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『世界の台所探検』で、少数民族の野草料理と、化学調味料に想いを馳せた話。

最近、とても面白い本を読んだ。その名も『世界の台所探検』。

作者が、バックパックを背負い、世界のどこかの台所にお邪魔して、ホームステイしながら共に食事をする。その様子を綴っている本だ。食&文化が大好きな私には、まさにツボの1冊だった。

中でも、このnoteでは、先住民族の村に行った時のエピソードをちらっと紹介したい。それは、タイ、少数民族アカ族の村のクリエイティブな野草料理、についての回。

作者が訪れたのは、山の中の村。おじいちゃん、おばあちゃんは野草に詳しくて、料理の材料を見つけて、収穫。それを調理してくれていた。ただ、必須の調味料の1つが、衝撃的…。なんと、味の素(うま味調味料)を基本の味付けの1つに入れていたのだ。なぜ使うの? という質問には「おいしくなるからだよ!」と屈託ない返事が返ってきた、とのことだ。

「化学調味料が山奥の村にまで浸透している」ということに、読みながら衝撃を受けた。「あ、でも…」と20年ほど前にラオスの村を旅したときに見た光景を思い出した。食堂の人と仲良くなって、おいしい麵料理の作り方を聞いたら「これが魔法だよ」と、やはり、あの白い化学調味料を見せてくれたのだ。屈託のない笑顔で…。あの時、私も『世界の台所探検』の作者と同じく、何も言えなかった。

こういうことが、グローバル化なのかもしれない……。

こんなエピソードも含め、台所から、社会や環境、文化など様々なことが見えてくるステキな本なので、ぜひとも多くの人に読んでほしい!!

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