猪瀬直樹

作家

猪瀬直樹

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最近の記事

否定からは何も生まれない。大阪万博批判の思想こそ「失われた30年」の元凶なのだ。

 大阪万博に否定的な言説を振りまくのが知識人の資格だと勘違いしている、そういうムード的な意見がネットで散見される。少し調べればわかることなのに何も調べずに騒いでいるようだ。  曰く、大阪万博のおかげで能登復興が遅れてしまう。  ファクトベースで考えればそれは言いがかりに過ぎない。  日本全国の建築工事発注は年間70兆円である。能登の復興は2.6兆円と見積もられている。万博の会場建設費は2350億円、民間パビリオン等の建設は1024億円、合計3500億円に過ぎず、能登復興を遅ら

    •  珠洲市長の「倒壊家屋撤去まで12年」という不安に誠意をもって答える必要がある。

       2月2日付けの共同通信は「『倒壊家屋撤去に12年』珠洲市長、国に支援訴え」の見出しで、こういう記事を書いている。 「石川県珠洲市の泉谷満寿裕市長は2日、オンライン出席した能登半島地震の県災害対策本部の会合で『倒壊家屋の解体撤去を全て終えるのに12年ほどかかる』と述べた。人口流出を危惧しているとして『不可能を可能にするのが政治。できれば2年で終えられないか』と、国を挙げての財政援助や人的支援を求めた」  そこで僕は「記事を書いた共同通信は、記事を書きっぱなしでなく、珠洲市長

      • フランス人監督「ONODA 一万夜を越えて」を3連休にお薦めします!

        皆さん、知っているだろうか?  フィリピンのルバング島のジャングルに30年間も潜伏していた小野田少尉のことを。終戦の1年前に、「玉砕してはならぬ。ゲリラ戦を展開せよ」との秘密指令を受け渡島した。現地部隊はほとんど死んだが、小野田少尉は残存部隊を指揮してジャングルの奥に潜んだ。数年後、仲間は4人に減り、そのうちの1人が投降した結果、終戦後に小野田たちの存在が知られたが、呼びかけに応じることはなかった。そのままその存在は日本では忘れられていたが、現地民は食糧や家畜を奪いに来る強

        •  岸田総理・施政方針演説は美辞麗句のオンパレード? 「こども・子育て政策」はほんとうに大丈夫か⁉︎

           1月30日に行われた岸田総理の施政方針演説を国会で聴いていて、あれ、おかしいな、と思ったところを(いっぱいあるが)一つ指摘する。  以下の部分。 「前例のない規模でこども・子育て政策の抜本的な強化を図ることにより、我が国のこども一人当たりの家族関係支出は、GDP比で16%とOECDトップのスウェーデンに達する水準となり、画期的に前進します」  ちょっと待てよ⁈  日本の一人当たりの教育費はOECDで最下位クラスではなかったのか? にもかかわらず「家族関係支出」という耳慣れな

        否定からは何も生まれない。大阪万博批判の思想こそ「失われた30年」の元凶なのだ。

        •  珠洲市長の「倒壊家屋撤去まで12年」という不安に誠意をもって答える必要がある。

        • フランス人監督「ONODA 一万夜を越えて」を3連休にお薦めします!

        •  岸田総理・施政方針演説は美辞麗句のオンパレード? 「こども・子育て政策」はほんとうに大丈夫か⁉︎

          マチスがタヒチで向き合った青という色の宇宙。77歳で閃いたあの作品。

          「果てしなき絶景ーマチスの旅」を深夜のBS1でやってました。マチスは50代半ば、気持ちが疲れていてタヒチへ向かいます。青い海のあまりにも鮮やかな青さに癒されます。タヒチで向き合った青という色に宇宙そのものを感じます。 しかしタヒチから南仏へ戻ってもタヒチの青から次の創作のモチベーションは浮かばないまま15年が過ぎます。70歳で病院のベッドから起き上がれません。ベッドで鳥の形などの切り絵をつくったりしていた。長いベッド生活。77歳(喜寿!)になってふとベッドから見える壁のシミが

