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子どもの育ちを支えるために必要なこと

こんにちは。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所の石井です。先日、第7期学習・発達支援員養成講座6回目のオンラインライブ講座『子どもの育ちを支えるために必要なこと』が終わりました。

講師は文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の特別支援教育調査官、加藤典子先生でした。子ども達が上手くいくときはどんな時なのか?そして、子ども達はどんなサポートを必要としているのか?子ども達と教師と保護者をつなぎ、誰もが教室で幸せでいられるヒントをお話しいただきました。

それでは受講生から感想を紹介いたします。

・先日の講義の中で文部科学省からの支持伝達が教育現場になかなかストレートに届かないというお話がありました。そのことが本当なんだと今日改めて感じました。文部科学省からは、教育の基盤に特別支援教育を置くための方策をとっているにもかかわらず、教育現場はほとんど変わっていないと感じます。平成5年に制度化されている通級指導教室ですが、私の学校に開設されたのは令和元年です。それでもまだ早い方で私の学校をモデルにして昨年他町の学校に通級指導教室が開設されました。保護者への周知はさらに少なく、「そんな制度があったのなら、もっと早く教えてほしかった」とおっしゃる保護者の方もいらっしゃいました。ICTの整備も整っていますが、ほとんど活用されていないのが現状です。配慮が必要なお子さんに対する合理的配慮としてICTの活用を紹介していますが、教員に充分な知識がなく取り入れられていないことがほとんどです。この状況を何とかしたいという思いからこの講座を履修しています。すべての子どもたちがその子に適した学習支援が受けられるようこれからも邁進して行きたいと思います。貴重なお話をお聞きすることができ、大変勉強になりました。ありがとうございました。【教員】

・特別支援教育を受ける児童生徒数がグラフや表で見る事ができ、想像よりも年々増加しているので驚きました。実際の最前線の特別支援教育の在り方が分かり、限られた時間の中でたくさんの情報もいただけてとても充実していたと思います。今後一人一人に合った学びができるように支援する立場の私も周りの方々の力も借りながら、日々学んで成長してきたいです。たくさんの情報、資料ありがとうございました。加藤先生も限られた時間内で説明するのは大変だったと思います。ありがとうございました。【特別支援教育アシスタント】

・現在の特別支援教育の在り方は、これまで様々な法改正で生まれてきたのだと思いました。それでも、未だ認知されていなかったり、誤解されている部分もあると思います。私もその一人で、この講座で沢山学び、学んだことを生かすことができるようになったし、勉強会を開くことで、更に沢山の先生に知ってもらうことができるようになると思います。コロナ禍になったことで、学校教育においても一人一人端末を用いることができ、視覚でわかりやすく学ぶことができ、子供達が楽しく学ぶ環境が、これからも大切であると思います。【ふれあい推進員, 学習サポーター】

・令和元年大学入学の方から、特別支援教育における単位を必ず取るという話がありました。知識と経験から、さまざまな実態をもつ児童への理解が深まり、肯定的な言葉掛けをする指導者支援者が増えると思いました。考えられる原因と、それに対する支援の引き出しをたくさん持ち、知識だけでなく目の前のさまざまな個性をもつ子どもに向き合っていきたいです。正しい知識を持ちながら、なぜ?どうして?と一緒に考えていくんだと、今一度、立ち止まって考えています。特別支援教育に関する制度や動向、今後の話等をわかりやすく詳しく話していただきました。在籍する学級の措置替えや、就学までの動きなど、曖昧な部分が明らかになりました。学びながら自分も変化していかなくては、と感じました。ありがとうございました。【教員】

・文部科学省の加藤先生の講座を拝聴出来、とても嬉しく思います。やはり、教育現場と直結するお話で終始引き込まれました。本当に貴重な時間と内容でした。日本の特別支援教育の歴史はまだまだ浅いですが、特別支援教育に関する動向を改めて知り、確実に進歩していると実感しました。しかし、学校現場の現状とのギャップもまだまだ感じます。「特別支援教育」は、出来ない子への支援ではなく、多様化する子ども達の「個」にフォーカスした「スペシャルな教育」となるよう、私も日々学び続け、これから更に進化していくであろう特別支援教育を担う一員となれるよう、努力していきたいです。【特別支援教育アシスタント】

