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合理的配慮

こんにちは。誰もが「自分のことが好き!」と言える社会をめざして、広島から一人一人を大切にするインクルーシブ教育の発信に挑戦しているNPO法人日本インクルーシブ教育研究所の中谷美佐子です。

毎年、教室で活躍する学習・発達支援員を養成しているのですが、先日6回目「合理的配慮」の講座が終わりました。全9回の養成講座ですから長丁場となり今年12月中頃まで続きます。

6回目のテーマは「合理的配慮」で午前中の講師は厚労省の田中尚樹先生でした。全部書くとこんなに長い役職『厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 障害児・発達障害者支援室 発達障害施策調整官』をお持ちの先生です。今回は「厚生労働省における発達障害児支援関係施策」についてお話いただきました。

そして、午後からは文科省にいらした田中裕一先生でした。田中先生は現在、兵庫県教育委員会特別支援教育課副課長をされています。「学校で働くために必要なこと~通常の学級における合理的配慮提供の考え方~」についてお話いただきました。

厚労省の田中尚樹先生のアンケートを紹介します。

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・教育現場から見た合理的配慮、特別支援という見方に偏ってはいないか,立ち止まって考えることができる機会を与えていただきました。引継ぎ、この先につなげていく、ということをいろいろな歴史や法律ができた経緯や目的などから考えることができました。分かりやすく話していただいたおかげです。質疑応答からもたくさん学ばせていただきました。ありがとうございました。【教員】

・仕事での目の前の支援にだけ目を向けがちになってしまうのですが、発達障害者支援の全体像、教育だけでなく、福祉、就労のことなども教えて頂いた事で、自分の役割への理解を深めることが出来てとてもありがたかったです。本当にありがとうございました。いつも良い講座を本当にありがとうございます。【特別支援教育アシスタント, 保育士】

・国が発達障害支援に関して具体的にどのような助成金を出しているのかということが分かった.居住している市町での助成金獲得状況などを把握するための参考資料となる.【教員, 保護者】

・いつも子供達と接していて、この先難しいな~と感じる事がある時心配になりますがサポートする施策がかなり整ってきていることを知りました。うまく活用して行って欲しいです。いつも為になるオンライン講座をありがとうございます。コロナ緊急事態宣言中でも安心して受講できるし、タイムリーに気になることを取り上げて下さるので本当に感謝です。【特別支援教育アシスタント, ふれあい推進員】

・適応行動を見るというお話に納得しました。また、将来困らないためにと支援をしていましたがそうではないことがわかりました。今の事業所で支援を変えるのは困難ですが、少しでも個々に合った支援を見つけて行いたいと思います。ありがとうございました。【児童デイサービス, 保護者】

・福祉サービスについて詳しく知ることができました。子ども達への直接的な支援だけでなく、受けられる福祉サービスが分かりました。詳しくはこれからまた資料を見返しますが、発達障害者に必要な支援がここまで広がっていることは嬉しく思いました。我が子が診断されてから、何をどうしたらいいのかと途方に暮れましたが、とにかく自分から情報を得にいかないといけなかったので、今後はよりたくさんの親子に伝わりやすくなるといいなと思いました。書類の分かりづらさにとても共感しましたので、気軽に相談できる方にいてもらえるというのはありがたいなと感じました。資料のひとつひとつがとても詳しく、分かりやすく書かれていたので、時間をかけてゆっくりと読んでみます。ありがとうございました。【特別支援教育アシスタント, 保護者】

・こんなに繋がれるところがあるんだと知った。皆さんの顔もわかってきて、参加するのが楽しみです。来月もよろしくお願いします。【保育士, 民生児童委員】

・国が何を必要として支援してしているか大まかに理解することができたように思います。まだまだ医療機関や福祉、一般、専門職と言われるなかでも正しい理解は今からという段階と感じています。また、ICFの環境を整える事での生きやすさはとても大切だと思います。【作業療法士】