          マチスがタヒチで向き合った青という色の宇宙。77歳で閃いたあの作品。

          「うーやん🟰桐島」は過去からの逃亡者。「パーフェクトデイズ」に重なる世界。

          「うーやん」の日常もまた「パーフェクトデイズ」だったのでしょう。テレビもない粗末な陋屋に住み、肉体労働をした服は毎日洗い、弁当も毎日つくる。たまにバーでビールを飲み、ロックがかかるとイェイイェイと踊る。土建会社に住み込みで40年というから、ひたすら繰り返す日常は変化なく揺るぎないもので、警察からの逃亡というより自身の過去の過ちからの逃亡であったのだろう。映画「パーフェクトデイズ」の主人公も過去の世界からの逃亡者であったように。  なお桐島にかけられている容疑は韓国産業経済研

          「うーやん🟰桐島」は過去からの逃亡者。「パーフェクトデイズ」に重なる世界。

          「パーフェクトデイズ」の心地よさ、「万引き家族」の後味の悪さ、ディテールのユーモアの差にある。

          明日から通常国会が始まりますが、前日の今日1月25日木曜日、話題の「パーフェクトデイズ」を蜷川有紀といっしょに日比谷シャンテに観に行きました。  役所広司主演、ヴィム・ヴェンダース監督による「PERFECT DAYS」はすでにカンヌ映画祭で最優秀男優賞を受賞しているが、今度、アカデミー賞の国際長編映画部門にノミネートされたし、評判もよいので自分の眼で確かめておきたいと思ったのです。  賞をとって評判がよくても僕には関心できない、例えば「万引き家族」のような作品もあるからです。

          「パーフェクトデイズ」の心地よさ、「万引き家族」の後味の悪さ、ディテールのユーモアの差にある。

           石が浮かんで木の葉が沈む!不当判決も酷いが、さらに酷いのが共同通信の見出しだ!

          【12/15共同通信配信記事について】 https://nordot.app/1108324916582924638?c=768367547562557440&fbclid=IwAR1YzKSbre2X4S_g0nvnbgnLxzylj4aLZFu4WX7dr9m8iFQhl1FbmQJjf9c 共同通信の見出しは原告があたかもセクハラをしたかのような事実誤認を意図的に誘発する、悪意に満ちたものである。 裁判所が判決文で事実認定したのは、(P9 15行目)  原告が女性の

           石が浮かんで木の葉が沈む!不当判決も酷いが、さらに酷いのが共同通信の見出しだ!

           南海トラフ地震や富士山噴火を煽る言説は信用するな。調査報道『南海トラフ地震の真実』(小沢慧一著)を推奨する。

           12月1日金曜日、17時から菊地寛賞の受賞式があり、これは終わりごろにちょっと顔を出すだけ、18時からの文藝春秋の忘年パーティーに行くのが目的だ。毎年、ホテルオークラのいちばん広い宴会場に1000人近い業界人が集まる。1年に1回しか会わないような人ってけっこう多いから僕はこのパーティーにはなるべく出るようにしているのだ。  人生ではちょっとした偶然,ということがよくある。菊地寛賞後の忘年パーティーはいつも遅れて行くことが多かった。今日はたまたま議員会館を早めに出ることができ

           南海トラフ地震や富士山噴火を煽る言説は信用するな。調査報道『南海トラフ地震の真実』(小沢慧一著)を推奨する。

           シェイクスピアの喜劇『尺には尺を』の観劇、そしてSNSでデマを流す低級な人びと。

           新国立劇場でシェイクスピアの喜劇『尺には尺を』を観ました。  すると僕の観劇態度が悪いとSNSでデマを流す人たちが現れました。そのデマを流した人物はその日、その場に居合わせたわけではないのに,僕がお菓子をポリポリ食べていたとか、足を投げ出していたとか、事実無根の悪口雑言で罵っているのでした。またラサール石井という何をやっているのかわからないがとりあえず名前だけは知っている男が、この悪口雑言に乗じて、やからみたいな服装で歩き回っていた、とわけのわからない悪口を書いている。僕は

