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読み書き困難のある子どもへの英語支援

こんにちは。NPO法人日本インクルーシブ教育研究所の石井綾子です。先日、動画で学ぶ講座『読み書き困難のある子どもへの英語支援』を開催しました。こちらの講座は第7期学習・発達支援員養成講座の7回目になります。

講師はイギリスのAshbrook小学校で特別支援学級 (SEN provision) リーダーとしてご活躍中の山下桂世子先生でした。山下先生は、イギリスのジョリーラーニング社のジョリーフォニックス公認トレーナーで、公立小中学校や英語教室等の指導者にシンセティック・フォニックスを指導されたり、英語の読み書きに困難を示す児童・生徒への指導や指導者育成にも力を注がれています。

それでは受講生からいただいた感想を紹介します。

・英語が苦手な私自身が生徒になった気持ちで拝聴しました。とても新しい感覚で英語に触れることができて、楽しく学び積み重ねていくと知らず知らずのうちに英語を身につけることができそうです。小学生の児童が英語の授業は分からないから行きたくないと言ったことがあります。読み書き困難な子供達にとって楽しい、分かりやすい、繰り返すことは大切だと思うので今日の山下先生のような授業だと喜んでくれるのではと思いました。【特別支援教育アシスタント】

・LDのお子さんで英語が苦手なお子さんがいることは聞いていましたが、どんな部分に困っていてどう指導すればそれが改善されるのか勉強不足であまり知りませんでした。山下先生のお話と具体的なレッスンのおかげで、それがよくわかりました。いつも英語の交流でつまらなさそうにしている支援級の子どもたちもこんなふうに英語を学ぶことができたら、自信を持って中学校の英語に挑戦できるだろうと思います。漢字を覚えるのもその子に合った方法でというように、英語も多感覚で学ぶことが大切なのだと知りました。ありがとうございました。来年の夏に広島で行われる研修会、楽しそうですね。英語を教えていないけど、参加してみたいです。体調が悪く、感想が遅くなり申し訳ありませんでした。【教員】

・私たちが、英語を学ぶうえでも、とても難しいことなのに、読み書き困難の子供にどういう方法で指導しなければいけないのか不思議でした。私はまだ通常学級においての「英語」の授業に触れたことがありませんが、「視覚」「聴覚」「触覚」「運動感覚」といった多感覚を用いて手助けをすればいいのだと自信がつきました。私自身、英語の発音が苦手なので、子供たちと共に学びたいと思いました。【ふれあい推進員, 学習サポーター】

・英語指導の順序など、分かりやすくもっと授業を聞いていたくなりました。娘の学校や英会話教室でも言葉から始まり文を作りますが、音遊びや聞き取りなど普段体験しないことを経験させてもらいました。文字を書く時も空書きから形を整えることでイメージが湧くので勉強になりました。そしてノートを使うのでなく、すぐ消せるホワイトボードでの練習も納得です。この授業は配慮のいる子だけでなく全員に必要な授業だと思いました。【保育士】

・なぜ英語が難しいのかがとてもよくわかりました。これは障がいがあるなしにかかわらず英語と日本語の違いをわからないままに日本の英語教育を行っておりそれはわかるはずないなあと実感できました。私もこんなふうに英語を習いたかったと思います。すべて暗記、根性論の英語教育から脱却したいです。今回は英語でしたが算数・数学の教育も日本は難解であると感じています。つまづいて英語・数学嫌いにならないよう数学も検討してもらえると有難いです。【フリースクールスタッフ】

・英語は「単語から。単語は書いて覚えるもの」と思い込んでいました。私自身、単語を覚えるのが辛く、英語が苦手でした。ジョリーフォニックスのような多感覚指導で自分に合った方法で学ぶことで、もっと楽しく英語をスタートできるのだと思います。英語に限らず、どの教科でも、自分が得意な感覚が何かを知ることで、得意を活かす勉強方法を少しでも早く見つけるために、今日学んだような学習方法など、いくつも手立てを知ることが大事だと思いました。【放課後児童支援員】

・小学生でひらがなから言葉を習ったように、絵から文字を覚えたように英語を身につけること、私も子供の1人のような感覚で教えていただきました。とても分かりやすく、ジョリーフォニックスの学習法が公教育で使用されるようになるといいのに、、と思ってしまいます。多感覚を意識した指導という点では、他の教科や活動にも言えることで、意識して色んなこを対象にしていることを忘れないようにしたいと改めて感じました。【学童職員】

・日本語と英語は、音の区切が違うので丸暗記しなければ読めない、私は、耳で聞き取る力がないと、諦めていました。今回の講座でシンセティックフォニックスというものがあると知り、カルチャーショックを受けました。英語も日本語のように音と綴りに法則があることに気付き、英語の壁が低くなりました。読み書き困難があるなしに関わらず、これから英語学習する人に伝えたい情報です。【放課後児童支援員】

