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儚い夢舞台

いいな、と思う人に出会うと、二度見してしまうけれど、頭では、一目惚れした、と思うのだから、自分の思考なんて信用できないな。

言っていることと、やっていること違うじゃん、と文句を言う人がいるけれど、果たして、世の中にどれくらい有言実行している人がいるんだろうか? 大抵どこかしら違っているんだから、そこらへん大目に見ようじゃないか。寝ている間に冷蔵庫を開けて、何かを食べているのをテレビで観て、もしかして自分も寝ている間、何かしているんじゃないかと思ったりする。ぐっすり眠った日の寝起きは、なんだか気持ち良いのだけれど、その分、寝ていた感覚すらなかったな、と思い、もしかして死んだ感覚ってこういう感じなんじゃないかな、と少し恐ろしくなる。ぐっすり眠っている時に、頭を銃で打たれたら、死んだことすら気づかないような気がした。どんな好きな曲でも、目覚ましの曲にすると嫌いになってしまうから、寝起きの五感は案外厄介な気がしている。起きてから時間が経つと、五感が世界に順応してゆくような気がして、それならずっと寝起きのままでいたい、と思った。一目惚れも、寝起きのようなものなんだろう。

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