元美容師のたまごが、熱中する飲食ビジネス。
株式会社NFI 代表取締役 中谷俊文氏
美容専門学校卒。卒業後は、美容師ではなく、畑違いの飲食の道に進む。就職したのは、FI(フロンティアイノベーションズ)。現会長の下、飲食ビジネスに目覚め、事業拡大に貢献。2014年、NFI(ネクストファクトリーイノベーション)の社長に就任。2023年現在、大阪市内の主要なロケーション下で、自社ブランド「ニューツルマツ」をはじめ、3ブランド、8店舗を展開している。
スポーツ少年時代。
小学校の頃は剣道、野球、ソフトボールの三刀流。剣道では、大会で優勝している。そんなスポーツ少年が、今回ご登場いただいたNFIの中谷さん。大阪府八尾市の出身。2人兄妹で、3歳下に妹がいる。
「剣道は6年生までつづけましたが、陸上をやっていた親父の影響もあって、中学からは陸上部に入り、長距離ランナーに転向します」。
運動神経に恵まれていたんだろう。サッカー部の顧問から誘われたこともある。「休み時間に長距離は走れないんで(笑)。暇があればサッカーをやっていたんです。それを観て、顧問の先生が誘って下さったようです」。
<それで、高校からサッカーですか?>
「そうですね。多少は影響しているんでしょう(笑)。とにかく、高校からはサッカーを始めます」。
高校は、体育学科がある高校に進んでいる。
「体育学科っていうんで、期待していたんですが、特別、何かがあったわけじゃなくて。体育の授業が多少、多かっただけで(笑)」。
高校時代を総括すると、部活とバイトと、ほんの少しの夜遊びと。
「最初のアルバイトは、叔母がパートをしていたガスト。あとは、地元のお寿司屋さんだったり、カニ料理のお店だったり。オーナーやバイトの先輩たちにも可愛がってもらいました。今、振り返ると、人に恵まれていたように思いますね」。
「アルバイト代ですか? アルバイト代は…クラブで遊んだり、洋服を買ったり(笑)」。
ファッション、そして、それ以外にも色々と、目覚めていく。
美容師のたまご、飲食へ進む。
「高校を卒業して、美容師の専門学校に進みます。夜間の学校です」。
日中は、美容室でアルバイト。夕方学校に行き、授業を聞いたあと、ふたたび美容室でアルバイトをする。「1日中、美容と葛藤しているからほかの生徒より実習もできて…。できる奴だと思い込んで。やらかしたっていうか、舐めちゃって、授業もちゃんと聞かなくなってしまいます」。
2年制だったので、学校には通い、美容師の免許も取ったが、アルバイトは4ヵ月程度で辞め、美容以外のアルバイトを始めるようになる。
「これが一つの転機ですね。ちゃんと2年は通いましたが、もう少し真面目に取り組んでいたら、人生、かわっていたんちゃうかな。もっとも、そのおかげで、FI(フロンティアイノベーションズ)に出会うことができたわけですから、それはそれでよかったんですが」。
なんでもできる中谷さんのことだ。美容師として進んで、カリスマと言われるようになっていたかもしれない。とにかく、美容師のたまごは孵化することなく、終わる。
<ところで、FIというのは?>
「NFIの親会社です」。
<たしかに、Nがあるかないかのちがいですね?>
「そうなんです。FIに、中谷の頭文字のNをつけて、NFI。もちろん中谷ファクトリーイノベーションじゃなく、ネクストファクトリーイノベーションです(笑)。2014年にNFIを立ち上げていますから、私が、32歳の時です」。
<FIに就職したのは、美容師の専門学校を卒業してですよね?>
「そうです。今、思うと、よう、あんな若造を採用してくれたもんやな、と、当時の社長、今の会長には感謝しきりです。人に恵まれていると言いましたが、その代表がうちの会長ですね」。
入社当時は、叱られるようなことを何度もやらかしたが、会長は、中谷さんを高く評価されていたのだろう。中谷さんは、20歳、入社8ヵ月で店長にも抜擢されている。
子会社、社長に就任。
「仕事は当時のことですから、かなりハードでした。15時~27時まで。その分、給料も悪くはなかったです。もっとも、いろんな店を食べ歩きますから、それなりのコストもかかります。ただ、食べ歩くことで、気づきも多く、参考にさせていただくことも少なくありません。マーケティングリサーチは、飲食にとっても大事なことだと思っています。もちろん、今もつづけています」。
<独立志向はなかったんですか?>
「独立は頭になかったですね。 FIに入社したのも、じつは、知り合いに勧められて、『ヒゲを剃らんでいいし』くらいの理由で。ほかの社長さんがおっしゃっているような立派なモチベーションはありません。何もかもゼロからのスタートです(笑)。ただ、そんなええ加減なやつを評価して、育ててもらって。飲食も、立派に好きになりました。だからだと思いますが、社長(現会長)の影響が大きく、いっしょにFIを大きくしたいという思いだけで、突っ走ってきたって感じです」。
<子会社の社長になると言うプランもなかった?>
「そうですね。『子会社をつくるから代表をしろ』って言われたのが、2014年。『まる勝 寺田町店』が最初の店です」。
「FIって会社はほかの外食企業さんと関わることが少なく、鎖国的な武闘派集団ってイメージだったんです。私自身もそうだったんですが。じつは、あることで知り合った同い年の経営者7人と会をつくって、今ではいろんな情報を共有しています」。
会の名称は「五十六(いそろく)会」。
「自然発生的にスタートしました。年齢もおなじですし、全員、飲食の経営者ですから、素直にいいことも悪いことも共有しやすいです」。
目指せ、外食アワード。
現在、中谷さん率いるNFIは、寿司と天ぷらの「ニューツルマツ」をはじめとした「ニューツルマツ」ブランドを6店舗、「丸勝 十三店」、「日本酒センター富士」、「みやび 阿倍野店」各1店舗を、大阪市内の主要なロケーションに展開している。いずれも大衆目線の、気軽に立ち寄りたくなる素敵なお店だ。
現在は、大阪市内が中心だが、じつは、中谷さん、「今は、関東への進出を模索している」と言う。お話を聞いていると、関東にも知り合いの経営者が少なくない。鎖国時代から、開国して、ネットワークを急拡大した証だろう。
「主要ブランドのニューツルマツを東京で展開していこうと思っています。目標は外食アワード。今、目指しているのは、これです」。
改めて、外食アワードを確認すると、2004年からスタートし、毎年、錚々たる企業が受賞している。この「飲食の戦士たち」にご登場いただいた経営者も多く、受賞をともに喜んだ記憶も少なくない。中谷さんには、ぜひ、関西仕込みの「旨い、安い」のスタイルで、関東にも旋風を巻き起こして欲しい受賞された際には、花束を持って駆けつけたいと思う。
ちなみに、「ニューツルマツ」を検索していると素敵なキャッチフレーズに目が止まった。
そのキャッチフレーズは、心斎橋ネオン食堂街内にある「地下酒場スタンド ニューツルマツ3」に掲げられている。
「天ぷらと恋は熱々に限る」。
ちなみに、「職人が握るお寿司と、揚げたてサクサクの天ぷらが100円(税抜)」とのこと。関東人からすれば、大阪だけに止めておくのはもったいない。
熱々の今こそ、関東へ。中谷さん、期待していますよ。
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