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【毒親連載小説#61】オーストラリア編 9〜中庸への道〜

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しかし、
人生の振り子というのは
正確すぎるほど正確で、
私は妊娠中の「幸福感」から
出産を境に、子育てという
「地獄」へと一気に揺り戻された。

経験したことのない
身体的・精神的危機的状況。

私は人生最大の危機を迎えていた。

出産後のホルモンバランスの
急激な変化による情緒不安定。

眠れない。
食べれない。
母乳が出ない。

という身体的苦痛と悪循環。

オーストラリアでは
母乳第一で考えている国で、
私はそんな無言のプレッシャーに
すっかり取り憑かれてしまい、
母乳を出そうと必死だった。

しかし、
必死になればなるほど
空回りするかのように
母乳は一向に出てはくれない…。

私はとにかく毎日焦っていた。

初めての子育てという
大きなプレッシャー。

母親になった瞬間に、
突然、私にのしかかる重い責任…。

海外で言葉もままならず、
一人だけの孤独な子育て…。

つらかろうがなんだろうが
待ったなしの逃げ道のない
子育て…。

そして、
何よりもつらかったことがあった。

それは唯一の心の拠り所だと
思っていたパートナーの
私への無関心な態度だった。

妊娠の時から私はずっと
体を張って頑張って来た。

何十本も注射を打ちながら
血液検査もして、
身も心も尽くして
やっとの思いで出産をした。

海外で子育てをこんなに
必死でやっているというのに、
なんであなたは私を
助けてくれないのよ!!

なんで私の気持ちは無視するの??

なんで私をないがしろにして、
子供にばっかり目を向けるの?

なんで私をこんなに粗末に扱うの?

なんで私を助けてくれないの?

なんで私だけが一人で
こき使われなきゃならないの???

なんで私は身内も友達もいなくて
つらいのにあなたは私が必要とする
サポートをしてくれないの??

なんで????
なんで????
ねぇ、なんで??????

私の頭の中は「なんで?」
という言葉で埋め尽くされていて、
気づいたら旦那はもはや
私を脅かす敵にしか見えなかった。

私はだんだんと心も体も魂も
バラバラになっていくようだった。

(つづく)

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