・施策の具体的な内容、調査から生まれたアセスメントツールなども紹介していただき、参考になりました。【施設職員, 当事者, 凸凹フューチャーセンター共同代表(グラフィックファシリテーションを活用し、発達障害をはじめとした当事者と関係者が対話する場づくりを行っています)】

・現在の支援関係がよく理解でき、参考になりました。支援の狭間に取り残されない体制へ向けて、制度の整備に努力されているのが伝わりました。支援法施行当初と比較して、ずいぶん体制が整ってきて大人の発達障害者においても支援が進む方向にあるのが判りました。多様性を認める社会になるよう、教育の支援もとても大切なので、どちらかというと、べき思考の多い日本社会がふんわり思考になりますように。。。田中なおき先生、内容の濃い講義をありがとうございます。とてもよく現状のシステムがわかりました。やさしいトーンの声が、聞きやすかったです。【会社員 保護者】

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・様々な制度、支援体制がある中で、“何のために” 行うのか、明確な目的があることの重要性を学ぶことができました。行政や民間において、合理的配慮が構築されているが、どんな支援がありサポートがありということを知らない人が多いと思う。これらをPRして一人でも多くの方々に知ってもらうことは、社会全体で合理的配慮を浸透し提供していく大きな一歩になると思いました。【保育士】

・発達障害者が受けられる支援について、包括的に知ることが出来ました。制度を知ることで考えられることの幅が増えたと思います。資料がとても参考になります。事前に配って頂けるので、目を通しておけて助かります。【塾講師, 保護者, 整理収納アドバイザー】

・支援法や機関等、自分にとって難しいと感じる内容が多かったのですが、エピソードを交えながらお話しいただき、イメージがしやすく、最後まで何とか聴くことができました。【児童デイサービス, 言語聴覚士, 保護者】

・情報量が非常に多く、把握しきれない部分もありましたが、ポイントを絞って伝えていただいたため、自分にとって特に必要な情報を意識的に得ることができました。法律によって、必要な支援を当事者や保護者が選択できるようになっていることは非常に有意義がことだと思います。早期に相談につながっても、長期間診察待機という現状があるように、需要と供給のバランス、数と質のバランス等課題は多いと感じます。日々、目の前の業務のことで精一杯のところはありますが、体制や制度のことなどを知っておくことはとても大事だと思いました。【保育士】

・昨年度は学童クラブで、今年度は児童センターで働いています。保育士や教師の資格はなくてもよいということで働き始めました。働き始めると中々上下関係、こうあるべき的な事が当たり前のように発信させられ、虐待とDVについては学んだことを活かせるどころか否定的に捉えられ、悩ましい日々を送っていました。有資格者が受けている研修内容をざっくりと知ることができました。保育士、教師の資格は無いので先輩方がどの様な学びをしているのか、分からなかったので...。目指すのは完璧な支援員ではなく、自分が出来ること探しであってほしいと思います。そのための支援策が、国として自治体としてこの様なものがある。というような情報を提供し、受け取った者は躊躇なく周囲と共有できたらいいなと思います。自身の特性も考え踏まえながら参加できると、疲労感を感じないで受講できるのかな?と思います。(分かり易いこともあるのかと思います。)【児童センター(パートタイマー)】

・厚生労働省が取り組んでおられる施策内容がよくわかりました。国の動きがよくわかりました。今後も幅広い方からの講義をお願いします。【地方公務員】

・国の現状、施策、動向を理解しておくことは現場にいてもとても大切なことだと思いますが、職場においてもその部分が不足しているように感じます。今回は新しく充実した内容、資料をご提供いただきたいへん勉強になりました。先生には、ワクチン接種で熱が下がられたばかりという中ご講義いただき感謝申し上げます。【施設職員】

