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土の力を感じた、マオリの食事

もう20年以上前のことなのに、忘れられない食事がある。
それが、ニュージーランド/アオテアロアの大学のマオリ学部に、1年間交換留学で行っていた時に食べた、マオリの食事だ。

1つ目の忘れられない食事は、初めて食べた「ハンギ」。土の中に野菜や肉を入れてじっくり火を通す、野外料理なのだけど、その時に食べたKumara(クマラ)というサツマイモの1種が、あまりにもやわらかくて、甘くて、焼き芋とはまたちょっと違ったおいしさで、今でも忘れられない。振り返った今、「あ、あれは『大地』が調味料になっていたのかも」なんて、感じている。焼き芋は、火の力。ハンギの芋には大地の力が加わっているので、格別のおいしさになるのだ。

2つ目の忘れられない食事は、Kapahaka(カパハカ)というパフォーマンスグループの仲間と一緒に食べた、マオリ伝統料理の一種。残念ながら名前は忘れてしまったのだけど、豚肉の骨を、野草と一緒に煮込んだ料理だ。土の中でしっかり育った野草(雑草扱いされているらしい)のパワーが入っていて、なんともいえず、力が出そうな料理だった。味は春菊と豚の味+塩という感じだったと思う。骨をつかんでバクバク食べていたら「いい食べっぷり!!」と言われ、とても喜ばれた。と、同時に、より仲間としての距離が縮まった。

土のパワーが込められた食事、と言えば、日本でも山菜や野草を使った料理は、なんというか、ふんばる力を授けてくれている気がする。

ちょっとおおげさだけど、母なる大地の力が込められた食事。そんな食事を探しながら、これからも定期的に食べていきたい。

#元気をもらったあの食事

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