1つの場所に、たくさんの「認められたい」を閉じ込めないで。
僕は今、自分が“精神的に健康な状態”だと思っています。
別に、毎日がうまくいっているとか、全く落ち込まないとか、そんなことはないのですが、それでも楽しく生きられていると思います。
ただ、数年前までは、“精神的に健康な状態”なんて、ほとんどありませんでした。
「だるい」「しんどい」「めんどくさい」といった、ネガティブなことばかり言っていましたし、常にイライラしやすかったと思います。
しかし、1つのものへの依存を少しずつ手放してみることで、自分の中の精神状態が少しずつ変わっていきました。
特に、手放すべきものが“職場への依存”です。
ほとんどの人が、仕事場と家の往復を繰り返す人生を送っているため、「職場」での自分の評価が、自分の価値そのものと感じてしまうことがあります。
どんどん職場に依存して、同僚に依存して、相手への期待が高くなります。
「期待が高くなる」というのは、決して仕事上の話ではなく、それとは別の、コミュニケーション上の問題なども含みます。
「相手がこうしてくれるだろう…」「自分だったら、こうするのに…」が強くなり、冷たい態度をとったり、相手のことを許せなくなってしまいます。
それとは逆に、自分にも期待してしまい、「自分が成果を出したい」「自分が評価されたい」という気持ちが強くなって、それが叶わずに自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
これが、自分の生きている世界は「職場」だけではないと思うだけで、こうしたストレスは軽減されます。
たとえ、自分が他の人よりも上司に好かれていないとしても、そこで自己嫌悪に陥ることはないでしょう。
「上司に人間性を認められるために、この仕事を始めたわけじゃない」
「本当に人間性を認められたいのは、友達だな」
自分が生きる世界が他にもあることを思い出して、それぞれの世界で、何が重視されているのかを冷静に考えれば、なんでもかんでも職場で評価されようと思う必要はないはずです。
能力を認めてもらいたいなら「職場」、人間性を認められたいなら「友達」、容姿を認められたいなら「恋人」と、それぞれを分けて考えることで、自分の身の振り方が変わります。
一つの世界でいろいろな方向性に向かって頑張るよりは、複数の世界でそれぞれ一つの方向性に向かって頑張った方が、心の整理がつきやすいのです。
もちろん、職場で人間性が漏れることもあれば、恋人の前で能力が漏れることもあるでしょう。
そのぐらい、さりげなく魅力が漏れている方が人間らしく、周りの人も接しやすいです。
だから、勇気を持って、「多方面で魅力的に見られたい」という執着を手放してみましょう。
職場には職場なりの、恋人には恋人なりの、友達には友達なりの、それぞれ違った自分で良いんです。
全部全部、本当のあなたの姿です。
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