・今回の講義で始めて知ったこととして、令和元年入学の学生から、特別支援の単位を必ず1単位は取って教員になるというところです。私は教員をしておりましたが、特別支援の学習をすることなく、通常級の担任をしておりました。でも、現在療育の現場で働き、特別支援の学習を進めてきましたが、なぜ現職だったときにもっと特別支援の学習をしなかったのか、していたら、発達障害で困っている子どもたちの助けをもっとできたのではないかと後悔している部分もあります。必ず特別支援の学習を行ってから教員になるという仕組みは、とてもいいことと感じました。特別支援教育に関する動向など含め、年々いろいろと改正され、よりよいものとなっていっていると思います。ただ、現場の話を聞いたりすると、まだまだ人手が足りず、十分な支援を受けられていない中で学校生活をおくっている話も聞いたりします。地域によって違う部分もあるかと思いますが、子どもたちが安心して、よりよい学校生活をおくれるとよいと思います。【児童指導員】

・特別支援教育にかかる国の制度設計が、平成19年より大きく進展してきたと感じることができました。特別支援教育は今や、幼児教育から高校教育までの一貫した位置付けがなされてきました。特別支援学校・特別支援学級/通級における指導と通常学級で行われる自立活動。教育のあらゆる場所で行われなければならない特別支援教育の理念。学校教育の中核になければならないという言葉がありました。しかし、一方で令和5年にようやく特別支援教育の単位取得が必須になって学んだ学生が社会に出てくるという話は驚きでした。学校現場の教職員の資質能力育成が、まだまだ間に合っていないと思われます。教師は、支援の必要な子ども達の対応と同時進行で力量を高めていかなければならない。教員の資質能力の格差は現存しており、多様な専門性を持った教職員との連携協働が益々重要になっています。通常の学級に在籍している発達障害の児童生徒は、前回の6.5%からどのように変化しているのでしょうか。国は法整備や地方財政措置も含めて支援策を講じているけれど、子どもが学校に居場所を見つけられない不登校の児童生徒が20万人も存在する現状。国の動きをさらに進展させるために、特別支援教育にかかる専門性向上は必須です。教員の資質向上とともに配置される発達支援員の育成と人材確保、フリースクール・教育NPO法人や夜間中学など多様な選択肢と協力関係づくり、子どもに係る教育と福祉の立て付けを一本化した学校の組織体制など多くの課題について、さらに国の確かな方針提示と財政措置への取り組みを継続していただきたいと強く願いました。障害者権利条約の国連の対日審査で指摘された、障害のある子ども達が分離された場で学ぶ特別支援教育中止に対して、文部科学省の見解を伝えられましたが、国連と日本の特別支援教育の方向性の目指す方向性は一致しているのか?軌道修正への課題があるとするならば、どこの修正が考えられるのか、聞いてみたいと思いました。児童生徒の就学支援における自治体間の教育環境格差の問題やインクルーシブの理念と共同及び交流の概念とはかなり違うのではないかと個人的には思います。【不登校教育支援センタースタッフ】

・国の動向や現状を教えて頂き全体の中での支援員の役割を考えることができました。また擬似体験をさせて頂き子ども達の困っている気持ちを感じることもできました。一人ひとりに合った合理的配慮を行い環境調整をし、良い言葉かけをし、子ども達に寄り添い、より良い支援に繋げていきたいと思います。【保育士, 教育支援員】

・学校現場の制度や、法の成り立ちなど、とても勉強になりました。それらが現場に降りてこないジレンマや、法と現場とでは温度差があり、ICTもなかなかうまく活用されておらず、免許更新も廃止された中で、特別支援教育や合理的配慮などあと数年は推進されないのではという不安感もありますが、それらの背景を知っていると知っていないでは、気持ちの在り方が変わります。特別支援教育の在り方の過渡期の中で、今あるツールを最大限に利用して、目の前にいる子たちを大切に、関わっていこうと思います。【保護者, 放課後児童支援員】

・国の特別支援における現状を詳しくお話いただきよくわかりました。現場を経験された先生だからわかる解説でわかりやすかったです。特別支援教育が実施されたのが、平成19年。当事者の娘は大学生でした。なぜ学校という場所が居づらく、学習することが難しかったのか、当時今のような取り組みがあったらと思いました。これからの教職を目指している方が特別支援教育を学ばれていることや、困り事をサポートする機器や学校ですすめられている取り組みを知り、今学びの中にいる子たちが就労に繋がるまで連携された支援が受けられたらよいなと思いました。まずは、今の国の取り組み、学校現場の取り組みなど、支援をするにあたり知っておく内容が沢山ありました。お話を聞けて良かったです。ありがとうございました。【塾講師】

