マチスがタヒチで向き合った青という色の宇宙。77歳で閃いたあの作品。

「果てしなき絶景ーマチスの旅」を深夜のBS1でやってました。マチスは50代半ば、気持ちが疲れていてタヒチへ向かいます。青い海のあまりにも鮮やかな青さに癒されます。タヒチで向き合った青という色に宇宙そのものを感じます。
しかしタヒチから南仏へ戻ってもタヒチの青から次の創作のモチベーションは浮かばないまま15年が過ぎます。70歳で病院のベッドから起き上がれません。ベッドで鳥の形などの切り絵をつくったりしていた。長いベッド生活。77歳(喜寿!)になってふとベッドから見える壁のシミが気になって鳥の切り絵をその壁のシミに被せようとした瞬間、あのタヒチの青が湧き出して来た。
それが西麻布の猪瀬事務所のあの絵(写真)なのです。
その後,南仏の教会のステンドグラスもデザインします。陽光がステンドグラスを通して室内に柔らかな青い光が満ちる、そういう仕掛け,というか教会全体がタヒチで感じた青を基調とした作品になっているのです。

左・蜷川有紀 『Androgynous-諧謔-』
右・彫刻の森美術館で購入したマチスの複製画
暖炉のある地下室は、砂浜に打ち寄せる波をイメージしたグレーとブルーのタイルを敷き詰めてあります。

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