・正直自分自身が英語が苦手で、今回の講義に消極的な気持ちで受講し始めました。しかし受けてみて、目から鱗と言いますか、こんな習い方を自分もしたかった!と思ってしまいました。中学で初めて英語を学習し、難しいし、単語は書いて覚えないといけないし、単語を覚えないと文も読めないし、、、そんなことばかり考えながらやっていたら、苦手意識を持つようになり今に至ります。ですが、山下先生がc、a、tの授業をしてくださり、とても楽しくて、最初に文字の音を覚える授業から入っていたら、もっと違っていたのかな、なんて思ったりもしました。仕事上、小学校へ行くことがあるのですが、5年生の英語を見せてもらい、内容は私の時では中学で習っていてことを取り組んでいました。難しいなと感じながら聞いていましたが、ジョリーフォックスを取り入れることが小学校でできれば、中学でもっと楽しい英語の授業が待っているような気がしてしまいました。でも、ジョリーフォックスの指導法は誰でもできるものではないと思いますし(まずそのように習ってきてないと思いますし)、なかなか難しいところだな、とも感じてしまいました。ただ、このような指導法があることを知ることができたのはよかったです。【児童指導員】

・今回は英語支援を具体的に教えてもらい、今までの英語の学習法がいかに遠回りだったかを痛感しました。読み書きに困難のある子だけでなく、英語を学習する全ての子どもがこの順序で学べたら日本の英語力も随分と伸びると思いました。多感覚を用いた指導を偏りなく、強要することなく行うことで自分に合った方法をとっかかりにして学んでいくことができる、は何においても大切なことですが、今回は英語の学習方法を具体的に聞け、とても参考になりました。自身が勉強し直したくなっています。【子育て支援センター職員】

・英語が苦手な子ども達はたくさんいます。教えようとしても、結局教え方がスモールステップで体系化されていないということがよくわかりました。小学校英語は、今や3年生からスタートします。2年間の外国語活動から教科の外国語になり、中学校に移行しますが、学年が上がるにつれて、英語嫌いになる。支援センターにおいても、英語の学びは最も伴走できない教科です。今日の山下先生の指導は、子どもが無理なく、楽しんで定着させる指導法だとわかりました。学校現場は、全くといってよいほど42音が意識されるわけでもなく、きめ細かな指導が行えていないのが現実です。英語に親しむことからスタートするけれど、チャンツやゲームや、ビンゴでお茶を濁し、理解し、覚えて、操作するということが目指されていないのだなと思いました。子どもだけでなく、指導者も実践的な指導法が身についていなくて、外国語活動や教科英語を教える環境も十分ではありません。学校現場は本当に大変だと思います。小学校段階で楽しく学ぶ指導法が確立されなければならないと思います。シンセティック・フォニックス、ジョリーフォニックスも、はじめて聞いた指導法でした。基本の指導法が、教員養成の段階で、身につけていく環境が整えられなければならないと強く思いました。ありがとうございました。【不登校教育支援センター】

・山下先生の講義を聞いて、英語学習の概念がよい意味で覆されました。自身が中学から学んできた学習方法しかないと思っていましたが、山下先生が教えてくださった学習方法は、読み書きが苦手なお子さんだけでなく、英語学習に苦手意識のある学生、大人にも学び直しをするための方法になるのではと思いました。また、大人からこどもへ一方通行で教えるだけでなく、子どもと一緒に楽しみながら学べる方法で、とても勉強になりました【行政職員】

・以前に山下先生のフォニックスの講座を2回(計4日間)受講しました。次男が小2、小3の時から通っているアメリカ人の先生(有資格の、支援教育の経験も豊富な先生)のフォニックスの効果に感心して興味を持ちました。フォニックスをした次男は知らない単語も読めて、音からスペリングを起こせますが、フォニックスをしなかった長男は努力しても読み、スペリングでかなり苦労しました。当時中学生の長男とフォニックスの音と文字の関係をざっと確認し、長男が単語のスペリングを聞いてくると、音に分解して伝えるようにしました。思春期で相当面倒くさがられましたが、だんだんと自分でできるようになりました。日本の根性暗記英語のままでは、特に学習に難しさを感じている子供達には厳しいと感じます。フォニックスで音と文字の関係を先に入れることで、労力をかなり軽減でき、読む土台ができれば、その後効率良く学んで行くことができるので、日本の学校でも取り入れると良いと思います。いつも素晴らしい講座をありがとうございます。【保護者】

