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「音声 x HR」を3年間やってみた結果

はじめに

この記事はVoicy Advent Calendar 2022の 21日目の記事です。
他の記事も是非お楽しみください!

またこの記事は音声でもお楽しみいただけます!

さて本題。

clubhouse旋風から早3年が経ちましたが、皆様の生活にまだ音声という文化は残っていますか?

SNSとしての音声市場はclubhouseと共に皆様の脳裏から薄れていると思いますが、実はアーカイブの音声市場はここ3年でメキメキと伸びていまして、SpotifyやAmazonは経営重点項目に指定するまでに市場拡大しています。

私が所属している日系ファーストペンギンであるVoicyも、ありがたいことに倍々で成長をしており、7月には27.3億円というBtoCのシリーズBとしては歴史的な金額の調達も行うことができました。

こういった音声市場の盛り上がりの中で、実はVoicyのHRチームが3年間コツコツと検証していたことがあります。

それが音声のHR活用です。

今日はその内容や結果について触れていくことで、音声 x HRの新しい魅力を感じて頂きたいなと思っています。

海外での音声の活用状況

アメリカの背中を追うことばかりが正解ではないですが、リファラル採用やHRテック・OKR・心理的安全性などなど、どうしてもHR領域は米国のトレンドを追う傾向があります。

そこで3年前「音声の会社に転職したし、HRでも使えないかな〜」となんとなく考え始めた僕は、海外の事例を調べることから始めました。

これが調べてみると結構な量あって。
例えばMcKinseyのような戦コンや、IT業界からはMicrosoftやShopify、Johnson & Johnsonのようなヘルスケア企業から、ハイファッションではDIORやCHANEL、自動車メーカーからはBMWやフェラーリまで。

下記一例で、マッキンゼーとShopify・BMW。

出典:Podcast

挙げていけばキリがないのですが、海外では自社のファンを作る際にオウンドメディアとして音声を活用することが一般的であることを知り、またその目的の1つに採用も確実に入っていることを感じました。

日本ではどうなのか?

では日本で既に音声を活用している会社ってあるんだっけ?と思い、ざっと調べてみたところ、まずめちゃくちゃ活用しているのがメルカリさん。

社内のテキストでは伝わり切らない部分を様々な角度から届けており、聞く中で気づいたらファンになってしまうような内容です。

またHR文脈というよりマーケティング文脈が強いですが、クラシコムさんが運営されている番組はPodcast全体でも人気番組だったりします。

他にもリクルートやサイボウズ、ヤッホーブルーイング、講談社、阪急阪神百貨店、SEIKO、サッポロビールなど大手中心に活用は始まっており、スタートアップ界隈でもLayerXさんやカミナシさん・Smart HRさんなどが活用されています。

ただ一通り聞いてみて気づいたのですが、基本的に全社共通していることは、活用方法は「オウンドメディア」であることなんですよね。

音声は狭く深く届くという特徴を持っています。
この特徴を各社上手く活用されていて、テキストで興味喚起し、音声で深く訴求してファン化する、という動線をオウンドメディアで作っているんだな、と。

ただ実はそれであれば既にVoicyもやっていたんです。

採用HPやオウンドメディア、またWantedlyなどの外部媒体から、会社の取り組みや社内インタビューなどのテキストコンテンツで候補者へ接点を持ち、音声チャンネルに繋げ、深く訴求するというファンマーケは、僕が入社する前の2019年くらいからやっていて、確かに一定効果が出ていました。

例:オウンドメディアの社員インタビューから

↓↓↓

例:記事内にある音声コンテンツ

効果が出ているんだからこれの継続だけでもいいかなとも一瞬思いましたが、やはり先人たちと同じことを続けても面白くない

そう思ったHRチームは、企画会議を重ね、今日まで三年間様々なことにチャレンジしてきました。
今日はその中でも効果の大きかった3点をご紹介します。

①声の求人票

最初に採用のカテゴリーでは、求人票を声にすると面白いのでは?という話になりました。いちいち聞かないでしょという意見もありましたが、テキストでは伝わりきらない魅力が、声だと伝わるのではないか?と。

検討した結果、構成は
①メンバーの自己紹介とチームの雰囲気の紹介
②職務内容や組織体制、求める人物像の説明

とし、アトラクトや期待値調整に必要な情報は盛り込みながらも、リスナーにも、制作をする社員へも負荷にならないよう10分程度で届けることを意識して設計しました。

↓↓ 例 ↓↓

結論から言うと、これは想像以上にワークしました。
こちらで詳しく話しているので是非聞いて頂きたいですが

ポイントだけお伝えすると
・採用角度が高い方へは、面接前にアトラクトができる
・カルチャーやスキルにマッチする可能性が低い方が、選考前に辞退される
・面接で聞かれる一般的な質問がこれを聞けば解決されているので、深い部分から質疑応答が始まる

といった点が大きな効果で、選考がとてもスムーズに、質の高いものに変化しました。
その効果は、導入直後は10P以上通過率や歩留まりが改善された程でした。

特に選考前辞退はポジティブなサプライズで、貴重な時間を失わずに済むため、候補者にとっても私たちにとってもいいCXだと思っています。

テキストの求人票は応募前に見られるものですが、声の求人票は一次面接やカジュアル面談前に、日程調整と合わせて送付し聞いてもらう仕立てにし、現在も運用しています。

オウンドメディアの内容と合わせて下記のチャンネルで発信しているので、是非フォローして聞いてみてください!!