・昔と違い学ぶ環境が整ってきています。私も大きな変化についていけるよう努力しようと思いました。【保育士, 補助員】

・国の現状を知ることで、本人、家族、支援者の選択方法が広がることになればいいと思います。コロナで一気にICT支援が進み、政策と教育現場のギャップが生じやすい状況がうかがえます。ますます、支援員の気づきが大切になってくると思います。教員養成の特別支援教育の単位が令和になって課されたと聞き、それまでは、なかったのだと、この講習で話題になったことに支援員講座の意義を感じました。他職種からの情報が、視野を広める、多様性を認める、寛容さを育むもとになればと思います。【保護者】

・全体的な動向、現状をよく知ることができ、自分の地域と比べることもできた。困っていることの要因を考えることを習慣づけたい、引き出しを増やせそうな資料を沢山紹介していただきました。発言となると苦手で、その上オンラインは1人感が強くなじめませんが、おかげさまで少しずつ慣れてきてます。ありがとうございました。【子育て支援センター職員】

・特別支援教育の法制度や仕組みを知っておくことは、発達障害児者の支援をするに当たって基本となるものであり、今後も折に触れ参照しながら他機関と関わっていく必要があると思われました。今回も体験や演習により、空間認知や書字に問題を抱える子の気持ちが少し理解できたり、支援に当たり何故出来ないかの理由の引き出しを多く持っておくことが必要とのお話に納得させられました。【言語聴覚士】

・最新の情報が盛りだくさんでした。主要な資料にQRコードがついているため、後でゆっくりと学ぶことができるのは助かります。【保護者】

・国の特別支援教育に関する施策の動向を知ることができ、文部科学省の発信する情報へのアクセス法についてもたくさん教わったため、今後も利用し学ばせていただきたいです。現場で子どものことを思い接してこられた先生が特別支援教育調査官をされていることを心強く感じました。国連の勧告に対する文部科学省の「特別支援教育の中止は考えていない」と考えについてもう少し踏み込んだお話を伺えるとよかったと思います。【児童デイサービス】

・インクルーシブの観点からのお話をもっと聞ければと思いました。【フリースクールスタッフ】

・特別支援教育の現状、配慮の具体例が参考になりました。【放課後児童支援員】

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ここからは理事長の中谷の『ワークと対話の時間』の感想です。この日は、加藤典子先生の講座の感想と最近はまっていることについて、3~4人のグループに分かれて対話を行いました。

・演習やグループでの会話のおかげで、多くの気づきがあります。また、ドキドキするけれど、聞いてもらえて喜びを感じられる時間でもあります。【教員】

・講義の学習テーマに合わせたお題で話し合った後、講義とはまったく関係のない、最近はまっていることをテーマでお話するのも楽しかったです。個人的には、そちらの方が緊張せずに話せます。いろんな方のいろんな意見を聞ける機会はとても貴重でありがたいです。【児童指導員】

・グループワークでは、学校の特別支援教育の現場に携わっている方々の生のお話も聞くことができ、法制度と現場との乖離や、地域による支援教育普及の格差等も目の当たりにしました。まだまだ道のりは長いですが、少しでも普及に貢献することができるよう経験や知識を増やしていきたいと考えました。最近はまっていることのグループワークでは、テーマ故の皆さんのリラックスした表情に触れられ、そこからまたインクルーシブな話題に転換し話を広げられたことも大変楽しく興味深かったです。【言語聴覚士】

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さて、次の講座の案内をしましょう!子ども達に「言って聞かせれば分かるはず」と思っていることが多い私達大人。しかし、伝え方が子どもの理解様式に合っていなければ伝わらなく、特に自閉スペクトラム症の子ども達には見て分かる支援が必要です。子ども達が健やかに育っていくために伝える手立てについて11/6オンラインライブでお伝えします。講師はAutism Life Support Hiroshimaいんぐりもんぐり&Kure あかり代表の原田潤哉氏です。詳細はホームページからご覧ください。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所

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