万博は野放図がいい。落合陽一君たちが好き勝手に突き抜けちゃえばいいのだ。

今日は日帰り出張で万博視察でした。いま帰りの新幹線車中でこれを書いています。

 新大阪からタクシーで高速利用で30分、大阪府咲洲庁舎に集合、維新の国会議員参加40人のための企画です。そこから貸切バスで10分、海底トンネルを抜けて万博会場の夢洲へ。
 バスは建設中の大屋根リングに着いて、ヘルメットを配られ、細い足場階段を登ります。12メートル、3階分です。リングは段差があり、外側は高さ20メートル、内側が12メートル。1周すると2kmになるからランニングできるな。いま6割が完成している。

 ここからが問題。12メートルだから建設中の万博のパビリオンの工事の風景がよく見える。万博協会のトップ・石毛事務総長から説明を受ける。
 僕は、「あそこの亀の甲羅のように見える屋根の建物を近くで見たい」と言うと、「工事中ですので、できません」の一点張り。役人は融通が利かない。
「東京から往復6時間を費やして来ているのに、このリングに登っておしまいなんて何考えてんだ!」と少し怒ってみせた。その結果、工事現場を避けながらバスで会場を一周できました。写真etc

 この石毛さんという人、経済産業省経済産業審議官(事務次官と同格)の後,ジェトロ理事長、そして万博協会事務総長に収まった。無難なエリート役人ですね。
 ただ万博は世界150カ国が参加する。そういう交渉を担うには大阪府・市ではできない。やはり経産省の組織力がものをいうので、石毛事務総長が誕生したようです。
 そもそも2018年11月にパリ(辞退)とロシアのエカテリンブルクとアゼルバイジャンのバクーが立候補し、大阪に決まったわけだが、根回しに経産省の力を借りなければならなかった。言い出しっぺの堺屋太一(誘致決定の3カ月後、力尽きて83歳没)も経産OBだしね。天下りだからと全否定するわけにいかない事情もある。

 なお2030年万博は、ロシアのモスクワもウクライナのオデーサも候補だったが戦争中で失格となり、韓国の釜山、イタリアのローマ、サウジアラビアのリヤドが争い、昨年11月、リヤド圧勝で決まった。

 事務総長にリーダーシップがないから、かえって自由な感じでプロデューサーが決まったよさもあるのではないか。写真、
 落合陽一君たちが好き勝手に走っちゃえばいいのだ! そのあたり東浩紀君は意外にステレオタイプの批判のような気がする。何でもアリで野放図で逆説、それしか所詮、未来なんて見えない。そもそも万博っていう祝祭空間は19世紀からそんな歴史だったように思われる。

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