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90に近いおばあちゃん。デイケアでリハビリ中。

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90に近いおばあちゃん。デイケアでリハビリ中。

最近の記事

エッセイを出版しました。

題名『そのときをまつ』というエッセイをパレードブックス社から出版しました。今まで小さな冊子を簡易製本機、あるいは製本テープで格好よく?作ってはお友達にあげていました。 お友達は、お年寄りが多いので一気に気楽に読めるものをと手作りしました。本格的に出版社から出したのは初めてです。とても楽しかったのですが、意外に喜んでいただいてあっという間になくなってしまいました。 人生の終わりにこんな楽しいこと、嬉しいことがあるなんて///// noteのおかげです。

    • おばあちゃんの世界とは

      すごいなあ❕そしてありがとう 病気に感謝するやんちゃん。夫の浮気、離婚、そして悪性リウマチ。 10年以上も闘ってきたやんちゃん。 やんちゃんの著作『やんで、病んで、そして今』。これを読んだとき、私は感動と、頬を伝わる涙に驚いた。 そして、こういうやんちゃんと知り合ったことに感謝している。 デイケアに私より五ヶ月くらい遅れて入ってきたやんちゃん。まるでだるまさんのようだった。 人は苦しみ、悲しみ、さまざまな闘いを通る時、なぜこんな目に合うのかとますます落ちていく自分がある

      • おばあちゃんの世界とは

        2.頼もしい 75歳のおくちゃん、後期高齢者になったばかり。おくちゃんは地方のデパートの洋服からその他何でも手がけてしまうCxxxの店長である。 この売り場はどんどん広がっている。いろいろなイベントも手掛けていて、年寄りから若い人にも人気だ。 近頃さびれたデパートにここだけは必ずお客がいる。おくちゃんはお客をとりこにしてしまう何かを持っている。 おくちゃんは日勤ではない。こんな働き方もあるんだ。 デイケアに来ているモリンちゃん。61歳で脳出血で倒れて右半身が不自由だ。今は

        • おばあちゃんの世界とは

          1.嬉しかった 先日スーパーに買い物に行った。ショッピングカートを押して中に入ろうとした。その時ちょうど出ようとしたニコおばあさんが、「お先にどうぞ」と、にこにこして譲ってくれた。「ありがとうございます」と会釈して先に入った。出る方が先なのに、申し訳ないと思いつつ。真っ白な髪の毛と、杖をカートにつけている私に譲ってくれた。とても温かい気持ちになった。 翌日近くの整形外科へ、歩く訓練のために杖をついて出かけた。小さな交差点で少し休みたいと立っていると、自転車に乗ったエッチラお

        エッセイを出版しました。

          左に曲がって右に曲がって又左に曲がったその奥

          そこにあったのは小さな美容室。宣伝も何もしない。 「いらしゃいませ」甲高い声が響く。一人でやっている。 ご主人が亡くなって、パートで通っていた美容院をやめて自宅で開業した。 三人の幼子を抱えていたが甲高い明るい声はその当時と変わらない。 亡くなったご主人の退職金、保険金があり三人の子どもにもそれぞれ教育も受けさせている。何より夫への感謝の気持ちがにじみ出る。 ご主人の実家は長野であるが、子供の成長や、日本におけるしきたりはきちんとこなしていた。 そしてどこの美容室にも共通の情

          左に曲がって右に曲がって又左に曲がったその奥

          歳をとるという事

          10.高齢者の息抜き デイケアの利用者と仲良しになって、自主トレのわずかな合間におしゃべりを楽しむ。他愛もない話でも、何となく楽しい。 「これで家に帰ると、ご飯の用意をしなくちゃいけないの。私一人なら適当に済ますんだけどー」 「昔の旦那はみなそうね、今の若い人は二人とも働いているから、早く帰った方が適当に作ってくれるしね」 「もう旦那が亡くなって一人だからせいせいしている」 うちの主人がね、うちの人、旦那が、うちのダンつくは、と高齢者は夫のことを言う。

          歳をとるという事

          歳をとるという事

          9.ひと月に1回講座が開かれる デイケアは月曜日から金曜日まで午前、午後と2回ある。土、日はお休み。 その5日間かけて同じ講座が開かれる。 スタッフの手作り講座である。例えば、8月「かしこい脳の使い方」<認知症予防についての講義>とか、9月「重曹とアロマオイルで消臭剤を作ろう」。etc どの講座も希望者だけで、無理強いはしない。私は、皆さんと親しくなるために積極的に参加した。 6月には、ボッチャというパラスポーツがあったが、スポーツ以外は男性の参加は少ない。大勢参加

