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親孝行と恩返しを混同してはいけない。

何をしたら、親孝行になるのか。

それは、自分や周りの大人が決めることではなく、親が決めることです。

僕は、高校生の時に週に30時間以上は働いて、その稼ぎのほとんどを家庭の生活費に充てていました。母の日には、母のために手料理を振る舞ったり、何の日でもないのにオーブントースターをプレゼントしたり、食事に連れていったこともあります。

しかし、僕が母親に親孝行したと認められた行為は、このどれでもありませんでした。

それは、12月に沖縄に帰省した時のこと。その日は、母親と美味しいランチを食べて、美味しいケーキを食べました。本当に、ただそれだけでした。

しかし、その日の夜に母親から「今日は親孝行したね」と、初めて直接言われました。

僕からすると、その日は親のお金で、親の運転で、親の決めたところに行っただけでした。脳内に疑問が思い浮かぶばかりです。

何も与えていないのに? 

何もお金を払っていないのに? 

何か労力をかけたつもりもないのに?

僕は、そんな風に考えてしまいましたが、親が親孝行と認定したのですから、確実にそれが親孝行なんです。

つまり、僕の親は、子どもに何かを与えてもらうよりも、子どもとの時間を過ごせることが最も嬉しいのです。自分の話を僕に聞いてもらったり、僕が自分の話をしたりすることが、最も価値があるのです。

他の親はどうなのだろう?と思った僕は、巣立った子どもを持つ周りの大人の話も聞きました。その結果、ほとんどの人が「子どもが離れて寂しい」と言ってました。やっぱり、一番欲しているのは、子どもとの時間なのです。

つまり、一般的に言われている、何かを与える親孝行は、親が思う親孝行ランキング1位にはならないのです。多分、17位ぐらいです(笑)。

だから決して、母の日に花束をプレゼントしたり、父の日にネクタイを買ってあげるだけで、親孝行した気になってはいけないなと感じました。

本当に親を喜ばせるのであれば、親子の時間を過ごすことが一番です。

他の人間関係なら、何かを与えたら見返りが欲しくなります。実際にお返しがあると、相手に好感を抱きます。すごくシンプルな構造です。

しかし、親は子どもにたくさん与えているのに、そのお返しが一番の親孝行とは思っていません。恩返しと親孝行を混同していないのです。

もしかしたら、親子関係って、一番複雑な人間関係かもしれませんね(笑)。

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