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デザイナーは何をする人で、どのように事業貢献できるのか?

はじめまして、4月から UXteam にジョインした斉藤です。
今までは、主に BtoC のプロダクトのUI改善に取り組んできましたが、
UXデザイナーとしてはまだ新米なので、先輩方の背中を見て奮闘中です。

さて、突然ですが
デザイナーって何してくれる人なの?
● デザイナーって事業のどのへんに貢献してるの?

のように、デザインの必要性・重要性を問われたことはありますか?

今回のジョインに伴い、自身の役割を改めて認識するためにも
デザイナーはどのように事業貢献できるのか、言語化・整理してみました。
※ややUIデザイナー寄りの視点・内容となります



1. デザイナーは何をする人?

サービスデザイナー、UXデザイナー、UIデザイナー、Webデザイナー…
デザイナーと一言でいっても、近年は役割やスキルセットが多様化してきていますよね。

ただ、共通しているのは
ユーザー視点で課題を解決する人 という点だと思います。

BtoC・BtoB どちらにおいても、
プロダクトを使うユーザーがいる限り、デザインは必要な工程です。

何故なら、同じ機能が備わった競合サービスが複数存在した場合に、
ユーザーにとっての使いやすさ(分かりやすさ・見やすさ・操作しやすさ)も 競合優位性 となりうるからです。

そして、その「使いやすさ」に大きく影響する
ユーザーとの接触ポイント(ユーザーインターフェース=UI)を
より良くするのが デザイナー 
だからです。

それではまず、そもそも事業成長には何が必要かを分解してみます。


2. 事業成長に必要なこと

事業の成長や成功をどう定義するかは様々あると思いますが、
今回はシンプルに「事業を成長させる ≒ 利益を上げる」と置いてみました。

💡  利益を上げる = 売上を増やす × コストを減らす
    
※何をコストととらえるかは状況によるかもしれません

利益を上げるためには、売上を増やしコストを減らすことが必要です。
具体的にはどういうことが必要になるか、
これから自身が携わる BtoB SaaS型のモデルに当てはめて考えてみました。


売上 = 社数 × 単価

・社数を増やす = 新規契約の獲得 × 既存契約の維持(解約を減らす)
・単価を上げる = ユーザー数の積み上げ(中~大手企業の契約)× オプションやカスタム追加料金


コスト = 原価 + 費用

・原価 = 企画開発メンバーの人件費・サーバー費 など
・費用 = 販売やサポートメンバーの人件費・広告費 など

それでは、分解したこれらに対して
デザイナーはどう貢献できるのか、より実務に近い例で考えてみます。


3. デザイナーにできること

今回は、以下どちらも担うデザイナーを想定したうえで、
いくつか主要なアクションを例にあげてみようと思います。
● 導入前の集客(サービスサイト・パンフレット・広告 etc)
● 導入後の体験(プロダクトの機能やUI)

売上を増やす

売上 = 社数 × 単価(1社あたりの契約料)

ここでは、社数を増やす に注目して例を考えたいと思います。

新規契約獲得
・サービスに好感を持てる印象形成
 例:プロダクトのデザインコンセプト設計

・競合優位性やメリットが理解しやすくし、動機形成
 例:広告制作物での訴求内容選定・サービスサイトのUI改善

既存契約の維持(解約を減らす)
・様々なリサーチを活用した課題の吸い上げと、継続的な機能・UI改善
 例:市場調査・競合調査・ユーザーインタビュー・検証


コストを減らす

コスト = 原価 + 費用

原価は、開発にかかる人件費やシステム費用などのイメージです。
これはある程度は必要なものと考えた際、できるのは「効率化」です。

費用は、販売やサポートメンバーの人件費・広告費などのイメージです。
問い合わせ対応や広告出稿量を減らせるといいと思います。

原価の削減
・開発中のQAや認識祖語での手戻りを減らす
 例:プロトタイプ等で遷移や動きを可視化し、予めイメージ共有

・UIパーツのパターン化や開発メンバーとの共通認識化で開発工数を削減
 例:デザインシステムやガイドラインの整備

・効果の見込みにくい機能開発を防ぐ
 例:企画フェーズでプロトタイプ等でのテストや検証

費用の削減
・認知不可の少ないUIでユーザーの学習コストを削減し、問合わせを減らす
 例:メンタルモデルを逸脱しない・ユーザー層を考慮したUI設計

・広告のCPA (Cost Per Action) を改善
 例:訴求内容やクリエイティブの向上で、CVR (Conversion Rate) を改善


4. さいごに

このように、デザイナーはユーザー視点でプロダクトを改善し、
売上向上やコスト削減などの指標を押し上げ、事業貢献できると考えます。

デザイナーやデザイン工程の必要性があまり分からない…という方がいらっしゃったら、今回の整理をもとに意見交換をしてみて、共通認識を持てるとうれしいなと思いました。

今回は主に「UIデザイナー寄りのUXデザイナー」としての役割や貢献方法を考えてみましたが、○○デザイナーと名の付くどのデザイナーにも通じる部分があるかもしれません。

得意な領域や手法は異なったとしても、デザインはあくまで「事業成長の手段の一つ」というところは変わらないからです。

● デザイナー自身がそれを忘れず取り組むこと
● デザイナー以外もデザインの役割・価値を理解し、最大限活用できる環境をつくること

どちらも大切だと改めて思いました。

少しでも、似た環境・状況で、似た悩みを持つ方の参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。


📝 このテーマで記事を書いた背景
この度、BtoBの事業のチームにアサインいただき、
まずは、プロダクトやサービスサイトの UI 改善 を担うことになりました。
そんな中、プロダクトの企画・開発において、デザイン工程を省略し
営業とエンジニアのみで進行する場合もあると伺いました。

もしかしたら、BtoBの事業では契約の意思決定をする顧客担当者との会話が主となり、契約後に実際にツールを使用するエンドユーザーの体験については関心・優先度が下がってしまうのかもしれません。
(もちろん他にも、デザイナーのリソース不足や開発工数、ビジネス的な優先度など様々な事情や要因があるのだと思いますが…)

しかしこの先、長期的に事業を成長させるには、ユーザー視点でのプロダクト開発は不可欠だと思います。
そこで、デザイナーにできることを改めて自覚するとともに、
デザイナー以外の方とも共通認識を持てるといいなと思い、このテーマで記事を書くに至りました。

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