・養育期の子供たちへの支援にとどまらず,この次にどの様にバトンタッチをすればよいのか青年期以降の支援の姿を知っていることは,非常に安心感のもてることだと感じました。公的な支援の仕組みがイメージできるようになりました。ありがとうございました。【会社員】

・これから中学生になる子どもについて、これから先受けられるサポートサービス制度が知れた。【保護者】

・発達支援関係の施策について、法令に基づく事業などのお話をしていただきましたが、私自身の理解の範囲を超えていて、資料に目を通すのが精一杯でした。【塾講師, 放課後児童クラブ】

ここからは兵庫県教育委員会の田中裕一先生のアンケートを紹介します。

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・様々な話を通して、目的・目標をもってかかわり、つながっていかなくてはと改めて思ってます。保護者・本人との対話、連携機関との関わり、ベクトルを合わせるなど、それらの意味を、明確に、そして、今後どのように、学んだことをつないでいったらよいのかを学ばせていただきました。合理的配慮の言葉が浸透していくからこそ、よりよい合理的配慮を提供するためにどのようにしていくとよいのかを学ばせていただきました。質疑応答も明確にお答えいただきました。今後につなげていきます。ありがとうございました。【教員】

・差別取り扱いの禁止と合理的配慮の不提供の禁止が明確に分かった。ポイントを教えてくださったり、楽しい雰囲気でお話くださったので、難しい話かと思いましたが、分かりやすくあっという間に時間が過ぎました。恥ずかしながら、法律の改正などをしっかりと追っておりませんでしたので、これを機にチェックしていこうと思います。今までなんとなく分かっているつもりでいた合理的配慮ですが、先生のおっしゃる「原点にあたる」で理解が進み、自信を持って周知できると感じました。自分の身になるにはまだ時間がかかりますが、いただいた資料や今後も学ぶことでたくさんの方に伝えられるようになりたいです。保護者として子どもの校長先生に伝えることはできそうですが、職場の先生方に、さて、どのように伝えていけるだろうか。今後の課題です。最初のワークがとても助かりました。一生懸命仕事をしていると、どうしても書かれていたようになりがちです。子どもたちのためにも、支援者、親の心身の健康第一にやっていきたいです。ありがとうございました。【特別支援教育アシスタント, 保護者】

・教育現場の中での具体的な支援の内容と出来ること,出来ないことをどのように考えて行ったらよいのかが分かった.前日にZOOMのURLなどを送って頂いたので,大変助かります.【教員, 保護者】

・学校教育における合理的配慮と題して午前に続き資料が多かったので気を引き締めて受講していましたが、さすがに特別支援教育で指導されていた先生だけに ポイントを明確に要点を分かりやすくお話して下さり頭に入りやすかったです。話に引き込まれました。今回は 受講中の質問や、途中で参考資料等の紹介がありましたが チャットにも慣れてきて、更に資料も検索しやすく教えて下さり いつも至れり尽くせりです。落ち着いて受講できます。ありがとうございます。【特別支援教育アシスタント, ふれあい推進員】

・尚樹先生もそうでしたが、理解が難しくて眠気が出そうな資料を、色々な具体例を挙げながらお話ししてくださったので、わかりやすく最後まで理解が追いついた形です。発達障害者を支える合理的配慮について、学校だけでなく、社会に出ても必要となるものだと思いました。子ども時代から合理的配慮を身近に感じたり、見たりする経験を子どもたちに積んでいってもらえるように、先生のおっしゃる宣伝役を意識して合理的配慮を広めていきたいと思いました。【児童デイサービス, 言語聴覚士, 保護者】

・行政の支援施策や具体的な取り組みについて、どのようなことがあるのか興味があり、今回しっかり学ぶことができました。【保育士】

・お人柄がとても好感が持てる方でした。上から目線でもなく、こうあるべきも感じられず私自身もこの様な先生に巡り合いたかったな~と感じました。今回の資料をご活用ください。と言っていただいたことに感銘を受けました。【児童センター(パートタイマー)】

