そこに今TeslaやGAFAが次々とオフィスキャンパスを展開してきています。これまで基本的に大学街としてテキサス大学オースティン校などの優秀な大学の集積が中心でしたが、昔からCity Limitsという街中が音楽イベントの会場になったり、SXSWという世界中のクリエーターが集まる国際イベントが開かれたりしており、そういったクリエーターをそそるようなカルチャーがそこには根付いていました。そのカルチャーと自然環境に引っ張られて様々なクリエイティブ系の企業が集積し、「シリコンバレー」に対して「シリコンヒルズ」と言われたりもするようになってきています。

街中ががSXSWの会場になる賑わい。(写真の引用は以下のウェブサイトから)
https://www.rollingstone.com/music/music-news/sxsw-in-person-march-2022-covid-19-1145774/
少し離れると大自然が広がっているという世界観(写真の引用は以下のウェブサイトから)
https://www.tripsavvy.com/top-outdoors-attractions-in-austin-texas-4177104

もう一つの仕掛けとしては、住宅やオフィスなどの賃料が安いということに加えて州税や市税がないことがあります。アメリカの場合は基本、市税、州税、連邦税と3つ払わないといけないのですが、テキサス州は石油で潤っているために、その市税と州税を払わなくていいということが、かなりのインセンティブになっています。

多摩市も住宅地としての姿から、クリエイティブ系のオフィスキャンパス地として位置付け直すことによって、大きなポテンシャルを生み出すことができるかと思います。それは再開発をして高層ビルのオフィスタワーをつくるのではなく、例えば既存の団地をオフィスキャンパスとしてリノベーションする方が、都心にはない独特な働く環境を形成することができ、それぞれの棟の間を歩かせることにより、様々なコラボレーションを生みやすくすることができるかと思います。

そして、そこでSXSWのような国際クリエーターカンファレンスを開き、多摩市全体が会場になる、もしくは街全体がライブ会場になるような音楽イベントを開くといった環境が整備できれば、オースティンのようなクリエーターの街として生まれ変わることができると思います。ビジネスカンファレンスも音楽イベントも、どこに行っても同じような巨大コンベンションセンターに詰め込まれるところを、一つ一つは小さくとも街中全体が会場になることにより、自然に人が街中を歩き回り様々な相乗効果を生み出す、そんな独創的な環境を創出できるかと思います。多摩市内にある多数の公園をうまく利用して屋外コンサートも同時に開くことができれば、行くだけでワクワクする街が出来上がるかと思います。

そして、そこに次世代のGAFAMを誘致してくるためにも、多摩市にオフィスを構えるインセンティブをこれまで以上に思い切って設けることができれば、その大きな変革のうねりを創り出せるかと思います。この動きを上手く仕掛けていくことができれば、23区に全ての経済を集積させるのではなく、23区とそれ以外の2拠点に経済の中心を設けることができ、より強く魅力的な東京ができるかと思います。このことは東京の活性化だけでなく、地方創生のモデルケースにもなり得るかと思います。

東京はポテンシャルの塊

ここでは一部だけのダイジェストを書きましたが、実際には新宿御苑周りはエリアごとコンバージョンして、ニューヨークのセントラルパーク沿いの高級住宅街になり得るとか、公園を時間制で学校の校庭として併用できるようにすることによって学校建設がやりやすくなるなど、細かい話は他にも色々ありますが、ポイントとしては、とにかく都知事には「ワクワク」して頂いて、都民を国民をみんな「ワクワク」させながら、それを実現していく、そういったポジティブパワーに満ち溢れた人に牽引していって頂きたいと思っています。是非みんなでワクワクしながら未来を築き上げていきたいと思います!

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