マガジンのカバー画像

短歌まとめ

14
アメブロからお引越しした過去短歌。
運営しているクリエイター

記事一覧

【短歌】東京の思い出 4

【短歌】東京の思い出 4

※ この記事は2017年にアメブロにて書きましたが、noteに一本化するためにこちらに持ってきました。

3割の片言少しの間だけ近くにいたって覚えてる耳

後ろから英語を訳す何度でも君の背中を追いかけるよう

照れている自分が邪魔なランチ後はオフィスグリコにBest regards

肩並べ歩く笑顔のぎこちなさ会議室から見えた"20:00"

東京で雪降る週の胸騒ぎ To Doリストは云わば長旅

もっとみる
【短歌】東京の思い出 3

【短歌】東京の思い出 3

※この記事は2013年10月にアメブロにて書きましたが、noteに一本化するためにこちらに持ってきました。

梅雨入りとホームシックはほぼ同時次の日やけに晴れていたけど

一言にまとめたくてもこぼれてく捨てたんじゃない置いてあるだけ

ジャケットを放ればシャツの白いこと背中の広さ見つめさせてよ

寂しさを最小限に出来そうな紙コップで飲むカルピスソーダ

メンバーの血液型を話してもなぜかお互い言い忘

もっとみる
【短歌】東京の思い出 2

【短歌】東京の思い出 2

※この記事は2013年10月にアメブロにて書きましたが、noteに一本化するためにこちらに持ってきました。

君のセル#N/Aなんて見せかけて条件変えれば私が見つかる

久々にスーツを着れば手の荒れた頃の私とそれ見る君が

まだ遅いキーをたたく手 切り取りが早くったってコピーを使う

それとなく好かれる半透明な子でいたいってのに隣に来るな

小さいも大きいも知らぬ嘘ばかりただ少しだけ好きってだけで

もっとみる
【短歌】題詠詰め合せ

【短歌】題詠詰め合せ

※この記事は2018年にアメブロにて書いたものですが、noteに一本化したいためこちらに持ってきました。

長いこと短歌を書いていません。
いざ暇が出来て作歌してみようとなっても、どうやって作っていたのか、もう忘れてしまいました。
そこで、無から生み出すよりは、ちょっも苦手でも題詠に挑戦してみました。
お題を取ってくるのが面倒になったので、2以降には大学生の時に所属していたサークルで使われた題を使

もっとみる
【短歌】二十三

【短歌】二十三

※この記事は2013年8月にアメブロで書いたものです。noteに一本化したいので転載しました。

この胸が暖かくなるなんて嘘あなたの声は今日も冷たい

亡霊に苦しめられるよりはまし誕生日終わるまでに告げるか

いないよりいる方がましの私かも枝豆同じ皿で食べつつ

言う前に失恋中の歳月を誇れるふるまい見つからなくて

触れた背はポロシャツの生地錆びついた空で再び会えた気がした

知り合いと口にするた

もっとみる
【短歌】十月の花火

【短歌】十月の花火

※この記事は2013年10月にアメブロにて書きましたが、note一本化のためこちらに持ってきました。

細いのが好きだと言っておいたのに薦めたせーらむほんとにライト?

台風が過ぎ去り月が澄んでいる好きじゃないけどいないと寂しい

のど飴をひとつあげます手渡しをせずにデスクの上を滑らせ

不意にする言いたげな顔「SALEMでもこれじゃないやつ」なんだそれだけ

お仕事で優しいだけと知っててもどきど

もっとみる
【短歌】東京の思い出 1

【短歌】東京の思い出 1

※この記事は2013年5月にアメブロにて書きましたが、noteに一本化するためにこちらに持ってきました。

初めての出社これから書くソース機械語になる夢から醒めた

このボタン押ささんないって北海道生まれの新人SEの声

社会人始めてみれば目を合わせ話せるあなた以外大体

新しい土地で物語のしっぽ見かけましたが続くでしょうか

休憩をしてる背中を見てしまいコーヒー買ってデスクに戻る

札幌の開花は

もっとみる
【短歌】2013年冬〜春

【短歌】2013年冬〜春

※この記事は2013年にアメブロで書いたものです。noteに一本化したいのでこちらにお引越し。

もうすでに終わりかけてる恋だけど宛先のない二月はやれない

待ち合わせではなくただの集合だ君の来るほう確認しつつ

久々にただ真っ直ぐに見つめてるそれでもこの顔わたし知ってた

飾ってる写真について訊くべきだどういう人と笑ってきたの

可愛いと隣り合わせのイラだちは好きだからだと告げられなくて

少し

もっとみる
【短歌】図書館棟の思い出

【短歌】図書館棟の思い出

※この記事は2013年にアメブロで書いたものです。noteに一本化したいので転載しました。

月のある大きな黒板気まぐれにウサギを書き足すその目の奧は

ゆっくりと落ちる重たい透明の青まで酌み取るノートがほしい

「屈折と反射」を〝私と君〟と言うことに少しも躊躇いません

本当は自分で答えたいけれど君しか知らないから会いに行く

発つときに言うつもりでもこんなにも早く君から聞けばしんどい

もっとみる
【短歌】2011年春、夏

【短歌】2011年春、夏



思い出を語り合うけど戻ってる場所は全然違うのだった

ガラス窓もたれ張りつき目は閉じずすきま風さえ春の手触り

へとへとで愚痴も言えずに座り込みあなたの声でこのまま眠る



ぼやけてる現実よりも鮮烈な夢でも君は名前を呼ばない

待って、ってあなたに腕を掴まれた夢はゆっくり忘れたらいい

【短歌】2009年春、冬

【短歌】2009年春、冬



左様ならをいつもはたから聞きており我が為だけの憧れが征く

春風が私の一歩上をゆくきつめのリボンほどいた先輩

惑う春かばんの中を確かめて小中高大メタモルフォーゼ



つり革を持ちつつ耳を近づけるふたりはきっと付き合っている

イヤホンは君が去るまで出しません間が持たなくて意味がなくても

【短歌】2012年、夏

【短歌】2012年、夏

物理学概論のノート見て書いた中学生の恋愛小説

はつなつに緑は深まる 半袖を隠す白衣をくるりまくれば

窓のない教室で会った人なのに空を見たって胸が苦しい

本当は自分で出したい答えでも君しか知らないから会いに行く

咳をする合間小さく耳にする青いハートの絵文字の呼吸

心地良いスピードのままこれからも君と交差を続ける予感

三つ目の矛盾の先も聞くうちに何度黒板上げ下げしたろう

もうちょっと線の

もっとみる
【短歌】ぐるぐるマフラー

【短歌】ぐるぐるマフラー

居眠りをくり返す帰りマフラーに口紅擦っているとも知らず

話す距離足の先まで温かい部屋の冷たいシーツに似てる

使わずに置いたお皿は欠けていた 会いたい気持ちは変わらないけど

いつか君消えてしまうの カレンダーめくれば疎遠になった人びと

継続は力ですからそんなことないよって言い続けましょうか

君を諦めてぐるぐるマフラーは前も後ろもわからなくする

歌っても止めやしないのに一人だと声も出さずに

もっとみる