②VEX(Voice Employee Experience)

続いてEXのカテゴリーでは、声を活用してエンゲージメントを上げられないか?という軸で、細かい施策を複数出して積極的にトライしていきました。

サマリーとしては
・内定時:声のオファーレター
・入社初日:上司とチームメンバーからWelcomeメッセージ
・表彰時:チームメンバーから受賞に対してのメッセージ
・入社x年Anniversary:経営やメンバーから普段言えない感謝
・退職時:声の寄せ声
・内定式:新卒内定者に向けた経営や上司からの期待のメッセージ
・入社式:入社式で1年後の自分にあてたメンセージを収録し1年後に聞く

など、少し古い記事で網羅できていないですが、詳しくはこちらをどうぞ。

特に数値でも影響が出ていると感じているのは声のオファーレター。
詳細はこちらをご確認いただきたいですが

声のオファーレターを運用しだしてから、内定承諾率は70%を切ったことはなく、弊社が第五希望の候補者の方がこれを聞いて第一希望にひっくり返ったこともあります。

その他の施策も手応えはあり、大きく下がった離職率などに寄与はしていると思いますが、その程度感を数値化することは難しいです。
ただ間違いなく言えることは、社員からの評判はとてもよく、VEXに触れたメンバーはとても嬉しそうであるということ

僕ももらって聞いた時はエンゲージメントが上がりますし、逆に収録するときはなんだかエモい気分になります。
これからも更に様々なものにチャレンジしていく予定です。

③声の社内報

最後に組織開発のカテゴリーでは、社員向けのオウンドメディア=社内報を音声化するとロイヤルティやエンゲージメントが上がるのでは?という話になりました。

HRマーケットではオープン社内報が数年前から流行っていますが、社内報は古くからある組織開発施策の代表例です。
紙からWebになり、その手法も外注から自前で簡単に作れるように変化する中で、活用用途も広がり、改めて注目されていると思っています。

変化があるということは、声の可能性を掛け算しやすいのではないかと思い
・社長日報:経営メッセージを伝える
・社内ラジオ:社員を共通の趣味で結びつける
・MVV浸透:オンボーディングでMVVや行動指針への思いを声で聞く
・wevox:エンゲージメントサーベイの解説やコメント解答
・企画イベント:トークテーマ企画大会やパーソナリティ体験企画

など色々と試してきました。詳しくは以下をご覧ください。

特に効果があったのは社内ラジオで、コロナ禍真っ只中にリモート環境が進む中で、直接会えない社員同士をいい意味で強制的に結びつけ、コミュニケーションを取ってもらい、それを多くの社員が聞くことで、更に自分との共通項の発見に繋がり、コミュニティが増えたり広がったりするというサイクルを作れたことは、本当に助かりました。

ちなみに弊社内での成功事例を横展開する形で、声の社内報はサービス化されています

既にスカイマーク・損保ジャパン・モビリティテクノロジーズ・電通デジタル・京進・武蔵野大学さんなどなど、多くの企業様に導入いただいており、各社からその効果について称賛いただいております。

特にカインズさんは今年のHRの流行語大賞と言っても過言ではない「DIY HR」において、その主軸の1つに音声社内報を置かれており、弊社をご活用いただいております。

ポイントを弊社のCSがまとめているので是非ご活用ください。
そしてご興味があれば是非是非お問合せください笑

といった、長い長い会社PRをさせて頂きました

というのは冗談ですが笑、音声xHRの可能性を少しでも感じて頂けたなら嬉しいです。

そもそも僕自身はただ面白がって始めましたが、ぶっちゃけ音声の力に関しては懐疑的でした。
それがこんなにも効果が出ることや、新しい可能性にチャレンジできるものであったということに触れ、とても驚いています。

音声は動画やテキストの4%程度のコストで、簡単にコンテンツを作れると言われています。

もしこれを読んでご興味をお持ちいただいた方いれば、音質や編集コストを気にしなければ、Voicyを利用しなくてもボイスメッセンジャーで撮るだけなので、是非一度トライしてみてください。

そしてそして

HRをしながら、こんなプロダクト開発みたいなことまで面白がってチャレンジしている会社って、楽しそうじゃないですか?
面白そうですよね?
ね?笑

ご興味をお持ちいただけた方は、まずはカジュアルに話しましょう!
ここに色々まとまっているので、よかったら見てみてください!

あとTwitterやVoicyもやっているので、よかったらフォローしてください!

長文にお付き合いいただきまして、ありがとうございました!



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