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・膨大な量の情報を、ポイントを絞って伝えて頂けたので分かりやすく学べました。最後のグループ交流に先生方が入って下さるのは、自分にとっての振り返りにもなり、とても良いです。毎回良い講座をありがとうございます。【塾講師, 保護者, 整理収納アドバイザー】

・発達障害、特別支援教育に関する情報をアップデートできたこと。特に、文科省の方々が、本当にフラットな視点で施策を検討してくださっていること、ただ、それが実際に各市町村が解釈し、進めていくのに時間がかかっているのだということがよく理解できました。5年後、10年後の社会、教育現場がどのように変容していくのか、楽しみになりました。【施設職員, 当事者, 凸凹フューチャーセンター共同代表(グラフィックファシリテーションという手法を使って、発達障害の当事者や支援者、研究者などが立場を超えて対話する場をつくっています)】

・今まで合理的配慮の意味を間違えていました。今回とてもよく理解出来ました。ありがとうございました。【児童デイサービス, 保護者】

・発達障害児と保育士時代に関わってきました。その子が学校に進級してその後を見させてもらっています。その子の困りごとに寄り添いたいと思ってきましたが、十分にできていたのか? また、今は不登校児とも関わっているので、登校刺激や通うだけで次々に課題がでてくる恐怖などを、本人から聞いてきました。しかしながら、学校は学校の立場がある。それが明確にわかったことで、前にすすめそうです。【保育士, 民生児童委員】

・最新情報と経緯がとてもわかりやすかったです。W田中先生の講義(厚労省と文科省の両方のお話)を一日にしてGETしてしまうとは、なんとも贅沢な時間ではありませんか。最後の交流会ほんとうに短く感じました、あっという間に終了時間でした。学教教育に合理的配慮が義務となった点は、保護者としても本人にとっても現状より視野が広がっていく方法を得る助けになると思います。裕一先生のとにかく2つだけ覚えて欲しいと言われたことが、ありがたいです。支援に関わる上で、注意する点。本人の思いと保護者の願いが、ある程度同じ方向性でなければ、対話にズレが生じる。更に管理側との調整がうまくいかない原因になる。。。信頼関係が大切なんですね。【会社員 保護者】

・法律や制度の話を、現場での経験も踏まえながら説明していただき非常に分かりやすかったです。講座の中で特に印象に残っているのは、「ベクトル合わせ」。矢印が179℃違う方向を向いていても、1℃は同じ方向を向いているという思考は、自分にはありませんでした。大切な視点を得ることができました。【教員, 保育士】

・合理的配慮の具体やなぜ必要かが改めて理解することができました。具体事例を多く学ぶことで、支援の幅が広がるので助かります。【地方公務員】

・法などの制度面について、実感のこもった貴重なお話をいただきありがとうございました。世の中に周知されることで必要な支援が行き渡るといったお話も伺いましたので、学んだことを少しずつでも発信していきたいです。【施設職員】

・子供たちへの支援の裏付けとなる合理的配慮。これ程に考えられていることに驚きです。支援者の子供たちを支える活動には,この理解が欠かせないことを理解しました。ありがとうございました。【会社員】

・自分からどうすればできるのかを学校や放課後等デイサービスに発信していくことが大切だと気付かされました。何より、障害のある本人がどうしたいかを把握するこが大事だと教えて頂き、まだ幼いので本心かどうかを見抜くのが難しい場合ですが、今後は本人の意思を尊重できるよう一緒に考えて行きたいと思います。発達障害の将来を考えて、情報が中々得られず悶々としていたので今回の講座を受講出来て参考になりました。【保護者】

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次は7回目「特性に応じた支援」です。午前中は「医療現場から見た発達障害」で、午後からは「ワーキングメモリと学習支援」です。公開講座もありますので飛び入りで参加されたい方はこちらをご覧ください→NPO法人日本インクルーシブ教育研究所

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