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不合理を貫くための、ブランドコンセプト

ブランディングの目的は、好きになってもらうこと。
マーケティングの目的は、売ること。

だと言われています。
それでは、ブランドコンセプトとはなにか?

・価値の設計図
・ブランドの価値を分かりやすく言語化したもの
・ブランドを通して他にはない価値を明確にするもの
・世の中に提供できる独自の価値を約束したもの

などなど、いろいろ言われています。
人によっていろいろな考え方があり、正解はないのでここでは

独自のブランド価値を一言で表現したもの。

と定義しておきます。

ブランドコンセプトの独自性

ブランドコンセプトは会社のミッション・ビジョン・バリューなどと明確に異なる点があります。

それは「顧客視点」で書かれているという点です。

ミッションやビジョンはあくまで会社がある意義とか目指す未来などを言語化したものです。どちらかというと、社内向けです。

しかし、最初に「ブランディングの目的は、好きになってもらうこと」と書いた通り、ブランドコンセプトはなぜあなたのブランドを好きになってもらうのか?の理由を定義しないといけません。

例えば
・スターバックスのブランドコンセプト「サードプレイス(第3の場所)」
・ユニクロのブランドコンセプト「LifeWear」

などはどれも顧客視点で語られています。

ブランドコンセプトがなぜ必要なのか

ブランドコンセプトが必要な理由でよく言われているのは

あらゆる企業活動に一貫性を持たせるため。

です。
ただこれだと説明として不十分です。
私が考えるブランドコンセプトが必要な理由は

会社の独自の価値である不合理を貫くため。

です。

例えば、先ほどのスターバックスは「フランチャイズ」ではなく「直営店方式」で店舗を経営しています。
直営店方式よりもフランチャイズの方が店舗を一気に増やしやすいし安価です。しかし、直営店方式の方が本部の方針をダイレクトに伝えられるため、経営上の細かい配慮や環境変化への対応が行えます。
スターバックスがサードプレイスというブランディングを実現させるためには「直営店方式」があっています。

しかし、短期的な売り上げの視点でみればとてつもなく不合理に見えるため株主から反対されたり、頭の良い社員が一定数以上入社した時に改革案として議論に上がることが良くあります。

また、ユニクロは洋服に興味がない人をターゲットにしています。これだけで大分不合理に見えます。
数万人の社員がいる中で、「洋服に興味がある層に高価でかっこいい服を作りませか?」と提案する人が必ず現れます。しかしそれを実行してしまうと、他のファッションブランドとの差別化が失われます。
だからこそ、「LifeWear」というブランドコンセプトを通すことで、機能性を追求した普段着を一貫して提供できているのです。

差別化は不合理から生まれる

スターバックスやユニクロのブランドコンセプトが有名なのは、この不合理を突き通すためにブランドコンセプトを活用できているからです。

会社が社員数人しかいないフェーズでは言語化していなくても、社員全員が会社のブランド価値を理解しています。しかし社員が50人や100人を超えると、多くの頭のいい人が合理的に考えるようになります。

最初は独自の価値を提供していた会社が、成長すると普通の会社になってしまうのはこのためです。

さいごに

不合理は「蝋燭の火」のようなものです。
とても儚く消えやすい。

誰に何を言われても、成長して社員が増えても
不合理の火を消さないために、
早いうちからブランドコンセプトを作って
不合理である独自の価値を守り続けましょう。

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