【短歌】2012年、夏
物理学概論のノート見て書いた中学生の恋愛小説
はつなつに緑は深まる 半袖を隠す白衣をくるりまくれば
窓のない教室で会った人なのに空を見たって胸が苦しい
本当は自分で出したい答えでも君しか知らないから会いに行く
咳をする合間小さく耳にする青いハートの絵文字の呼吸
心地良いスピードのままこれからも君と交差を続ける予感
三つ目の矛盾の先も聞くうちに何度黒板上げ下げしたろう
もうちょっと線の細かいノートなら五回は式を増やせていたか
一粒のラインストーン反射して膝に名もない星座が散らばる
古典的↔量子的って考える人にだったらまた出会いたい
教室を二人が去るとき冷房は匂いを既に新(さら)にしていた
会えたのがそもそも遅い君ゆえに何周だって思い返せる
このバスは自動車学校行きのバス全部でガンキョウいくつでしょうか
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2012年の夏に書き溜めたもの。
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