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アンマchan
2021年11月26日 17:30
「たま」の映像詩集、ではない。「たまの」映像詩集だ。岡山県玉野市を舞台とした、映画『たまの映像詩集「渚のバイセコー」』(蔦哲一朗監督、2021年。以下、本作)は、「映像詩集」と銘打っているとおり、表題作を含む3つの短編から構成されている。各短編約20分、合計60分の本作は、ある意味”超前衛的実験映画”だった。お笑い芸能事務所最大手の吉本興業が、『玉野市とタッグを組んで』手がけた本作が”
2021年11月23日 10:01
2021年のカンヌ国際映画祭の脚本賞受賞のニュースで知って映画『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督、2021年。以下、本作)を観た人の中には、「何も起こらない」展開に戸惑った人も多いのではないだろうか。いや、「何も起こらない」わけではない。自分が不在の家に(愛し合っているはずの)妻が他の男を引き入れている現場を見てしまう、その妻が何かを告げようとしていた日に急死する、妻が引き入れていた男が
2021年11月15日 21:03
『これも愛 あれも愛 たぶん愛 きっと愛』そう歌ったのは松坂慶子(『愛の水中花』(五木寛之作詞)、1979年)だが、『愛なのに』(2022年2月公開予定)を観ながら、つくづく、世の中には様々な「愛」があるものだと思ったのだ。"L/R15"は、映画監督の城定秀夫氏と今泉力哉氏が、お互いの書いた脚本を監督し、R15指定の映画を作るという企画で、2022年2月に城定監督作品『愛なのに』(今泉力哉
2021年11月14日 08:30
21世紀に入る前後から、カメラ付き携帯電話やスマートフォンの普及で写真を撮るのが日常的な行為になった。特別な事がなくても、たとえば、日常でふと目にした風景、食べたもの、買ったもの、出会った人…などなど、気軽に撮影できるようになった。また、撮影される側になっても「撮られるのも日常」とばかりに、意図的でない限り、畏(かしこ)まったポーズを取ることも少なくなった。しかし、自分ではあまり撮ろうとは思
2021年11月10日 17:34
「美術手帖」2022年1月21日配信記事によると、本作が『第51回ロッテルダム国際映画祭の短・中編部門に公式選出された』とのこと。同記事によると、ロッテルダム国際映画祭は、『約30万人が来場する世界最大規模の映画祭で、ヨーロッパではカンヌ、ヴェネツィア、ベルリンと並び世界でもっとも重要な映画祭のひとつである』。2021年11月6日。渋谷に向かう山手線の車内ディスプレイに「グレタ・トゥンベリさ
2021年11月8日 20:04
「明けない夜はない」スクリーンいっぱいに映し出された「東雲色の空」を観ながら、この使い古された言葉が、全くの真理だということに改めて気づいた。「日常」に埋没し、惰性で生きるのは全く悪くない。誰にとっての人生もそういうものだ、と言われれば、確かにそうなのかもしれない。夢が叶えられなかった者は、「日常」を生きているうちに、諦めた夢を思い出すこともなくなり、諦観とともに「この人生も悪くないじ