曽我 美穂

エコライター・エディター・翻訳者・英語講師の曽我美穂です。このページでは、私が大好きな世界の先住民族について発信していきます。

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マオリのダンスサークルで学んだ「努力」と「リスペクト」

NZのヴィクトリア大学に留学中、サークル紹介で、運命の出会い?をした。それはKapa Haka(カパハカ)サークル。カパハカとは、マオリのパフォーマンスグループで、地域や学校単位で、儀式や行事で踊りと歌を、披露する。大学のカパハカは、マオリの学生たちが所属し、いろんな場でパフォーマンスを披露する。 うわあ、めっちゃカッコイイ! 私でも入れるかな…。当時20歳の私は、何も考えず、ルームメイト(NZではフラットメイトと言う)のオランダ人と一緒に「サークルに入りたい!」と伝えに行

    • 世界中の先住民族に会いたい!

      私のかなえたい夢、それはズバリ、世界中の先住民族に会い、学びを深めていくことです。 ①北海道に行きアイヌ民族のことを改めて学びたい。二風谷に行きたいです。いろんな感想がありますが、ウポポイにも行ってみたい。 ②沖縄に行き、沖縄の文化も学びたい。(琉球の方々も日本の先住民族という認識です。) ③最近、こんな素敵な活動をしている方を見つけたので、この旅にもいつか参加してみたい! まずはバーチャルでの参加を検討しています。薬草も先住民族の文化も大好きなので、そんな私にはぴった

      • ハワイ&マオリの事例から考える、先住民族にとっての「所有の概念」

        とても、心に残る記事を読んだ。NPO法人ミラツクによるメディアに載っていた、以下の対談だ。 ハワイの先住民族の現状や彼らが抱えている問題、その発端となった「所有の概念」の話などが載っていて、所有の概念にまつわるハワイの話は「あ、この話、知っている……」と心のなかでつぶやいてしまった。 日本ではあまり知られていないが、実はニュージーランド/アオテアロアのマオリとハワイは文化的にとても近い。というのは、マオリの先祖は伝統的なカヌー「ホクレア」でニュージーランド/アオテアロアに

        • 私の先住民族アート愛。

          noteフェスティバルにちなんで その柄に いつも瞳が くぎずけに  心ふるわす アイヌ文様   という推し短歌を作ってみました。アイヌ文様、なぜだか自分でもしっかりとは言語化できないのですが、見るたびに「おお!」となって、心がふるえます。きっと、自然の有り様を表現しているからかな、と感じています。 残念なことに、このアイヌ文様を勝手にアイヌ以外の方が使う事例が増えているのだとか(詳しくは下記の私が書いたnoteをご覧ください)。 先住民族が大切に引き継いできた文様を

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          先住民族の支援を表明する、B Corpのナイスな取り組み。

          ここ1カ月ほど、ずっとB Corpについて取材したり、書いたりしていたので「B Corpっていい!」という気持ちが高まっている。 すごく簡単に言うと、B Corpとは、地球、人に対して全方向的に「いい会社」だと認証された企業のことで、世界では約7000社(B Corp公式サイトより)、日本では27社(2023年6月時点)が取得している。その中にはパタゴニアやユニリーバ―などの世界的に有名な企業、ブランドも入っている。 私は B Corp公式サイトのニュースレターをとってい

          先住民族の支援を表明する、B Corpのナイスな取り組み。

          土の力を感じた、マオリの食事

          もう20年以上前のことなのに、忘れられない食事がある。 それが、ニュージーランド/アオテアロアの大学のマオリ学部に、1年間交換留学で行っていた時に食べた、マオリの食事だ。 1つ目の忘れられない食事は、初めて食べた「ハンギ」。土の中に野菜や肉を入れてじっくり火を通す、野外料理なのだけど、その時に食べたKumara(クマラ)というサツマイモの1種が、あまりにもやわらかくて、甘くて、焼き芋とはまたちょっと違ったおいしさで、今でも忘れられない。振り返った今、「あ、あれは『大地』が調

          土の力を感じた、マオリの食事

          ロトルアの温泉、いい感じです!

          ニュージーランド/アオテアロアにある温泉地といえば、北島にあるロトルアだ。ここは、マオリの聖地でもあるので、私にとってはまさに「マスト」で行くべき場所だった。 そこで、大学留学時代の長期休みに、バスに乗って行ってみた。驚いたのは、町についてすぐに感じる、硫黄の香り(というか、におい)。おお、これは日本でも経験があるぞ、と思った。 温泉には水着で入ったけれど、硫黄の香りといい、熱さといい、入る湯舟の広さといい、日本を離れて数か月たったころの私には、たまらなく懐かしい感じで、

          ロトルアの温泉、いい感じです!

          「言語は残る?」という問いの答えは、いつも、その時代を生きる人たちの中にある。

          昨年の終わりごろ、「ああ、ライターやっていたよかった!」と心の底から感じる出来事があった。それは、このインタビューの取材ができたことだ(いつまで公開か分からないので、リンクがきれていたらごめんなさい💦)。 関根さんは、伝承者としてFM北海道の「ウポポイラジオ」のパーソナリティのほか、テレビ番組への出演、雑誌への寄稿などを通じてアイヌ文化・アイヌ語を紹介している。関根さんが大学時代に始めたYouTubeチャンネル「しとちゃんねる」も人気で、1万人以上が登録している。 関根さ

          「言語は残る?」という問いの答えは、いつも、その時代を生きる人たちの中にある。

          「自分のルーツに誇りをもって生きる」とは

          アイヌのZ世代へのインタビューと写真をまとめた、とても素敵な記事が読売新聞(ウェブ版)に載っていた。 ここに出ているのは、アイヌにもルーツのあるZ世代の人たち。みんな、ルーツに、それぞれの「自分なり」の方法で向き合いながら、とても軽やかに、楽しそうに活動している。いい感じで肩の力が抜けているのが、文章や写真から伝わってくる。こういうの、いいなあ、と感じた。 この記事の内容もそうだが、Z世代の言葉には、ハッとさせられることがとても多い。気づいたら、彼らよりもけっこう年上にな