・業務で関わる子供たちへの指導の中で、音韻認識の概念についてはよく取り上げることがありますが、それを英語の指導という点で当て嵌めたことはなく(そもそも英語の指導をした経験がないのもありますが)、日本語の指導と共通する部分が多く新鮮な驚きでした。私たち大人自身がこのような指導を受けておらず、日本語的な読み方や丸暗記で何とか英語学習をこなしてきたという過程があるため、いまだに英語の読み書きに苦手意識がつきまといます。読み書きに問題を抱える子のみならず、全ての子供、大人にとって、英語を自分の力で読んだり書いたりするために必要な学習であると感じました。先生のパワフルな指導は大変説得力があり、分かり易く楽しめました。ありがとうございました。添付して下さった発音動画なども活用していきたいと思います。与えられた機会をいかに能動的に活用するかが重要であると、一連の講座を通して実感しています。【言語聴覚士】

・日本語がローマ字変換されていることが当たり前になっている、それが英語の習得の混乱につながっているのが講座から理解できました。読み書き指導に、まだまだ不足部分があるまま突然文章から始める英語教育では、子供たちがストレスを感じたり、敬遠してしまい、英語がわかる楽しさにたどり着かない。それは、もったいないことで、フォニックスを活用して英語がわかる使えるようになるといいですね。【保護者】

・山下先生の英語についての講義を受けさせていただきました。ドキドキしながら始まりましたが、講義が進むうちに、あっ、わかったかも、なるほどそういうことか、など発見したことが自分の中にストンと落ちました。兎に角暗記して、繰り返し書いて読んで覚えたわたし。忘れかけた英語に再び興味がわきました。音と文字の関係がわかったり、わかった関係、きまりごとから、読んだり書いたりすることができると理解できたからです。英語に限らず、あの手この手で何かをさせる。何かをさせるために、あの手この手を探す。そんな自分も、まだまだいます。どのようなゴールを目指すかをもち、そこに向けて、自分からチャレンジしてみたくなる、そして、子どもにあった多感覚の指導をすることの大切さを実感しました。さまざまな講師の先生方に、さまざまな角度から学ぶことができています。【教員】

・改めて、自分のレッスンの流れを見直すよい機会になりました。授業の中で、抜け落ちていたほんの一言、だけど重要な一言もいくつか拾えたような気がします。ジョリーフォニックスは先生からはよくばりな投げかけで、生徒はその中から自分にあったものを拾う、というよりはあったものが残る。文法に入る前だからこそのいい余裕があって、やっぱりいいなぁと思いました。多人数のクラスで、ひとりひとりの文字の「形」についてはみなさんどうしているのかな、と思います。私は多くても10人程度ですので、ひとりひとり見ています(私の性格もありますが)。そうするとどうしても時間はかかってしまいます。できる子はできない子のサポートをしてもらっていて、今のところこのペースで、とは思っていますが、いやしかし15分ほどで終わらせて他のアクティビティをしたほうが…と考えてみたり。私のクラスではこぼれ落ちていく子がいないように、その受け皿的な存在でいたいので…やっぱりゆっくりペースかな。そんなクラスがあってもいいですよね。【家庭教師】

・英単語を難なく覚えてきたのが英語教師になるということばにはっとさせられました。ジョリーフォニックスに出会うまで、生徒の気持ちを考えて授業をしているようで、できていなかっのだと振り返ることができました。「英語を覚えることができない」という気持ちを分かった気になっていました。ジョリーフォニックスを授業で行うようになって約3年ほどになります。生徒によって定着は様々ではありますが、将来、生徒たちが英語を見たときに読んでみようとしてくれることや進学先で英語を勉強してみようとしてくれることを期待しています。そのために、多感覚というキーワードを忘れずに、生徒と英語の学習に臨んでいきたいです。【教員】

・国語(日本語)は小さな単位から覚えていくのに、英語に関してはそのプロセスを飛ばして教える、というのは理にかなっていません。小学校の英語で「楽しく学ぶ」ことはモチベーションとしては必要です。ただ、中学英語への連携を見越して、小学校では文字と音との一致で終わるのではなく、ブレンディングやセグメンティングなど「操作できる」できるところまでをカリキュラムに入れるべきだと思いました。ジョリーフォニクスの実際の授業の流れを体験できて良かったです。【保護者】

・英語支援はまだ体験したことのない領域でしたので、難しい内容でした。多感覚を用いた指導では、視覚・聴覚・触覚・運動感覚などの感覚を刺激する教え方を取り入れて、すべての子どもたちがそれぞれ得意な分野を活かせ、弱さをカバー出来る、様々な支援の場でも同様のことがいえると感じました。【特別支援教育アシスタント】

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いよいよ2023年夏休み、山下桂世子先生が広島へお越しになります。広島県央の湖畔ホテルで特別支援教育の視点満載の英語指導法講座を開きます。山里のリゾートならではの森林浴や満天の星空のもと、多感覚を使って学ぶ英語を楽しみましょう!詳細はこちらです→NPO法人日本インクルーシブ教育研究所

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