          歳をとるという事

          歳をとるという事

          8.デイケアの利用者 月曜日の朝8時半と、木曜日の午後1時にお迎えに来てくれる。 1教室14~5人で1クラスである。 迎えの順は、私が最初で利用者は他に2人乗る。私の次は男性である。 大きな声で「おはようございます」と声をかけた。返事はなかった。 新参者が!と思われたのかな~・・・・・・いやそうではいないらしい 3人目は女性。「おはようございます」また大きな声で挨拶をした。小さな声で「おはようございます」と返ってきた。 小柄なこの方はもともと声の小さい人らしい。

          歳をとるという事

          歳をとるという事

          7.介護保険 要支援2の認定 支援センターの支援員に断られたことを知って、姉のところに来ているケアマネージャーが手続きをしてくれた。 かかりつけの医師の診察と、市役所の福祉課がきて調査した。そして要支援2と判定された。 支援員に断られてから4年が経っていた。 ケアマネージャーが紹介してくれたのがデイケアという施設で、週二回3時間づつ送迎付きで行くことができる。 老人施設に行くというのは少し不安があった。とうとう私も老人だという思いをはじめて実感した。 要支援の人は、ケ

          歳をとるという事

          歳をとるという事

          6.治療院、整体院を訪ねて 生活に支障をきたしていたので、介護保険を申請してみた。包括支援センターの方が見えて、質問に答えた。その方曰く「これだけ滑舌にしゃべることのできる人は無理ですね」。私としては質問に対して忠実に答えただけであって、身体上の事はまだ何も話していなかった。 仕方がないのでインターネットで調べたり、あるいは人に勧められて、理学療法士の整体院を訪ねた。まとめて前払いで8万円支払った。自宅に来てもらうためその都度千円を別途支払った。1週間1回で3か月。あま

          歳をとるという事

          歳をとるという事

          5.体の痛みが起きてきた 八十路に突入したころ、急に体の痛みが出てきた。早速整形外科へと出かけた。待合室はしんとしていた。受付の女性も何かピリピリしていてニコリともしない。 娘さんらしい人が母親を連れてきているようであった。 レントゲン撮影の為、隣りの部屋にいた私には医師の声が聞こえてくる。すでに会話は覚えていないが、患者に対して、私自身が何か悲しいような、やるせない気持ちになったことだけ覚えている。老人はこんな風に扱われるのかと。 私の診断は老人特有の脊柱管狭窄症だ

          歳をとるという事

          歳をとるという事

          4.60代後半から喜びに溢れた。 退職後の身の振り方については、まだふらふらした気持ちでふさぎ勝ちであった。 主婦経験のない私は、主婦の会話はいろいろ聞いていても頷くだけで面白くない。それはまだまだ自分に高齢者という実感がないのだ。 高齢化社会とは65歳以上が総人口の7%以上と言われていた。日本は世界で類を見ない速さで超高齢社会に突入した。 年寄りという実感のない私はウォーキング、体操で身体を鍛えた。さらにパソコン、絵手紙にも興味を持って夢中で取り組んだ。そのため空虚感

          歳をとるという事

          歳をとるという事

          3.お母さん、ごめんね! 都会から帰った私は、介護も何も出来ない。ただ何でも話しやすい母に愚痴ってばかりいた。 母の口からは「ありがとう、姉弟の中でいちばん心配していたお前が最も頼りになったよ」と。それから間もなく母は亡くなった。80歳であった。 お葬式の時も涙は出なかった。しかしさまざまな場面で常に母を思い出す。そして知らぬ間に涙が頬を伝わる。 父はすでに寝たきりになっていたため、慶弔の時は介護保険を利用した。施設側はまだまだ未熟で、食事は一人では取れないことを念を押し

          歳をとるという事

          歳をとるという事 

          2両親の老後 私は"おひとりさま”です 今は亡き両親。生前、父が大きな詐欺に遭った。たぶん生活は困窮していたであろう。母の明るい性格が私たちに苦しみを感知させなかった。 しかし両親と叔父(父の弟)の三人の老後は容赦なくやってきた。 まだ介護保険はなかった。姉が三人の介護を担い、家計は私に背負うことになった。 都会に転勤していた私に、友人から姉がすっかり参っている旨の連絡が入った。そのため私は田舎に帰ってきた。 それまで、仕事は私に合っていて楽しかった。今後については、5

          歳をとるという事 

          歳をとるという事

          6年前から身体じゅうの痛みで苦しい! 私の歳では平均余命がまだ6年もある。懸命にリハビリをするのだが老いの方が先に進む。 内臓以外にいろいろメスが入った身体である。それでも70代迄は貪欲に動き回っていた。老人であることを忘れてしまったかのように。 80代に入って、運転免許証の返納にあたり(田舎では大変不自由なので)、インターネットバンキング、PAYPAY、クレジットで金銭の出し入れを先ず確保。 その次はタクシー。田舎では流しのタクシーはない。女性のドライバーと懇意になって、い

          歳をとるという事