          「自分のルーツに誇りをもって生きる」とは

          マオリ×ポップ音楽が融合した曲「Kotahitanga(コタヒタンガ)」

          2000年、私はニュージーランド/アオテアロアにあるヴィクトリア大学のマオリ学部に交換留学していた。その時にCDショップで手に取ったOceaniaというアルバムが気に入って「これはかっこいい!」と何度も聞いていた。特に好きだったのが、この曲だ。 タイトルの「Kotahitanga」は英語ではUnityと訳される。それまで部族間で争うこともあったマオリの人々が、植民地化される中で出てきた「マオリとしてまとまろう」という思いや実際の活動を指す言葉、とのことだ。 歌詞では「目覚

          マオリ×ポップ音楽が融合した曲「Kotahitanga(コタヒタンガ)」

          文化盗用について、現時点で感じること。

          ちょっと前に参加したアイヌ文化に関するオンラインセミナーで「文化盗用(cultural appropriation)」が大きなテーマとして取り上げられていた。 ※「文化盗用」とは他の人種民族の文化を、他者が表層的に模倣すること。 最近、アイヌ文化への注目が高まり、アイヌ文様がいろんな商品で使われているのを目にすることが増えた。しかし残念なことに、アイヌの人たちが、そうした商品に関して「アイヌ文様の使い方はおかしくないか、使ってよいか」を聞かれるケースは少ない。許可なく、勝

          文化盗用について、現時点で感じること。

          マオリのAntie(おばちゃん)が教えてくれた、これからの家族のかたち

          今から20年ほど前、ニュージーランドの大学のマオリ学部に留学していた時のこと。大学には、主にマオリの学生向けに作られた「Marae」という集会所があるのだが、そこには平日はお昼ごはんを提供する食堂があり、そこのおばちゃんと、気づいたら仲良くなっていた。彼女はマオリの歌と踊りのサークルである「Kapahaka」にも参加していて、踊り手にはなっていなかったのだけど、みんなの「お母ちゃん」として、いつも練習の時、ニコニコしてたたずんでいた。 彼女には、子どもがたくさんいた。みんな

          マオリのAntie(おばちゃん)が教えてくれた、これからの家族のかたち

          今でも心に残っている、マオリの友人のつぶやき――ごみのポイ捨ては、母なる大地を汚すこと

          20年ほど前、ニュージーランド/アオテアロアのヴィクトリア大学、マオリ学部に留学していた時のこと。 私が参加していたカパハカクラブで車で移動中、大学院生のマオリの友人が、ごみのポイ捨てを見て、こうつぶやいた。 ハッとして、次の言葉を待った。続けて、こんなことを言った。 とても悲しそうな顔をしていて、私は、うなずくことしかできなかった。 その後、考えた。なぜ、こういうことが起きているのか。結局、時々思い出しては、20年くらいたってしまったのだけど、最近、ふと、1つの結論

          今でも心に残っている、マオリの友人のつぶやき――ごみのポイ捨ては、母なる大地を汚すこと

          『ゴールデンカムイ』で描かれた、土地問題と、マオリの解決策のヒント

          少し前だが『ゴールデンカムイ』が最終巻まですべて、アプリで読めることを知り、読んだ。 ここであらすじを語るのは避けたいけれど、1つ、すごくいいなあ、と思ったことを書きたい。 それは、ストーリーの中で「土地」の問題を、ちゃんと取り上げていたことだ。先住民族のことを考える上で決して避けて通れない問題の1つ、それが土地だ。 すごく簡単に言うと、多くの先住民族の価値観では、土地は、神様のもの、みんなでシェアするものという捉え方だ。一方、西欧の価値観では土地は所有物。植民地化を進

          『ゴールデンカムイ』で描かれた、土地問題と、マオリの解決策のヒント

          コンビニのおばちゃんに学んだ、多様性への理解は「知ろうとする」からはじまる、という大事なこと。

          「あんた、ずいぶん怖そうな髪型してるね」 今朝、近所のコンビニに行ったら、店員のおばちゃんが、部分的に赤い髪の毛のロン毛のお兄ちゃんに、こんな言葉を放った。コピー機を使っていた私は驚きつつ、ちょっとワクワクしながら、気づかれないように話の展開に耳をそばだてた。 「いやあ、俺はそんなに怖くないんスよ」 「あ、そう!仕事がんばってねー。また来てね!」 なんて、心地よい会話!  帰り道、このやりとりを反芻して「これぞ、多様性を尊重し合う社会」に必要な姿勢なのかな、と思った

          コンビニのおばちゃんに学んだ、多様性への理解は「知ろうとする」からはじまる、という大事なこと。

          岩波ジュニア新書『動物を守りたい君へ』で見つけた、アイヌ文化への想い

          アニマルウェルフェア(動物福祉)のことを考えたくて「これなら、読みやすそうだな」と手に取った、岩波ジュニア新書『動物を守りたい君へ』という本。野生生物の研究に取り組んできた研究者の方が、とても分かりやすい文章で、動物を守りたいときに考えたい視点を丁寧に伝えているこの本に、なんと、アイヌ文化に関する記述があり、感動した。 その記述があったのは第5章の「動植物と生きるために」という章だ。原発事故とペット、家畜の問題への言及、キリスト教の価値観、レイチェル・カーソンのことばにまで

          岩波ジュニア新書『動物を守りたい君へ』で見つけた、アイヌ文化への想い