           シェイクスピアの喜劇『尺には尺を』の観劇、そしてSNSでデマを流す低級な人びと。

          ガザ地区の病院爆破は情報戦の様相を呈しているが、BBCの検証報道が真相に迫っている。

          ◎病院爆破の真相について、イスラエルの見解はハマスとは別のイスラム聖戦という組織がロケット弾の発射に失敗し途中で軌道を外れて落下したというもので、ハマスの主張に較べ信憑性が高いと思われる。  しかしそれを第三者が証明しなければいけない、それがジャーナリズムの役割で、いまのところその試みに挑戦して独走しているのがBBCで、その現地取材および分析では最終結論までには至っていないとしても、さすがだと思うのでここに掲載します。 https://www.bbc.com/news/wo

          ガザ地区の病院爆破は情報戦の様相を呈しているが、BBCの検証報道が真相に迫っている。

          ガザ地区の病院爆破は情報戦の様相を呈しているが、BBCの検証報道が真相に迫っている。

          ◎病院爆破の真相について、イスラエルの見解はハマスとは別のイスラム聖戦という組織がロケット弾の発射に失敗し途中で軌道を外れて落下したというもので、ハマスの主張に較べ信憑性が高いと思われる。  しかしそれを第三者が証明しなければいけない、それがジャーナリズムの役割で、いまのところその試みに挑戦して独走しているのがBBCで、その現地取材および分析では最終結論までには至っていないとしても、さすがだと思うのでここに掲載します。 https://www.bbc.com/news/wo

          ガザ地区の病院爆破は情報戦の様相を呈しているが、BBCの検証報道が真相に迫っている。

          ガザ地区の病院爆破は情報戦の様相を呈しているが、BBCの検証報道が真相に迫っている。

          ◎病院爆破の真相について、イスラエルの見解はハマスとは別のイスラム聖戦という組織がロケット弾の発射に失敗し途中で軌道を外れて落下したというもので、ハマスの主張に較べ信憑性が高いと思われる。  しかしそれを第三者が証明しなければいけない、それがジャーナリズムの役割で、いまのところその試みに挑戦して独走しているのがBBCで、その現地取材および分析では最終結論までには至っていないとしても、さすがだと思うのでここに掲載します。 https://www.bbc.com/news/wo

          ガザ地区の病院爆破は情報戦の様相を呈しているが、BBCの検証報道が真相に迫っている。

          メディアがフェイクを見破れずして、この国は守れない。

           ◎中央公論10月号(9月10日発売)のインタビューの全文を載せます。現在、11月号がすでに発売されているので編集部の了解を得て掲載させていただきます。  ウクライナ戦争における誤情報・偽情報だけでなく、パレスチナ・イスラエル紛争においてもフェイクが溢れています。  このインタビューはこうした情報戦に対してふだんからどんな心構えでいるべきか説いています。  そしてまず僕自身の身に降りかかった例、都知事辞任におけるTVの誤った独走、参院選の一方的なセクハラ疑惑におけるネットと

          メディアがフェイクを見破れずして、この国は守れない。

          思想史の盟友・竹内整一君(東大名誉教授)の死を悼む 

          「さようなら」という言葉は、本来なら「さようであるならば」である。英語のgoodbyeとはそもそも違う。いったん心は立ち止まっており、「そうならなければならないなら」というある種の諦念、相手側を慮る美しい心意が込められている。  というような日本人の無常感などをテーマに著書を幾冊も書いている竹内整一東大名誉教授が2週間ほど前に亡くなった。  じつは竹内は長野高校の同級生でもあり、また東大大学院の客員教授に僕を招聘し、2000年から09年まで月1回は赤門前の居酒屋で大学院生を交

          思想史の盟友・竹内整一君(東大名誉教授)の死を悼む 

           日本のマスメディアは取り上げないがジャパンタイムズはきちんと書いている。

           以下にジャパンタイムズ4月21日付の記事を掲載します。  ガブリエル君はイタリアのジェノヴァ出身  9月27日に参議院会館513号室に久しぶりに来訪  手元に『太陽の男 石原慎太郎伝』(中央公論新  社)  写真  【Japan Times掲載記事 機械翻訳】 タイトル:日本がウクライナに武器を送ることを妨げているのは何でしょうか? ガブリエレ・ニニヴァッジ    スタッフライター 2023 年 4 月 11 日 日本は主要7カ国(G7)の中でウクライナに

           日本のマスメディアは取り上げないがジャパンタイムズはきちんと書いている。